kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2019年03月25日

英国では怒りが大爆発した人々がすごい勢いでネット署名をし、デモを行うなどしているが、私は風邪で、東京は桜が咲き始めている。

風邪を引いた。単にだるいんだと思っていたら風邪だった。

その間に画面の向こうではいろんな動きがあった。英国では、Brexitについての政権・政府の仕切りの悪さに人々の怒りが爆発して、「Brexit反対、Article 50を撤回せよ」というネット署名が1日で300万を超える勢いで集まっていた(一方でフランスでは、政府に対する怒りを爆発させたのだという人々がまたパリの街で暴れていた)。署名が300万を超えた翌日には、ロンドンで「Brexit反対」(Article 50撤廃要求、および/または第二のレファレンダムことPeople's Vote要求)のデモが行われ、ざっくり100万人が集まった。あまりに人が多すぎて、「行進」にならなかったらしい。

そこまでは先週、風邪引く前に予想していた通りなのだが、土曜日・日曜日と様子がおかしい。テリーザ・メイに対する退陣要求が出ているというのだ(いずれはそうなるにせよ、まだちょっと早いだろう)。3月18〜22日の週に、EU27か国の側は英国に対し、「テリーザ・メイがEUとの間で取りまとめた合意(協定)案が議会下院で可決された場合は5月22日まで、可決されなかった場合は4月12日までの期限日の延期を認める」と伝えた(英国は6月末までの延期を求めていた。これが拒否された形。ようやく、Brexitの日程に関する主導権は英国ではなくEUが握っているということが英国のBrexit過激派にも伝わっただろうが、遅すぎる)。

これが英議会で受け入れられるかどうかはまだ確定はしていないが、受け入れられないと考える理由はなさそうだ。つまり、「3月29日の合意なき離脱」だけは回避された。そのあと? どうなるかわからない。「合意案の可決」が当面の関心事だが、これまで2度にわたってその「合意案」に不支持の票を投じてきた議員たちの何人かが、ことこの期に及んで「苦汁を飲んで支持する」などといったことを表明しているらしいし、修正もいろいろ提案されて、それぞれ採決されるだろう。だがもう私は集中力がとっくに切れている。今のこの状態についても「んなん、英議会で合意案が2度目に否決されたときにやっとけや」としか思わない。こんなんに振り回されっぱなしの人々がたくさんいるということが、気の毒でならない。

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2019年03月17日

変化したアイルランド、首相が男性パートナー同伴で外交

今日、3月17日はセント・パトリックス・デイ(アイルランドの守護聖人、聖パトリックの亡くなった日)で、アイルランドの祝日。世界各地がシンボルカラーの緑に染まるのは、ここ20年くらいの間にアイルランドがプロモーションを成功させたためだが、元々この「3月17日の緑祭り」はアイルランドが発祥というより在外アイルランド人、特に北米の人々が始めたものだ(ソース)。

アイルランドと北米の縁は深い。映画でもその《物語》に関するものは非常にたくさんある。『タイタニック』や『ギャング・オヴ・ニューヨーク』のような歴史大作もあれば、『ブルックリン』のような一人の女性の人生と内面をじっくり描いたものもある。私は今日は10年以上ぶりにジム・シェリダンの『イン・アメリカ』を見た。天使のような子供から目が離せない、センチメンタルなメロドラマ(とてもよく作られている)。



一方、コンピューターの画面の中は通常運転で、ニュージーランドで発生したモスク襲撃テロに関連して極右がなんちゃらといったフィードがあふれていて、アイルランドはBrexitの話とラグビーのSix Nationsの話(25-0だったのに最後に意地を見せてトライを決めて25-7にするあたり、アイルランドらしいと思った)のフィードがたくさんあるが、中には、一部Brexitと関連して、セント・パトリックス・デイでの訪米外交のフィードもあった。

セント・パトリックス・デイでの訪米外交はアイルランド共和国の政治トップだけでなく、北アイルランドの政治トップも行なっており、Brexitがあの状況のなか、DUPのアーリーン・フォスターはワシントンDCから写真をフィードしてきたりしている。

