kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=


2008年06月23日

the Policeおよび放送禁止歌@北アイルランド紛争編

再結成ツアー中のThe Policeが、6月20日、北アイルランドでも公演を行なった。場所はベルファストのストーモント・エステート内のイベント会場。

エステート内にはストーモントの議事堂もあり(→エステート内の見取り図の看板: 800kbくらいあります)、「北アイルランドの政治的中心地」であるのだが、野外にステージを設営して「大物」のライヴが行なわれたりもする(検索して出てきたのは、エルトン・ジョンとかイーグルスとか)。The Policeの場合は、議事堂の正面のところにステージを作る予定だったが、高さがあるため完全に平らなところに設営しないと危ないとの当局の判断で、直前にメインのドライヴウェイに変更された(BBC記事)。

まあそんな細かいことはどうでもいいのだが、The Policeといえば「北アイルランド紛争」をテーマにした曲が放送禁止となったことがあり、BBCではライヴ当日に、その曲、Invisible Sunを含むいくつかの「放送禁止歌」について書いた記事を出している。

Troubles tunes which annoyed Auntie
By Johnny Caldwell
BBC News
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/northern_ireland/7464668.stm

It may not get the biggest cheer of the night but the Police's hit Invisible Sun might well generate the most conversation among those attending the group's gig at Belfast's Stormont Estate.

The song was banned by the BBC in 1981 because of its overtly political, Northern Ireland-inspired lyrics, which refer to the "barrel of an Armalite" and "keeping out of trouble like the soldiers say".

【要旨】
The PoliceのInvisible Sunは、ライヴで最も盛り上がる曲ではないかもしれないが、ベルファスト公演の観客の間で話題になる曲といえばこの曲だ。1981年、BBCはこの曲の放送を禁止した。理由はあまりにはっきりと政治的な、北アイルランド情勢に関する歌詞にあった。


……と、本文を進める前に、Finetuneで作ったNI関連の曲のプレイリストのエンベッドプレイヤー。よろしければ聞きながらどうぞ。(「続きを読む」のあとに貼り付けます。)

http://www.finetune.com/playlist/1843359


……というわけで、本文。

BBCの記事でも歌詞の一部が抜粋されているが、コンテクストから切り離したものだけを紹介するのはあまりよくないので、実際の歌詞を公式サイトから:
http://www.thepolice.com/discog/?v=so&a=2&id=161
I don't want to spend the rest of my life
Looking at the barrel of an Armalite
I don't want to spend the rest of my days
Keeping out of trouble like the soldiers say
I don't want to spend my time in hell
Looking at the walls of a prison cell
I don't ever want to play the part
Of a statistic on a government chart

There has to be an invisible sun
It gives its heat to everyone
There has to be an invisible sun
That gives us hope when the whole day's done
...


1981年にシングルとしてリリースされたこの曲の出だしは、このように、「この先一生ずっと、アーマライト(英軍もIRAも使っていたライフル)の銃身を見て過ごすのはいやだ/この先一生ずっと、兵士の間で言うようにごたごたに首を突っ込まずに過ごすのはいやだ/この先一生ずっと、刑務所の独房の壁を眺めて過ごすのはいやだ/政府の統計表(死者数など)の一部になるのは、絶対にいやだ/見えないけれど太陽はあるはず」という内容だ。

3番には次のようにある:
And they're only going to change this place by
Killing everybody in the human race
And they would kill me for a cigarette
But I don't even wanna die just yet

彼らは人類すべてを殺すことでしか、
ここを変えることはできない
彼らはタバコ一本のために私を殺しかねない
でも今死ぬのはまっぴらだ


「紛争」という武力衝突の中でアーマライトを手にしている誰かひとりの心情を綴ったというより、複数の視点が入っていると私は解釈しているのだが、ともあれ、これで「放送禁止」になってしまう時代だったのだ。(プロモビデオが、北アイルランド紛争のニュース映像をコラージュしたものだった、というのも大きな要素だったのかもしれないが。)

2008年の欧州ツアーでのセットリストにはこの曲が入っているから、たぶんやったのだろう。どうだったのかなあと思っているのだが、ライヴ・レビューなどが今のところ見当たらない。ベルテレさんでも、ライヴの当日に掲載されたステュワート・コープランドのインタビューしか見つからず、このインタビューでInvisible Sunへの言及はない。

さて、BBCの記事では、「北アイルランド紛争に関連して放送禁止になった曲」として、The PoliceのInvisible Sun以外に次の曲が挙げられている。

- Paul McCartney and Wings, "Give Ireland Back to the Irish" (1972) →Finetuneの「NI関連プレイリスト」に入れてある。
これは「曲名すらも放送禁止」で、音楽チャート番組では「ウィングスの出した曲 a record by the group Wings」として言及された。

