kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=


2017年08月31日

たった1人で北アイルランド和平をひっくり返していたかもしれないテロリストが英軍内に浸透していた件

英軍に、今なお武装闘争を信じて活動を続けているアイリッシュ・リパブリカニズム信奉者が浸透していた、ということになる。それも単なる「英軍」ではない。海兵隊だ。軍隊でのエリート集団に非主流派リパブリカンのテロリストが入り込んでいたのだ。唖然とするよりないよね。

テロリストの名前はキアラン・マックスウェル。30代に入ったばかりでFBなども普通に使っている「いまどき」の若者だ。FBには軍隊での訓練中に笑顔を見せる写真などがアップされていた。



2016年に発覚したこの事件の判決が出たのが、今からちょうど1ヶ月前の2017年7月31日だった。そのときからずっとブログに書こうとしていたのだが、どうにもまとまらずにずっと下書きのままになっていた。判決から1ヶ月になるし、そのタイミングでUTVのドキュメンタリーも出たので、もう無理にでも公開しておこうと思う。以下、事件発覚時までさかのぼってみていくので、記述はとっちらかったものになるかもしれない。

これは「ディシデント・リパブリカン組織のやったこと」というより、「ディシデント・リパブリカン組織に参加する個人のやったこと」だ。そしてその個人は、もしも何も発覚せずに活動を続けていたら、たった1人でも北アイルランド和平プロセスをひっくり返していたかもしれない。大げさに煽るのではなく、彼、キアラン・マックスウェルのやっていたことは、本当にそういう重大性を持っていた。

判決を受けて、英国政府の北アイルランド担当大臣は、この件を解決に導いた捜査当局に敬意を表し、「人命を救ったことは間違いない」と評価し、「この個人(被告)がなそうとしていた害は、(禁固18年と保護観察5年の計23年という)量刑を見れば、いかほどの規模になろうとしていたかがわかる」と述べている(原文は下記)。



本来ならば、判決のあったタイミングで北アイルランド自治政府の2トップ(ファーストミニスター&副ファーストミニスター)からも自治政府の司法大臣や各党の警察担当者からもコメントが出るところだが、あいにく北アイルランドの自治議会・自治政府は、今年1月に瓦解して以来、ストップしたままだ。その自治のシステムを再起動させる話し合いも、7月のプロテスタントのパレード・シーズンを前に決裂し、そのまま夏休みに入っていた。北アイルランドの政治家たちは、この厄介なテロ事案について、特に発言する必要に迫られることなく過ごしているということになる。

ただ、仮に、キアラン・マックスウェルの判決が出たときに自治システムが通常通りに稼動していたとしても、政治的にはさしておおごとにはならなかっただろう。「IRA」という看板につい目を奪われて、「シン・フェインの身内」と思ってしまうかもしれないが(実際、そのように位置づけてわめきたてているロイヤリスト過激派もいる)、今「IRA」という看板で武装活動を続けているのは、北アイルランド紛争期に「IRA」だったProvisional IRAではない。Provisional IRAの方針に反対し、離反していった分派組織だ。キアラン・マックスウェルが関わっていたContinuity IRAは、そういった「非主流派リパブリカン武装組織 (dissident Republicans)」の主要組織のひとつだが、そういった非主流派のことは、ユニオニストだけでなく、シン・フェイン(リパブリカンの主流派)も厳しく非難している。実際、「厳しく非難」などという言葉では生温いほどだ――2009年3月、時代遅れの「武力至上主義」を貫こうとして警官を撃ち殺した非主流派に対し、故マーティン・マクギネスが発した言葉は、これ以上厳しい非難の言葉はないというくらいに厳しいものだった。
http://www.irishnews.com/news/2017/01/21/news/widow-of-murdered-officer-stephen-carroll-hails-mcguinness-for-denouncing-traitors--895619/
Mr McGuinness, speaking as deputy first minister, received a death threat after branding the killers "traitors".

He said: "These people, they are traitors to the island of Ireland. They have betrayed the political desires, hopes and aspirations of all of the people who live on this island."