一方、アイルランド共和国はレオ・ヴァラドカー(ヴァラッカー)首相がDCに行っている。彼はアイルランド生まれのアイルランド人だがお父さんがインド出身の医師で(だからアイルランドの白人優越主義者には嫌われているし、「移民」呼ばわりもされている)、アイルランド初の人種的マイノリティの首相なのだが、それ以上に彼が注目されているのは、ゲイであることをオープンにしているうえで与党党首に選出され、首相となったということだ。

同性カップルが珍しくなくなった現在では、外交行事では「男の首相とファーストレディ」や「女の首相とファースト・ハズバンド」というのが慣習だった場面で、「男の首相とファースト・ハズバンド」「女の首相とファーストレディ」ということになることもある。昨年はヴァラドカー首相は確か外交的な場には単独で出席し、カジュアルな場でだけパートナー(男性の医師)を伴っていたと思うが(要確認)、今年はパートナー同伴で外交行事をこなしている。

中でも注目され、ウェブで実況中継のようになっていたのが、現政権の中でもものすごい保守派として知られるペンス副大統領のもとを訪問したときのことだ。


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2019年03月13日

Flickrの縮小

当ブログがファビコンにしている写真は、2008年5月に撮影した公共の花壇のナデシコだ。カメラを持った腕を目一杯下げて、ファインダーを見ずに適当にシャッターを押して歩いた結果の一枚で、Creative Commonsのライセンスで、写真共有サイトFlickrにアップしてある

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しばらく前から告知されていたように、Flickrが無料サービスを大幅に縮小する。この1月からは、Proアカウントを取得しないと(=無料ユーザーだと)全部で1000点までしかアップロードしておくことができなくなっていて、既に1000点を超えてアップロードしているユーザーはログインすると「Proアカウントに切り替えましょう」と促す画面が表示される。Proアカウントは、月払いだと$6.99/month, 年払いだと$4.99/month, つまり$59.88/yearとなる(Source)。ProアカウントではAdobe Creative Cloudが15%オフになるなど外部の優待も受けられる。

既にアップロードされている写真・ビデオで、1000点を超えている分については、3月12日(米国時間。つまり日本時間ではがっさりいって3月13日)以降、順次削除されていくことになる(当初は2月に削除開始予定だったのだが、データのダウンロードがうまくいかないなどしていてユーザーからの意見があり、1ヶ月延長された)。

ただし、Creative CommonsのライセンスやPublic Domainで公開されているなど「コモンズ」(広く共有されるべきもの)の一部としてFlickrで公開している写真・ビデオは、削除対象とはならない(この点、少し迷走したが、最新の2019年3月8日発表の方針では、CCライセンスにしたのがいつであるかは問わず、Flickr.com上にアップされたCCやPDの写真はすべて、削除対象外にする、と説明されている)。また、既に亡くなったユーザーのページはそのまま保全されるという(Flickrは基本的に「削除されない」という前提で利用されてきたサービスなので、現時点で既に世を去っているユーザーへの対応としては、正しい判断がなされたと思う)。

自分がアップロードした写真・ビデオは、削除が始まる前なら全部バックアップを取ることができる。3月13日に書いても「今さら」感があるかもしれないが、記録のために書いておくと、Flickrにログインした状態でAccount → 画面右下の "Your Flickr Data" の欄で青いボタンを押す、というシンプルな手続きでダウンロードできる(その場ではできず、DLの準備が整ったらメールでお知らせが来るという形……メール来てなかったけどw)。私の場合、写真は6000点を超えているのだが、1時間もかからずにDL準備ができていたようだ。複数の圧縮ファイルに分割してDLできるようになっているから、ファイルサイズが大きすぎてなかなかDLし終わらないというトラブルもかなり回避できるだろう。DLリンクは3週間有効になっている。

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各種ヘルプは、サポート・フォーラムの下記のスレッドの最初の投稿にまとまっている。
https://www.flickr.com/help/forum/en-us/72157676293604137/