- McGuinness Flint, "Let The People Go" (1972) →この曲は私も知りません。レコードをお持ちの方のページ
この曲が放送禁止になったことはウィキペディアのMFの項にも書いてあるが、その原因は「インターンメント(一斉拘留)」に関係した曲だったから、とBBCにある。うは、聞いてみたい。少なくとも歌詞を知りたいのだけど、簡単に聞ける曲ではなさそう。

- Marxman, "Sad Affair" (1993) →歌詞
これはNIへの英軍の駐留(オペレーション・バナー)に反対する内容であり、BBCだけでなくUKの各ラジオ局で放送禁止となった。内容もそうだが、最もまずかったのはアイルランド語(ゲール語)での例のフレーズ(英語にすれば、'Our day will come' という意味の、IRAの有名なスローガン。BBCにあるからコピペしたいんだけど、こういうコピペが原因で閲覧警告が出ることがあると報告を受けているので、割愛)が入っていたことだそうだ。

記事の最後でFGTHの "Relax" も挙げられているのだが、これは明らかにNI紛争とは関係なさすぎる。(笑)記事を書いた人も何を書いてるのかわからんのではないかという論理構成になってるし(「NIとは関係はないが、放送禁止になったからといってアーティストに不利益だとは限らない例となった」みたいなことが書かれている)。「BBCが放送禁止にしても必ずしも打撃にはならないんで、そこんとこよろしく」って話かよ。(笑)

そんな話を、The Policeにかこつけた記事でやるなというに。

ともあれ、UKでの放送禁止歌は下記のページにまとまっている。
http://www.rocklistmusic.co.uk/banned.html

ここでは、BBCでの放送禁止の理由を「性的」、「政治的」、「政治的2(第一次湾岸戦争時)」、「病的」、「広告」(商品名そのまま系)、「Fワード」に分けて淡々と箇条書きしてある(でも一言解説がやたらとおもしろかったりするのもあるが)。

「政治的」の項に分類されているものでNIに関連がありそうなのは、BBC記事が挙げている曲(除FGTH)のほか:
- Hawkwind - "Urban Guerrilla" →歌詞(この曲もFinetuneのプレイリストに入ってます。NI関係のじゃなくて普通のプレイリスト)
「1970年代初め。ブリテン島でのテロが盛んな時期だったので禁止になった」とのこと。歌詞がアホみたいに直球だからこれはまあ(サタイアだと思うが)。で、Urban Guerrillaっていつのリリースだっけ、Hawkwindはリリース数が多すぎて基本的によくわかんないのだけど(基本的に好きですが)、73年にシングルとして出てて、リリース後3週間で回収されている(Withdrawn after 3 weeks of release.)。IRA事件年表@ウィキペディア英語版から見ると、M62道路でのバス爆破が74年2月で、そのあと国会議事堂やらギルフォードやらウリッチやらバーミンガムやら、イングランドでのIRAのテロ行為が立て続けに発生しているが、その前、73年からいろいろとあったので(年表に載らない程度の規模の爆弾攻撃があった)……ってウィキペディアにエントリあるじゃん。
http://en.wikipedia.org/wiki/Urban_Guerrilla
At the time of the single's release, the IRA instigated a bombing campaign in London and the BBC refused to play the single. After deliberation and the brief notion of promoting the b-side instead ("Brainbox Pollution", which dealt with the effects of drug misuse), the band's management opted to withdraw the single stating that "Although the record was selling very well, we didn't want to feel that any sales might be gained by association with recent events - even though the song was written by Bob Calvert two years ago as a satirical comment, and was recorded three months ago." Dave Brock has subsequently stated that "It was stupid to withdraw it, they were paranoid they'd get bombed. I thought that record was what everything was about in the 1970s."

デイヴ・ブロックのこのコメントは2000年代にも有効だろう。(気の抜けた笑い)

で、なんでHawkwindの話をしてるんだかわかんなくなりつつあるのだけど、強引に話を元に戻して、The Policeのベルファスト公演。

これがね、GotoBelfast.comで紹介されているんだけど、はっはっは。
http://www.gotobelfast.com/events/viewdetail.cfm/Events_Id/2639/level/page/category_key/197/Page_Key/278/parent_key/0/type/Page/PaGeName/The_Police
MCD PRESENTS
THE POLICE

STORMONT CASTLE, BELFAST
GATES 6PM / SHOW 7PM
FRI 20-JUNE-2008
£64.50 - £74.50

First Minister Rt Hon Dr Ian Paisley MP MLA and Deputy First Minister Martin McGuinness MP MLA have welcomed today's announcement by rock band The Police to hold a concert in the Stormont Estate this June.