マクギネスはそれまでにも何度もディシデンツから脅迫を受けていたのだが、この発言のあとはますます深刻な脅威にさらされることとなっていた。ネット上には今も、自分たちを「アイルランドにとっての裏切り者」呼ばわりしたマクギネスに対するディシデンツの反発・中傷・脅迫の言葉が残っている(新聞記事の一部として、あるいは彼ら自身のブログやYouTubeなどに)。

閑話休題。

事件が発覚したのは2016年3月だった。その後容疑者が逮捕・起訴され、最初の報道から約1年4ヶ月後の2017年7月に裁判が終わり、禁固18年という刑が言い渡され、事件の全貌が明らかになったのだが、当初は軍人が絡んでいるなどということは誰も思いもしなかっただろう。私もだ。

■発端〜武器庫の発見
1916年のイースター蜂起から100年という記念の年である2016年の3月、北アイルランドの自然公園(Carnfunnock Country Park)内、雑木林みたいなところの地面に掘られた穴に、ガチでやばいものがいろいろ蓄えられているのが発見された。発見は(垂れ込みなどによるものではなく)偶然で、通りすがりの人が異状に気がついて警察に通報した、と報じられていた。

北アイルランドには、周知の通り、今でも活動を続けている武装組織がいくつか(いくつも)ある。往時に比べれば規模は小さいし、社会における広範な支援もないが、紛争終結後の武装解除最終期限を過ぎても、武装を放棄していない集団が複数ある。また、かつての紛争期に密かに作られた「武器庫」がそのまま忘れ去られていたケースもある(そういうのが発見され、70年代のソ連製のRPGが出てきたりとかしたことも実際にある)。だから最初に「武器庫発見」のニュースの見出しを見たときは「紛争期の遺物かなあ」と私は思った。紛争期どころか、ひょっとしたら100年前の異物かもしれない、とも。

しかし、記事を読んでみたら明らかにそうではなかった。この脅威は現在のものだった。

Weapons cache found in Carnfunnock country park, Co Antrim
Sunday 6 March 2016 14.42 GMT
https://www.theguardian.com/uk-news/2016/mar/06/weapons-cache-found-in-carnfunnock-country-park-co-antrim

【続きを読む】
posted by nofrills at 23:30 | todays news from uk/northern ireland | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月28日

「立て続けのテロ」と「過剰反応」が乱れ飛び、「情報操作」も加わって、何が何やら……という日々

欧州では夏も終わりつつある8月第3週、理不尽な暴力が多くの命を奪い、地域社会に傷を負わせた。8月17日にスペイン、カタルーニャのバルセロナとカンブリス(カンブリルス)で車を使った攻撃があり(この事件に関わったテロリストのグループは、現時点で全員死亡もしくは逮捕・起訴されている。バルセロナの事件の前日にアルカナーという町にあるガスボンベ・ボム工場が誤って爆発したため、ボムを使った大規模な攻撃計画が頓挫し、代わりに車突入という手段がとられたと思われる)、その詳細な状況もまだわかっていないうちに18日にはフィンランドのトゥルクで刃物を使った攻撃がなされた(殺傷の容疑者は1人で起訴済みのほか、現時点で逮捕されていない国際手配者あり)。カタルーニャのテロで尊い命を奪われた被害者は、現時点で16人(事件後ずっと入院していたドイツ人女性が亡くなって1人増えた)、フィンランドでは2人。

続く8月第4週は、犠牲者が出たという話は聞かなかったものの、やはり「テロ」やそれに類する事件が、立て続けに複数個所で起きた。23日(水)の夜にオランダのロッテルダムで行なわれる予定の米バンドAllah-Lasのライヴに対して何かが行なわれるいう情報をつかんだスペイン当局からオランダ当局に連絡があり、結果、ライヴは中止となった(このときに、たまたまそのライヴハウスの近くを「ガスボンベを積んだ車」がふらふらと走っていたため、運転手のスペイン人が逮捕されたので情報が混乱し、Twitterなどでは「欧州のシェンゲン・エリアをdisる会」みたいなBrexit支持のアカウントなどが根拠も示さず自分たちの主張をわめきたてていたが、その車はライヴの中止とは無関係であることが判明している)。この事件では翌24日にはロッテルダムからあまり離れていないブラバント州の町で、22歳の容疑者が逮捕され、さらに2人目の容疑者も逮捕されたが、その後起訴されたとかそういう報道は私は見ていない。そもそも「Allah-Lasという名前のバンドに脅迫」などという事実があったのかどうかも判然としない。スペイン当局がオランダ側に緊急事態を告げるきっかけとなったのはチャットアプリTelegramの投稿で、Telegramはイスイス団メンバーやその支持者が使っていることで有名ではあるが、イスイス団以外の一般の人々も普通に使っている。

【続きを読む】
posted by nofrills at 23:20 | i dont think im a pacifist/words at war | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「想像の共同体」を背負った拳が巨額のマネーを生む。