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2019年03月10日

今週(2019年3月3〜9日)の北アイルランドからのニュース (2): ブラディ・サンデー事件加害兵士らの訴追の問題、軽視される「法の統治」

今週の北アイルランド関連ニュースから、先ほどのエントリで最近のディシデント・リパブリカン組織の動向についてまとめたが、本エントリではより深刻な「法の支配」や「国家の暴力」についてまとめておきたい(「まとめる」=「一ヶ所に集めておく」であり、「内容を解説する」ではない)。

ここで何をやるか、先ほどのエントリから抜粋すると:
つい先日、パット・フィヌケン弁護士殺害事件についての司法の判断が出たばかりなのだが、来週は1972年1月30日デリーの「ブラディ・サンデー(血の日曜日)」で市民を撃ち殺した英軍兵士の訴追の可否をめぐる結論が出されることになっていて、英保守党の政治家たち何人かが「仕事をしただけの軍人を殺人罪に問うとは」というスタンスでわめき始めており、その中で現在の北アイルランド大臣カレン・ブラッドレーがかなりなトンデモであることが発覚(ブラディ・サンデーについては2010年に「撃ち殺された人々は全員無辜の市民」と結論したサヴィル卿の調査報告書が出たときに、当時の首相デイヴィッド・キャメロンが「英軍の行為に正当化の余地なし」と認めて謝罪をしているのだが、今の保守党の政治家たちはそれを無視している)、それと同時に、今週は1971年8月のバリーマーフィー事件(デリーのブラディ・サンデーの約半年前に、ベルファストで英軍が市民11人を撃ち殺した)のインクェストが始まっていて、非常につらい事件のディテールが改めて語られている(倒れた人を英軍は撃った、というような)。


てんこ盛りだ……。作業が終わる気がしないが、やるしかないだろう。先ほどのエントリでも、いつものような細かいリンクは入れていないが、ここでもそういうのは省略する。詳細を調べたいと思った方は適宜英語で検索を(日本語で検索してもほぼ何もわからないと思うが、検索ワードによれば&運がよければ大学の研究者の論文PDFが検索結果に出てくるはずで、それを読めばよくわかるはず)。

今回の動きが最初にTwitterで見られたのは、3月はじめのことだった。

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2019年03月09日

今週(2019年3月3〜9日)の北アイルランドからのニュース (1): ディシデンツ周り(英軍基地襲撃・警官銃撃から10年、ロンドンの爆発物)

今週(3月3日から9日)は北アイルランド方面が騒がしかった。それも、昨今の主要な関心事であるBrexitとはほぼ関係のないことで。

まず、何もなくても「今週はこういう週」ということがわかっていたのは、2009年3月の2つのテロ事件から10年を迎える、ということだった。

1件は2009年3月7日夜のアントリム州英軍基地襲撃。マセリーン基地(駐屯地)でアフガニスタンに向けて出発する直前にちょっと時間があったのでピザを頼み、配達を受け取りに出た20代初めの兵士(非武装)2人が、基地の外にいた銃撃犯に撃ち殺された事件で、未解決だ。これはReal IRAが犯行を認めていて、2人が起訴されて裁判が行なわれたが、1人は無罪となり、ここで有罪になったもう1人も控訴審で無罪となった。ちなみに2人とも銃撃の実行犯として起訴されたわけではなく、つまり、英軍兵士を基地の入り口で銃撃した当人を、当局は起訴に持ち込むことすらできていない。

もう1件は同年3月9日のクレイガヴォン警官襲撃。通報を受けて駆けつけた警官を銃撃者が待ち伏せして殺すという陰惨極まりない事件で、こちらはContinuity IRAだった(この事件でCIRAの存在を知った人も多かったかもしれない)。この事件では2人が起訴されて2人とも有罪になって、現在刑務所の中にいるが、彼らの支援者というか「反英」な人々が何かと賑やかである。

今これを書いているとき、今日は3月9日で、私は今日は定点観測ということでBBC News NIのページを開きっぱなしにしているが、クレイガヴォンの事件についての「あれから10年」の記事は見かけていない。7日のマセリーン基地襲撃事件については、未解決ということもあって「あれから10年」の記事を見たのだが。

