kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=


2008年11月28日

ムンバイの事件、ガーディアンの分析 (2)

昨日のエントリの続き:
http://nofrills.seesaa.net/article/110303711.html

ジェイソン・バークの記事:
What do the Mumbai attacks mean globally?
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2008/nov/27/mumbai-terror-attacks-india1
※手取り足取りの説明的に書かれていないだけだと思われますが、この記事はジェイソン・バークにしてもちょっと難解で(この人の英文はときどき抽象的で難解だったりする)、私が読み違えている可能性もあります。

概要:
ムンバイの攻撃は世界的にどのような意味を持つのか。

第一にいえるのは特に目新しいことではない。発生直後である。昨年、インドでさまざまなテロリストの攻撃で死亡した人は2700人。これは世界で最悪の状況だ。(インドでのテロリストの攻撃を見るうえでの)ポイントは、実行犯になりうる層が幅広いということだ。


攻撃のスタイルからは(その意味は)非常に読み解きにくい。今回は、アルカイダ中心部が関わっているとされる攻撃に特徴的な派手な爆発を伴わず、大都市のソフト・ターゲットを複数、人海戦術でゲリラ的に攻撃している。

攻撃のために船を使っているが、これは確かに独自であり珍しい――ただし、2000年にUSSコール号への攻撃でアルカイダは船を使ってはいる。

アルカイダ中心部の攻撃では、人質をとるのはそんなに頻繁には見られない。確かに、チェチェンの集団がモスクワで劇場を占拠し観客を人質に取ったことはあるが、彼らは「アルカイダ」の集団ではなかった(クレムリンが当時どう言っていたかは別問題だ)。

大勢の戦闘員が火器で乱射攻撃するというのは、以前に例がある――2004年、サウジアラビアのコバール (Khobar) でのものだ。しかしこれもまた、アルカイダの中核とは距離を置いて半自治的に動いていた集団によるものだ。

実際、銃と手榴弾というスタイルは、アルカイダよりもカシミール(およびインドの各地)やアフガニスタンの武装勢力の作戦を思わせる。スリランカのタミル・タイガーの作戦すら思わせる。

観光産業が標的とされている点だが、それはこれまでにもあった。例えば1980年代後半のインドネシアやエジプトなど。

戦術がこれほどにごちゃまぜであること、正統派ユダヤ教のセンターを標的とし、英国人や米国人、イスラエル人を選び出したらしいということから、インド育ちの勢力の存在が示唆される。

インドのマモンハン・シン首相は、既に「外部のリンク」――これはアルカイダかもしれないしパキスタンかもしれない――の関与を口にしているが、専門家は、この1年半の間に起きた一連の攻撃について、外国人の関与があるとの説はもはや重視していない。

(犯行声明を出したのは)聞いたこともない名前の未知の組織だが、このことに基づく限り、インド育ちの勢力という説明に矛盾はない。犯行声明を出したのは「デカン・ムジャヒディーン」だが、この組織は「インディアン・ムジャヒディーン運動」(以下、「IM」)に近いように見える。IMは、断片化されてはいるが能力は高い。この何ヶ月かにIMが出している犯行声明は、信頼できるものとして扱われている。

インド育ちという説明は、また、武装主義における世界的傾向にも沿うものだろう。実際に、アルカイダ中心部は足元を再び固めているしパキスタン西部のトライバル・ベルトでの能力も回復しているが、イスラム武装主義というものの多くは今もなおその地域限定のものだ。モロッコやアルジェリアで、イラクで、欧州で、そしてアジアでも極東でも、ほとんどの武装組織は縦割りの階級や司令系統ではなく、非常に広い横のつながりを有することを特徴としている。彼らはひとつにまとまっているのではなくばらばらであり、全体像ははっきりとはつかめない。個人と個人とのつながりや、常に変遷する小規模のストラクチャーがその基本だ。

ひとつの作戦のためにすべてを集めるのは、簡単にできることではないが可能である。また、常に一定ではしないが効果のある攻撃という結果をもたらすものと思われる。またこれは実行犯の――攻撃の後も生きていればだが――身柄が拘束されることを困難にするし、それがどのような人物であれ、作戦全体の主導者を追うことも難しくする。


というように、ジェイソン・バークは、長年の取材に基づいた「がっちりとした組織の体をなしているわけではなく、知り合いとか親戚とかいった個人のつながりで成立している緩い存在としてのアルカイダ」という見方を基調とし、今回のムンバイの事件が「アルカイダのテロ」かどうかという点について、非常に慎重な態度を示しています。

なお、バークのこの記事のコメント欄はかなり荒れていて(記事に対するコメントではなく、事件についての演説大会となった模様)、コメント欄が早期に閉鎖され、コメントの投稿は同じテーマの別の記事にお願いしますということになっています。

その記事が下記。

Who is behind the Mumbai attacks?
Stephen Tankel
guardian.co.uk, Thursday November 27 2008 16.00 GMT
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2008/nov/27/mumbai-terror-attacks-india4

筆者のスティーヴン・タンケルはEastWest Instituteのフェロー、the International Centre for the Study of Radicalization and Political Violence(過激化・政治的暴力国際研究センター、ロンドンのキングズ・コレッジのWar Studiesと関係が深いようです)のアソシエート・フェロー。平たく言えば「テロリズム研究の専門家」。
http://www.guardian.co.uk/profile/stephentankel

バークの記事より手取り足取りの説明がなされていて、内容がつかみやすいです。これについてはまた次のエントリに……。

※この記事は

2008年11月28日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 22:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

この記事へのトラックバック





【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

……全文を読む
▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