普段、アイルランド&英国のニュースが入ってきやすいようにしてあるので、格闘家(総合格闘技)のコナー・マクレガーの話題は非常に頻繁に見かける。マクレガーは、私がモニターの中で見ている世界では誰もが知るスポーツ界のスーパースターで、ファッション・アイコンでもあり、格闘技に興味がなくてもいつの間にか顔と名前が一致するようになってしまっているような人だ。だから、米国時間で26日(土)夜、日本時間で27日(日)昼間にラスヴェガスで行なわれた「世紀の一戦 the Fight of the Century」のことは、開催が決まったときから日常的に記事見出しなどを見かけていた。

ちなみに「世紀の一戦」という表現は、1971年に行なわれたボクシングのモハメド・アリとジョー・フレイジャーの試合について使われたのが一番有名なようだが、実際にはそう銘打たれた試合は、20世紀には1910年、1921年、1938年に行なわれており、フレイジャーとアリの試合は「世紀の一戦、その4」だったようだ(ここに記載がないだけで、他にもそう銘打たれていた試合はあったのかもしれないが)。21世紀に入ってからは、2015年のフロイド・メイウェザーとマニー・パッキャオの試合が「世紀の一戦」とされており、今回、2017年のメイウェザー対マクレガーの試合は21世紀2度目&メイウェザーにとって2度目の「世紀の一戦」だった。これからもきっと何度でも「世紀の一戦」は行なわれるのだろうが、メイウェザーはこれで引退してしまったので、メイウェザーにとっての「世紀の一戦」はこれが最後となるようだ。

なお、私は個人的に格闘技には特に関心はなく、試合も見ていない。本稿は試合そのものについては扱わない。この試合をめぐるムードというかナラティヴについてのメモである。

それにしても、この試合の事前の過熱っぷりはすごかった。BBCのようなメディアでも、普段、ボクシングであれ総合格闘技であれ、こんなふうに試合が話題になることはないというくらいに大きな話題になっていた(だから、総合格闘技にもボクシングにも特に関心のない私でも、いつどこで行なわれる試合で、どんな選手がこぶしを交えるのかといったことは自然と把握していた)。試合で動く金もハンパではなく、何かもうみんながギラついた感じで見つめているという感じだった(マクレガーの試合がいかにカネを生むかということについてはスポーツナビの高橋テツヤさんの記事が詳しい。UFCデビューの前週まで役場に並んで生活保護を受けていたマクレガーが、巨額のマネーを叩き出すようになるまでを振り返っている)。

だがアイルランドでの熱狂は、そういうギラつきとはちょっと違っていた。コナー・マクレガーは、本人がアイリッシュ・トリコロールの旗(アイルランド国旗)を多用するなどしてアピールしまくっている通り「アイルランドの息子」だ。「うちのコナー・マクレガー」だ。

かくして、ラスヴェガスは、試合前にこういうことになっていたという(撮影地点はマンダレイ・ベイ・リゾートのようだ)……サッカー系の大手Twitterアカウントが「アイリッシュがその場を掌握したときには何もなすすべなどなくなる。そのことを、アメリカのセキュリティは素直に受け入れるべきである」と述べるような状態に。

【続きを読む】
posted by nofrills at 20:30 | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月21日

【訃報】リズ・マッキーン(ジミー・サヴィルの性犯罪について、BBCで調査報道を行なった記者)

「ジミー・サヴィル Jimmy Savile」という名は、現在、日本語圏ではどのくらい記憶されているだろうか。

1926年に生まれ、2011年に没したサヴィルは、1960年代から2000年代にかけて、BBCテレビの音楽番組や子供番組の司会者として活躍した国民的なTVパーソナリティだった(テレビのほか、ラジオの仕事もある)。1971年にOBE, 1990年にナイト爵という栄誉に輝いてもいる。

誰も文句の付けようのない名士にしてスターだったはずのこの著名人が、その立場を利用して多くの年少者を傷つけた汚らわしい性犯罪者だったことが公になったのは、本人が死んでから1年になろうとするころだった。

2012年10月10日 「お茶の間の人気者」で「名士」だった人物の公然の秘密は、あまりにおぞましいものだった。
http://nofrills.seesaa.net/article/296724178.html

実際には、サヴィルがセクシャル・プレデターだったことは、業界では公然の秘密だったという。それを、サヴィルは人格者であると思い込んでいる世間一般に知らしめたのは、2012年のITVの番組と、BBCの調査報道だった。