そういうタイミングで、ロンドンの交通の要衝3箇所に郵便で爆発物が送られた。翌日にはスコットランドからも同様の報告が出た。

さらに、つい先日、パット・フィヌケン弁護士殺害事件についての司法の判断が出たばかりなのだが、来週は1972年1月30日デリーの「ブラディ・サンデー(血の日曜日)」で市民を撃ち殺した英軍兵士の訴追の可否をめぐる結論が出されることになっていて、英保守党の政治家たち何人かが「仕事をしただけの軍人を殺人罪に問うとは」というスタンスでわめき始めており、その中で現在の北アイルランド大臣カレン・ブラッドレーがかなりなトンデモであることが発覚(ブラディ・サンデーについては2010年に「撃ち殺された人々は全員無辜の市民」と結論したサヴィル卿の調査報告書が出たときに、当時の首相デイヴィッド・キャメロンが「英軍の行為に正当化の余地なし」と認めて謝罪をしているのだが、今の保守党の政治家たちはそれを無視している)、それと同時に、今週は1971年8月のバリーマーフィー事件(デリーのブラディ・サンデーの約半年前に、ベルファストで英軍が市民11人を撃ち殺した)のインクェストが始まっていて、非常につらい事件のディテールが改めて語られている(倒れた人を英軍は撃った、というような)。

これらのことを、大きく2つに分けて整理・記録しておこうと思う。まずこのエントリでは10年前のReal IRA, Continuity IRAと、今のNew IRA(元Real IRAなどが再編した集団)関連、ディシデント・リパブリカン関連のトピックを。

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posted by nofrills at 23:08 | todays news from uk/northern ireland | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月04日

「モモ・チャレンジ」は、心配のあまり、大人たちの反応が過剰になった事案。「フェイクニュース」ではなく。

この2月末、一度見たら目に焼きついてしまうような奇怪な顔写真のついた報道記事のフィードが、Twitterで私の見ている画面にいくつか流れてきた。往年の「口裂け女」と貞子を合体させたような顔写真で、フィードされている記事はガーディアンのものだった(ガーディアン記事のTwitter Cardで表示される写真が、その奇怪な顔のものだった)。「うげ、何じゃこりゃ」とは思って記事URLをクリックして読んだ記事の内容を、いくつかのツイートに分割して投稿し始めた私は、それを途中で中断して投稿したツイートを全部消した。この件については、連続したツイートの一部だけが拡散されても困ると思ったからだ。

というわけで、さくっとツイッターに流して終わるということにはできなかったのだが、かといってブログに書くこともしなかった。「書くほどのことではない」というより、正直、「書くにしても、どこに重心を置けばいいのか」ということがわからなかったからだ。メディアが別のメディアを批判したりしている声がでかかったし、過去に類例があったのを思い出してその記事の外でネット検索で調べてみたがはっきりしないことが多くて、何というか、全体像をつかみかねてしまっていた。

が、この騒動の発端近くにいたのが北アイルランド警察だった(そして「ねとらぼ」に北アイルランド警察のFBのキャプチャが載っていた! PSNIの「ねとらぼ」デビューなんて、想定外すぎる)という奇遇も手伝って、全体を見渡してみることができた。

下記に書いてある。

「こんな怖い話を聞いたんですけど……」で始まったネット上の "都市伝説": 「モモ・チャレンジ」とは
https://matome.naver.jp/odai/2155168676005142901


問題の奇怪な顔写真は使わないように編集してある(画像を非表示にしてある)ので、そういうのがいやな人が見ても大丈夫だ。私個人はそういう編集はあまりしたくないのだが、ああいう「衝撃画像」的なインパクトのある写真を何度も何度も繰り返し目にすることが精神衛生上よくないということは自分の体験からもわかっているので(イスイス団の暴力の最盛期に本当に懲りた)、「検閲」と批判されるかもしれないが、画像を非表示にした。英国のメディアはそういうところは配慮せず、がんがん奇怪な写真を使ってくるので、けっこう消耗する。(元々、例えば米国のメディアより、何というか、センスがアレだし。)