ライヴが告知されたときはファーストミニスターにイアン・ペイズリー、副ファーストミニスターにマーティン・マクギネスで自治政府最強ツートップだったのだが、このふたりがそれぞれ「The Policeのライヴを歓迎」……って、想像つかない。マクギネスは1950年生まれ(確か)だからおいといても、ペイズリーとThe Police……ありえない。

ペイズリーの歓迎のコメント:
Speaking following the announcement Dr Paisley said: "This is a fantastic coup for Northern Ireland, an event of this magnitude has a sizeable benefit for the economy, not least our tourism industry. The beautiful grounds of the Stormont Estate are a fantastic venue for this event and it is fitting that they should be used by the public in this way."


マクギネス:
Deputy First Minister Martin McGuinness said: "This concert will send a message to the world that not only is the North open for business but that it is also a vibrant and exciting place to be. It is hoped that we will be able to accommodate some 35,000 fans at Stormont for the concert. I look forward to attending what I am sure will be an enjoyable show."


なんだ、どっちも「NIはショービジネスに好適」じゃん。つまらん。

GotoBelfast.comの記事は以下ずっと、カネの話です。

というところで、Invisible Sunを聞いているのだけど、冒頭がマーティン・マクギネスと重なってお茶ふいた。
I don't want to spend the rest of my life
Looking at the barrel of an Armalite
...
I don't want to spend my time in hell
Looking at the walls of a prison cell

イアン・ペイズリーも「北アイルランド紛争」の初期に投獄されているけど(煽りすぎで)、アーマライトの銃身を見つめていたのはペイズリーというよりマクギネスだろう。

あんまりアーマライトアーマライト言ってるとこの曲が聞きたくなる。
http://uk.youtube.com/watch?v=xlFssb89JtA
Armalite rifle police and ira
Armalite rifle use it everyday
Breaks down easy fits into a pram
A child can carry it do it no harm
Armalite rifle and the holy trinity
It's used against you for irish jokes and the bbc
...

http://www.lyricstime.com/gang-of-four-armalite-rifle-lyrics.html




Ghost in the MachineGhost in the Machine
The Police

曲名リスト
1. Spirits in the Material World
2. Every Little Thing She Does Is Magic
3. Invisible Sun
4. Hungry for You (J'Aurais Toujours Faim de Toil)
5. Demolition Man
6. Too Much Information
7. Rehumanize Yourself
8. One World (Not Three)
9. Omega Man
10. Secret Journey
11. Darkness

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


EntertainmentEntertainment
Gang of Four

曲名リスト
1. Ether
2. Natural's Not In It
3. Not Great Men
4. Damaged Goods
5. Return the Gift
6. Guns Before Butter
7. I Found that Essence Rare
8. Glass
9. Contract
10. At Home He's A Tourist
11. 5-45
12. Anthrax
13. Outside the Trains Don't Run on Time (Bonus Tracks)
14. He'd Send in the Army (Bonus Tracks)
15. It's Her Factory (Bonus Tracks)
16. Armalite Rifle (Bonus Tracks)
17. Guns Before Butter (Alternate Version) (Bonus Tracks)
18. Contract (Alternate Version) (Bonus Tracks)
19. Blood Free (Live) (Bonus Tracks)
20. Sweet Jane (Live) (Bonus Tracks)

Amazonで詳しく見る
by G-Tools




【北アイルランドの音楽についての過去記事】

「ベルファスト」を語る音楽@2006年12月24日:
http://nofrills.seesaa.net/article/30199005.html
=Slugger O'TooleでNIの人たちがわいわい話していたスレッドの紹介

「ベルファスト」を語る音楽、第2弾@2006年12月27日:
http://nofrills.seesaa.net/article/30359894.html
=Slugger O'TooleでNIの人たちがわいわい話していたスレッドの紹介

北アイルランドに関連する音楽@2008年01月04日:
http://nofrills.seesaa.net/article/76336216.html
=Finetubeで私がNI関連の曲を集めたプレイリストの紹介

北アイルランド映画祭より、Shellshock Rock@2008年02月03日:
http://nofrills.seesaa.net/article/82291888.html
=1979年のベルファストのパンク・シーンをまとめた46分のドキュメンタリー映画についての紹介。見る前に書いたもので、見たあとのはまだ書いてない。っていうかもう一度見たい。激しく見たい。



The Policeの公演の会場となったストーモント・エステートについての紹介記事:
http://alaninbelfast.blogspot.com/2006/04/stormont-estate.html

メインのドライヴウェイの左手にある「和解 RECONCILIATION」というタイトルの彫刻の写真があります。膝をつき、向かい合って互いに肩に頭を預けあう人の彫刻の足元に、Jerusalem, Berlin, Hiroshimaと、人間のもたらした悲劇の地の名を刻んだ石が立てかけられています。



コメント欄をオープンにしておくことに疲れたので、しばらくコメント欄をクローズで運営します。よってこのエントリもコメント欄なし。→6月27日解除。

※この記事は

2008年06月23日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 22:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | i dont think im a pacifist/words at war | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

この記事へのトラックバック





【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

……全文を読む
▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