この「BBCの調査報道」は、局内ですさまじい抵抗を引き起こしていた。

「疑惑」が公になったあと、BBCはしばらく、「ことを荒立てない方向」で何とかしようとしていたようだ。自局の調査報道の看板番組、Newsnightではサヴィルの件は放送しないと決定したりしていた。しかし、事の深刻さゆえ、その方針は1週間もしないうちに撤回され、もう一つの看板番組であるPanoramaでサヴィルの件を扱うことにしたという。
http://www.guardian.co.uk/media/2012/oct/09/jimmy-savile-bbc-sex-abuse-allegations

http://nofrills.seesaa.net/article/296724178.html


BBC - The Editors: Jimmy Savile and Newsnight: A correction http://bbc.in/VjeB4l サヴィルの疑惑についてNewsnightで放映しないことにした件でのディレクターの説明が不正確なものであったという声明

https://twitter.com/nofrills/status/260330536831176704


ジミー・サヴィルの真の顔を調査し、その報道によって英国の人々に衝撃を与え、その後、「ギョーカイ」ではびこってきた同様の卑劣な性犯罪を刑事事件化する道を拓いたBBCの記者とディレクターは、「勇気あるジャーナリスト」として同僚から尊敬され、「重要な仕事をした社員」として上司から評価されて当然だった。「さすがBBC、身内にも遠慮せず、すごい報道をする」といった外部の賞賛の声が当時あったが、それはそのような尊敬や評価があって当然という思い込みとセットだった。

だがそのような思い込みは、実際には「思い込み」に過ぎなかった。ジミー・サヴィルの「公然の秘密」を調査し裏取りして番組にしたジャーナリストたちは社内で干され、その調査報道には上層部からの妨害があったことが大きく報じられたのは、2015年夏のことだった。調査報道班のプロデューサーはBBCをクビになり、記者は自発的にBBCを辞めざるをえなくなった。閑職に追いやられた者もいた。

そのような経緯でフリーランスとなった記者は、この年代のジャーナリストの多くと同じように、北アイルランド紛争関連の取材を経験していた。複雑で微妙な武力紛争のなかの取材を重ねて実績を作ってきた有能な記者だ。彼女を追い出すBBCって……とドン引きするのが普通の反応だろうが、そんな反応などものともしないのがBBCなのかもしれない。

ともあれ、その記者、リズ・マッキーンの名前が、18日(金)に久々にBBCのサイトに出ていた。死亡を告知する記事だった。

サヴィルの性犯罪を暴いたリズ・マッキーンは、52歳の若さで急死した。死因は脳卒中(脳血管の病気は本当に怖い。私の周囲にも、20代で朝起きてこないので家族が見に行ったら……といった事例がある)。

Ex-BBC reporter Liz MacKean dies after stroke
http://www.bbc.com/news/uk-40981585

Ex-BBC News correspondent Liz MacKean has died after suffering a stroke.

MacKean, 52, worked for the corporation for more than 20 years but left in 2013 amid a row over the decision to shelve her investigation for Newsnight about disgraced DJ Jimmy Savile.

She began her career at BBC Hereford and Worcester, before presenting on Breakfast and reporting from Northern Ireland and Scotland.

MacKean went on to work on Channel 4's Dispatches programme.

BBC director of news James Harding paid tribute to MacKean, saying she had earned a reputation as a "remarkably tenacious and resourceful reporter".

"In Northern Ireland, she won the trust of all sides and produced some of the most insightful and hard-hitting reporting of the conflict," he said.

"It was as an investigative reporter that she really shone, shining a light on issues from the dumping of toxic waste off the African coast to Jimmy Savile, the story for which she is probably best known."

...


以下、Twitterの貼り付け。

【続きを読む】
posted by nofrills at 03:00 | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ケンブリッジ大学出版局がジャーナル『チャイナ・クオータリー』の記事の一部を中国国内からアクセスできなくした件(リンク集)

標題の件。ブログの地の文を書いている余裕がないのですが、記録のため、Twitterに投稿したものをざっと貼り付けておきます。本稿は、内容的にはリンク集です。

この件、何より必要なのは、原文(英語)でケンブリッジ大学出版局(Cambridge University Press, CUP)のステートメントを読むことです。英語報道ではpull out, remove, blockといった表現が錯綜していて、正確に何があったのか、どういうことが行なわれたのかがよくわかりません。ましてやそれが日本語に翻訳されるとますますわけがわからなくなります(変な例しか思いつかないのですが、911陰謀論で "pull it" というこなれた英語表現の意味をめぐって話が混乱したことを想起していただければと)。

CUPのステートメントへも下記でリンクしていますので、各自、リンク先でご確認ください。

日曜日(20日)には中国の検閲対象となったジャーナル、『チャイナ・クオータリー』の編集長や、検閲対象とされて中国国内からはアクセスできないようにされた論文の著者(研究者)のインタビューも出ています。それも下記にリンクしてありますので、各自、リンク先でご確認ください。

なお、本稿については、リンク先をお読みにならない場合は、SNSやはてブでのコメントは、ご遠慮いただきますよう、お願い申し上げます。

何があったのかについては:
Cambridge University Press blocks readers in China from articles
Richard Adams Education editor
Friday 18 August 2017 19.14 BST
https://www.theguardian.com/education/2017/aug/18/cambridge-university-press-blocks-readers-china-quarterly
Cambridge University Press has blocked readers in China from accessing hundreds of academic articles – including some published decades ago – after a request by Chinese authorities, arguing that it did so to avoid its other publications from being barred.

