kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2017年06月14日

ロンドンでひどい火災に見舞われているのは「タワーマンション」じゃない。「高層アパート」だ。

ロンドン西部で大変な火事が起きた。燃えているのは24階建ての集合住宅だ。英国ではときどき大規模火災の報道があり、ロンドンでは2011年8月の「暴動」の際に倉庫が燃やされたり商店街が放火されたりしているが、こういう規模の住宅の建物でこういう規模の火災が発生したのは、ネットで普通に英国のニュースに接するようになって以来(つまり1998年ごろ以来)、初めてではないかと思う。

既にウィキペディアンたちが報道などを精査してまとめ始めているので、詳細はそちらを参照されたい。
https://en.wikipedia.org/wiki/Grenfell_Tower_fire

火災にあったのは、グレンフェル・タワー (Grenfell Tower) という集合住宅で、場所はノース・ケンジントン。ロンドンに詳しい人はご存知だろうが、「ノース・ケンジントン」は、一部例外の区画はあるかもしれないが、「ケンジントン」という高級エリアの名前から想像されるような地域ではない。有名なのはポートベロ・ロードの一帯で、ここはかなり前から「ポッシュな住宅街」なのだが(posh, 日本語にすれば「高級な」。「おハイソな」みたいな語感)、ノース・ケンジントンといえば昔は西ロンドンのスラム街で、ロンドンに到着した移民たちが押し込められるようにして暮らす街(のひとつ)だった。20世紀後半には、南部のブリクストンなどと並んで人種間の緊張が大きな地域として知られるようになり(「人種暴動」も起きている)、毎年夏の「ノッティングヒル・カーニヴァル」(カリビアンの人たちのお祭り)の発祥の地でもある。

場所はここ。有名なポートベロのストリート・マーケットの立つ細い通りの1本西がラドブローク・グローブで(Google Mapにはなぜか駅のアイコンがないが、ここには地下鉄と地上鉄道の駅がある)、現場はそのさらに西、地下鉄駅ではラティマー・ロードやホワイトシティの近くになる。



特にソースも参照せずに頭の中にあることだけで書くので、話半分で読んでいただきたいのだが、第2次世界大戦後、行政当局は再開発を進めるなかで、多くの「ハイ・ライズ high-rise」を建設した。「ハイ・ライズ」は「高層建築」の意味の一般的な語で、術語としてはエッフェル塔や東京タワーのようなものにも使われうるが、英国で単にhigh-riseといえば、昨今のテムズ川沿いの再開発で林立しつつある、ロシアや中国のお金持ちがこぞって買いたがるような、日本語でいう「タワーマンション」のようなきらきらしたものではなく、戦後、都市部のあちこちに次々と建設されたようなものに代表されるような、いわゆる "tower block" を指すことが多い。Tower blockとは、「tower型をした、block of flats」の意味だ。つまり「高層建築の集合住宅」である。

1950年代に建てられたそのような高層建築の中には、現在では歴史的な価値が認められ、日本の制度でいう「重要文化財」的なものに指定(Grade IIなど)されている建物もあるが、無骨なコンクリートの塊のような建物は英国では非常に評判が悪く、eye sore (目障り)などと呼ばれている。詳しくはチャールズ皇太子の建築に関する発言をあさってみるといろいろ出てくるだろう。

今回火災にあっているのも、そのような戦後のコンクリート建築時代のtower blockのひとつだ。

https://www.yahoo.co.jp/こんなことを書いていると書き終わらないので先に行くが、今日のこのグレンフェル・タワーの火災について、日本語圏では「タワーマンションで火災」と報じられている。右は14日19時ごろ(日本時間)に取得したYahoo! JAPANのトップページのキャプチャだが(via kwout)、一番上の記事は「英タワマン(=タワーマンション)火災 死者は多数に」と見出しを打っている。

だが、ロンドンについて何かしら知っている人、また何らかの感覚がある人は、ニュース映像などを見て、あの建物を「タワーマンション」とは呼ばないだろう。特に「タワマン」などと略されたら、違和感倍増である。「タワマン」の住民としてイメージされるのは、例えば成功したビジネスマンや個人投資家のような人だろうが、グレンフェル・タワーのようなカウンシル・フラットに住んでいるのは、ほぼ間違いなく、安月給であくせく働く会社員や技術職の職人(塗装工など)のような人たちだ。そういう人たちが、ああいう大規模な火災に見舞われている。

……と、イメージにあう日本語を探してみて思い当たったのが「高層アパート」という表現だ。実際にフィクションなどでtower blockがそう翻訳されている例は多くあると思うが、今、探している余裕はない。うちの本棚に詰まっている紙のどこかに「高層アパート」という言葉があることは間違いないのだが……。

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posted by nofrills at 21:30 | TrackBack(0) | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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