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posted by nofrills at 23:35 | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ある言説や思想がトンデモであることは、それが社会的に共有されることを全然妨げない: 陰謀論についての注意喚起のために

2001年9月11日の所謂「米同時多発テロ」から17年半になろうとしているときに、今さら「911陰謀論」を自分のフィルターバブル内で見ることになるとは思っていなかった。

だが、逆に考えて、17年半も経過していれば、あのトンデモな陰謀論が「今までになかった新たな説明」みたいに見える人も、それなりに多くいるだろう。ちょうどうちら世代の人々が「アポロは月に行っていない説」など、教科書で事実として扱われていることに「疑問」を「突きつける」言説に新鮮味を覚えたのと同じように。そういうトンデモ言説の中には、南京虐殺否定論のように、一部のトンデモ界隈の外に出て書店の棚をそれなりに埋めるほどにメインストリーム化しているものもある。ホロコースト否定論をぶちかます医療関係者の発言力は、ここ数年で強まりこそすれ弱まってる気配はない(ホロコースト否定論をぶちかましても、「信頼される発言主」というステータスは揺らいでいない)。

トンデモであることは、その言説や思想が社会的に広く共有されることを、全然妨げない。

それだけに余計に、この陰謀論については、それが「トンデモ」だということを知っている者が書いておくべきだろうと思う。たとえその言説や思想そのものをストップすることができなくても(ましてや「潰す」ことなど絶対にできやしない)、それに近づいてしまった人にとって、「そっちは危険だよ」と注意を促すことくらいは、少しはできるだろう。

というわけで、先日のTwitterでの発言をここにまとめておく。


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2019年03月03日

『操られる民主主義』の原著など、ジェイミー・バートレットの電子書籍が300円台なので買うべき。(付: Amazon Kindleで洋書を買うときの注意)

ここ数年、ビッグデータだAIだフェイクニュースだっていうのと並行して、英語圏では「情報通信技術と民主主義」についての調査・検証や考察がなされていて、2018年(特に後半)は日本語の翻訳書の出版も続いた。

そのひとつがジェイミー・バートレットの『操られる民主主義: デジタル・テクノロジーはいかにして社会を破壊するか』(草思社)。電子書籍もあるので、書店に出向かずとも読むことができる。

操られる民主主義: デジタル・テクノロジーはいかにして社会を破壊するか
ジェイミー バートレット
草思社
売り上げランキング: 32,318


本書内容より
・アンケート回答がビッグデータに吸い込まれていく
・自分が知っている以上に自分のことが知られている
・トランプの大統領選とケンブリッジ・アナリティカ
・イギリスのEU離脱、プーチンのサイバー戦の正体
・ネットは人びとの抑えられた感情を増幅していく
・怒りの共有が細分化された「部族」を生みだす
・プラットフォームを持つ企業が市場を独占する
・AIは仕事の格差を産み、社会の分断が加速する
・仮想通貨とブロックチェーンが揺るがす社会基盤

◎本書もくじより
イントロダクション テクノロジーが社会を破壊する?
第1章 新しき監視社会――データの力は自由意志をどのように操作しているのか
第2章 「部族」化する世界――つながればつながるほど、分断されていく
第3章 ビッグデータと大統領選――デジタル分析が政治のありかたを揺るがす
第4章 加速する断絶社会――AIによって社会はどうなるのか
第5章 独占される世界――ハイテク巨大企業が世界をわがものとする
第6章 暗号が自由を守る?――国家を否定する自由主義者たち
結論 ユートピアか、ディストピアか
エピローグ 民主主義を救う20のアイデア


このテーマでのバートレットの講演:



で、昨日調べものでamazon.co.jpである書籍のページを閲覧したとき、そのページの下部に、
  The People Vs Tech: How the Internet Is Killing Democracy
  Jamie Bartlett
  ¥320
と表示されているのに気付いた。というか正確には、「¥320と見えたのは見間違いで、¥1,320かな」と思ったので二度見した。

見間違いではなく、Kindle版が本当に320円だった。その場でamazonにログインしてこのKindle版を購入した(そして「デジタル積読」をまた増やしてしまった……)。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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