The publisher confirmed that hundreds of articles in China Quarterly, a respected scholarly journal, would be inaccessible within China, after a letter from the journal’s editor protesting against the move was published.

“We can confirm that we received an instruction from a Chinese import agency to block individual articles from China Quarterly from within China,” CUP said. “We complied with this initial request to remove individual articles, to ensure that other academic and educational material we publish remains available to researchers and educators in this market.”


【続きを読む】
posted by nofrills at 00:22 | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月14日

ロンドン、国会議事堂のビッグ・ベンの鐘の音が、来週月曜から2021年まで聞けなくなる。

ロンドン、テムズ河畔に立つ国会議事堂の時計塔についている時計、愛称「ビッグ・ベン」には鐘があり、毎日時を告げている。また、「毎日正午に奏でられるビッグベンの鐘のメロディは、四つの音で奏でられる日本の学校でお馴染みのチャイムのメロディの基となった」ことでも知られている。

英国会のYouTubeアカウントがアップしている映像で、その「チャイムのメロディ」も、時を告げる鐘の音も確認できる。


この鐘の音が、しばらく聞けなくなるということが、今日発表された。大掛かりな修理を行なうため、来週月曜日(21日)から、4年間(2021年まで)止まるそうだ。英国のことだから、「2021年まで」というのが「2022年まで」になり、「2023年まで」になるかもしれない。 (^^;)

詳細は以下にて。

【続きを読む】
posted by nofrills at 23:19 | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月13日

米シャーロッツヴィルでのネオナチのデモについて

ネオナチのすることは、基本的にちょっと書き留めるくらいでスルーするようにしているのだが、今回のこれはちょっとスルーできないような気がするのでブログに記録しておく。といっても、ブログの文を書こうとするとまた時間がかかってしまって結果的に塩漬けにしてしまうので、基本的にTwitterのログの貼り付け。

昨年の英国でのEUレファレンダム(6月)、米国での大統領選挙(11月)のあと、「反グローバリズムで移民排斥主義のアンチ・オーソリティーの勢力(極右勢力)が投票で勝つ」ということが、英米だけでなく欧州各国で起きるのではないかと予想され、英語圏メディアが「パニック報道」的なものを展開していたことをご記憶だろうか(英語圏メディアの日本版の一部でも見られたが)。米大統領選のあと、オーストリア大統領選挙(前回の結果が僅差だったため、再投票という判断が法的に下された)、オランダ総選挙、フランス大統領選挙……という具合に欧州各地で大きな選挙が行なわれ、そこで英国のUKIPや米国のトランプ支持者的な「アンチ・オーソリティの勢力」が、ある意味「ドミノ現象」的に勝利をおさめるのではないか、という予想がなされ、オーストリアの自由党(故ヨルグ・ハイダーの党、というと前回のパニック報道を思い出す方も多いだろう)、オランダのヘルト・ウィルダース(PVV)、フランスのマリーヌ・ルペン(FN)といった政党・政治家や、その側近(キングメイカー)たちが「次はこの人だ!」的に、BBCなど大手メディアで注目された。しかし結果は、誰も勝たなかった。「アンチ・オーソリティ」が勝利を収めたのは英米だけだ。

上に述べた国々のほか、今年総選挙が行なわれる欧州の大国で昨年から注目されていたのがドイツだが、選挙は9月に迫っているというのに、今、「国際報道」と呼ばれる報道機関はめっちゃ静かだ。というのも、「極右」ブームでパニック報道が繰り広げられていたときに「英米の次はオランダか、フランスか、ドイツか〜〜〜〜っ!」ときぃきぃ声で騒がれていた「アンチ・オーソリティ」の政党、AfDが、現実的に勝つ見込みがなくなったからだ。フランスのマリーヌ・ルペンと同様に若くて(40代)「いかつくて暴力的な極右勢力」のイメージとは遠い女性党首がこの4月に選挙戦出馬を見合わせると決断し、それによってAfDは「今までも常にどこかにいたような極右政党」的な存在になりそうだと報じられている。つまり、もう全然注目されていない。「欧州難民危機」と騒がれたころに英語圏でパニック報道を引き起こしていたPegidaなど、今は英語圏では名前を見かけることもない。あれらのパニック報道は組織の宣伝の役割を果たし、英国ではEDL創設者の通称「トミー・ロビンソン」や、EDL以上に過激な反イスラム団体「シャリーア・ウォッチ」を立ち上げたアン・マリー・ウォーターズ(この人、アイルランド人なんだよね。ブロガーで煽動家の「グイド・フォークス」もアイルランド人だけど)などがPegida UKなる団体を立ち上げたが、ニュースで名前を見ることはない。

だがそういったことだけで「よかった、極右はメディアの注目を失い、おとなしく、元いた巣窟に戻ったんだ」と短絡することもできない。英国でいえば、UKIPは政党としては溶け去ったが、UKIPが撒いた種は枯れずに「草の根」を構成しているし、フランスでは、中央は確かにエマニュエル・マクロンのEMが席捲しているかもしれないが地方議会などFNが一定の勢力を有しているといった具合だ。

というわけで、極右勢力にとっては、思い描いていたシナリオ(極右版の「世界同時なんちゃら」を描いていたと思われる)通りには行っていないかもしれないが、ガッカリするような結果を得ているわけでもない。何しろ、世界一の超大国アメリカが彼らの手中にあるのだ(と彼らは思っている)。

だから、オーストリアで負け(もしここで極右が勝ってたらえらいことになってたと思う……他の国とはシンボリズムが違う)、オランダで負け、フランスで負け、ドイツで戦う前から負けるなど、欧州でシケった結果しか出せていなくても、アメリカでは極右は元気だ。これまで社会の片隅で細々と「言論の自由がある!」ということを根拠に発言をしては無視され、「われわれを無視するのは、奴らにとってわれわれの言う真実が都合が悪いからだ」などと強がって支持者の間だけで盛り上がっていた地下組織が、政権の中枢に代弁者を持っている。そのことは、私は2016年11月までは想像してもいなかったが、彼らを非常に強くエンパワーしたのだと思う。メディアだってもう彼らのことを無視できないのだ。普通の大統領なら、ネオナチのスローガンを唱えるような連中のことはばっさりと非難する発言をするし、そんなことはほとんどニュースにもならない(なるとしてもベタ記事だ)。しかしトランプは「普通の大統領」では全然なく、ネオナチのスローガンを唱えるような連中をばっさり非難することはしない。そして、そのこと自体がニュースになり、それがまたネオナチを勇気付ける。「俺たちの大統領だ」、「アメリカは、自分たちが望む方向に変わりつつある」と。

bbcnews13aug2017.png

US President Donald Trump is facing criticism for his response to the violence at a white supremacist rally.

A woman was killed and 19 people injured when a car ploughed into a crowd of counter-protesters in Charlottesville, Virginia.

Mr Trump condemned violence by "many sides" - but stopped short of explicitly condemning the far-right.

http://www.bbc.com/news/world-us-canada-40915569


以下、シャーロッツヴィルで何があったかの経緯を含め、Twitterのログ。

【続きを読む】
posted by nofrills at 23:56 | i dont think im a pacifist/words at war | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

人を助ける人たちの事務所が何者かに襲撃され、7人もが銃殺された。 #WhiteHelmets

市民によるボランティアの救援隊、シリア・シヴィル・ディフェンス (Syria Civil Defence)、通称「ホワイト・ヘルメッツ」。政府による武力弾圧・武力行使やら、各種武装組織の軍事的行動やらで機能しなくなった救急・消防分野を担っている彼らの活動を追ったNetflixでの短編ドキュメンタリーが、米アカデミー賞を受賞したことでも知られているが、ネットでは何より、YouTubeなどにアップされる現場映像を通じて彼らの活動に接している人が多いだろう。

Netflixのドキュメンタリー・予告編:


※ネット上の日本語圏では彼らについて書くと陰謀論者の皆さんをお騒がせするなどすることになるが、その背景についてはウィキペディアにまとめられているものを参照(「アポロは月に行っていない」とかいうのと同種の陰謀論者の《物語》においては、彼らは「闇の勢力による世界統一の野望の情報工作員」であるようです)。もっと詳しいことを知りたい人はこれな。陰謀論の信奉者は、こんなんがまともに相手にされると思わないように。

彼らの映像で最も広く閲覧されたもののひとつが、アレッポでのこの映像だ。上記のNetflixドキュメンタリーの予告編の最後のほうにも使われているが、2014年6月、シリア政府による住宅街への「たる爆弾」投下(と書くと「証拠もないのに決め付けている」と絡まれるので一応書いておくけど、2014年8月にジェイムズ・フォーリーが殺害されてアメリカが「自衛」云々で動き出す前のシリア内戦において、空からたる爆弾であれクラスター爆弾であれ何であれ爆弾を投下できる能力、つまり空軍力を持っていたのは、政府軍だけだった)によって建物が瓦礫の山にされたあと、その瓦礫の中に埋まっていた生後2週間足らずの赤ん坊を救助隊が救出した。何時間も何時間も、瓦礫を素手で掘り続けても見つからず、諦めようとした矢先に、泣き声が聞こえてきた。さらに掘り進めた先の壁か崩れ落ちた天井板の穴の向こうに、赤ちゃんはいた。



赤ん坊を引っ張り出し、腕に抱きかかえたのは、ビデオで状況を語っている若者、ハレド・ファラさんの同僚のハレド・オマールさん。彼は今からちょうど1年前の2016年8月、アレッポの反政府勢力支配地域での空爆で、死亡した。31歳だった。CNNの記事が、情報がよくまとまっている。

Syrian White Helmet rescuer killed in Aleppo
Updated 2324 GMT August 12, 2016
http://edition.cnn.com/2016/08/11/middleeast/syria-white-helmet-hero-killed-aleppo/index.html

そして1年後、2017年8月12日にまた、今度はイドリブ県で、「赤ん坊を救出したホワイト・ヘルメッツのメンバーが殺された」ことが伝えられた。それも1人ではない。7人もまとめて殺された。今回は政府軍の空爆ではない。ロシア軍の空爆でもないし、米軍の攻撃でもない。銃撃だ。それもどこかに出かけていて襲われたのではなく、ホワイト・ヘルメッツの拠点(詰め所)の中で。

【続きを読む】
posted by nofrills at 19:01 | i dont think im a pacifist/words at war | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月08日

アイルランドが荒波に翻弄されすぎな件(一夜にして現れた砂浜の話)

1つ前のエントリで言及した山本正氏の『図説 アイルランドの歴史』(河出書房新社「ふくろうの本」)には、下図のような帯がかかっている(オレンジ色なのはシリーズ共通で、アイルランドの文脈でいう「オレンジ」とは関係ないと思うが、それでも何か笑ってしまう)。

book-historyofireland-kawade.jpg

歴史の荒波に翻弄された「妖精の国」「緑の島(エメラルド・アイル)」
古代から現代までを俯瞰する画期的通史!
(略)
豊かな文化を育むも苦難の歴史を歩んできた
アイルランドのすべてがわかる! 決定版!


「歴史の荒波」というのはただのクリシェ(常套句)だが、アイルランドを翻弄した「歴史の荒波」ならぬ、「リアル世界の荒波」の記事が出ているのに気づいたのは、8月5日の夜だった。本はまだ本棚から取り出したままになってて、この帯の「荒波に翻弄」の文字列に、しばしにやにやしていた(傍から見たら相当不気味だ)。

アイルランド島の西海岸、島の上半分(北半分)で一番出っ張ったあたりにあるメイヨー州アカル島 (Achill Island)。島だが本土とは非常に近く、橋でつながっている。この島の名で画像検索すると、うちら凡人が「アイルランド」と聞いて思い浮かべるような、丈の短い草が表面を覆っているだけの、でこぼこした岩肌っぽい土地に海、という写真が多く並んでいる(中には羊がもこもこしているものもある)。

アイルランド島の西海岸は大西洋からの強風で土が吹き飛ばされてしまうため、木が根を張ることができず、森・林や茂みのようなものがなく、ただ芝生のような草が地面を覆っているということを初めて知ったとき、ちょっとほっとくと木々の間に蔦やら葛やらが繁茂して濃密な空間をつくる日本のこの環境ではそこらに出るのは「お化け」や「妖怪」や「キツネ、タヌキ」だが(私の曾祖母は生前、「若いころに山でキツネに化かされたことがある」と言っていた)、アイルランドでは彼らが潜む木の陰もないから、「妖精」なんていう可愛いものがふわふわと飛んでたりするんではないか、などという他愛もないことを思った。

妖精が実在するとは、もちろん私は思っていない。しかし、妖精がいると考えた人々は実在した。その人たちがそう考えたのは、そういう考えにつながるような不思議な出来事があったからだろう。曾祖母が「キツネに化かされた」と考えたような不思議な出来事に遭遇したように。

そして、アイルランドで昔、人々が「妖精がいる」と考えたのは、こういうことがある(あった)からかもしれない、というニュースに私がネットで遭遇したのは、今年5月のことだった――メイヨー州のアカル島というところで、33年前、荒天の中消えてしまった砂浜(砂が全部なくなってしまった)が、一夜にして復活したというニュースだ。

【続きを読む】
posted by nofrills at 23:50 | 雑多に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月04日

北アイルランドの「自治」に関する、よくある誤解・誤認について

北アイルランドの自治議会・自治政府は、現在、絶賛空転状態のまま夏休み中だ。夏休み明けにどうなるのか、全然見通しが立たないのだが、この北アイルランドの自治システムについて、「1999年、ブレア政権下での地方分権法によって設けられたものだ」といった誤りをけっこう頻繁に見かける。

直近の例は、この6月にちくま新書から出た近藤康史氏の『分解するイギリス』で見たものだ。この新書は、2015年の総選挙と2016年のEUレファレンダム以降の「ウエストミンスター・モデル」(英語でググるとthe Westminster systemという表現が数多く表示されるが、the Westminster modelという表現も比較政治学の分野の論文など数多くヒットする)の現状を解説・検討する本で、「そもそも『ウエストミンスター・モデル』とは何なのか、どのような性質なのか」というところからたっぷり解説してくれていて、読者がその「モデル」を規範(モデル)と思っていようといまいと、有益な本だと思う(英国の政治システムを規範と思っている人にとってはことさらに有益かもしれない)ということは最初に述べておく。なお、このタイトルにはどうしても、「ぐは、トム・ネアン!」と反応してしまうのだが、著者の近藤氏の「分解」の定義(「序章」の最後に記されている。紙の書籍でpp. 36-37)は、「連合王国の解体」的な意味に限定はされない(ただ、実際にそのように「分解」しているのかどうかについては、この書籍の奥付にある発行日と数日前後して行なわれた今年の総選挙の結果を見るに、疑問がある。というか、70年代にもこういう程度の「分解」は起きていたのではないか。19世紀にも)。
4480069704分解するイギリス: 民主主義モデルの漂流 (ちくま新書 1262)
近藤 康史
筑摩書房 2017-06-06

by G-Tools


本稿はこの書籍について論評する目的ではないので、書籍紹介はここまでにして本題に入ろう。問題の記述は第1章「安定するイギリス」(この章では「モデル」たるイギリスについて解説されている)の第5節「集権的国家」内、「連合王国としてのイギリス」という小見出しのパートである。紙の本ではp. 74.

 この点で重視されるのは、先の「立法権」の問題である。1999年の分権化以前において、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドに、地域固有の議会は設置されていなかった。

※引用者注: 下線部は誤り。

――近藤康史『分解するイギリス――民主主義モデルの漂流』(ちくま新書1262)、筑摩書房、2017年


スコットランドとウェールズに立法権のある議会が設置されたのは、確かに、1999年の分権化においてである。しかし、北アイルランドはそうではない。あのややこしい土地には、あのややこしい土地が「北アイルランド Northern Ireland」として「南」から切り離されたときから、「地方固有の議会」が設置されていた(北アイルランドを「地方 region」と呼ぶことには抵抗があるが……provinceなので。ただ、これも日本語だと「ほとんどの場合、日本語では州と訳すが、アイルランドは例外で地方と訳す」という状態で、実にややこしい)。1920年に、The Parliament of Northern Irelandが設立されていたのである。

一方、現在絶賛空転中の北アイルランド自治議会は、The Northern Ireland Assemblyである。

「パーラメント」と「アセンブリー」の両者、建物は同じストーモントの議事堂(写真)を使っているとはいえ、別物である。日本語版ウィキペディアはなぜか両者を「北アイルランド議会」として一緒くたに扱っているのだが(日本語版ウィキペディアでページが創設されたときは私は一切見ていなかったので、なぜこうなっているのか、経緯はわからない)、日本語では同じ「議会」でも英語ではparliamentとassemblyという別の語が用いられているので、辞書ならばともかく事典としては、本来一緒くたにすべきではなかろう。ちなみにparliamentとassemblyの違いについてはこちらなど。もっともっとちなみに、スコットランドはThe Scottish Parliamentで、ウェールズはThe National Assembly for Walesである。もっともっともっとちなみに、The Scottish Parliamentは文法的にThe Parliament of Scotlandと言い換えられそうなものだが、後者はスコットランドとイングランドのunionが成立する前の、「スコットランド王国」時代の議会のことであり、両者の言い換えは成立しない。(同様のことが、The Republic of Irelandと、The Irish Republicの間にも生じている。これについてちゃんと把握できたのは、日本語を介在させることをやめたからだ。)

【続きを読む】
posted by nofrills at 22:30 | todays news from uk/northern ireland | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

……全文を読む