kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2017年04月25日

【フランス大統領選】「フェイク・ニュース!」と叫ぶなら、今だ――ハッシュタグの大量投稿は、誰によるものだったのか。

_95761439_french_election_624_vwithre.pngフランス大統領選挙の第一回投票が23日(日)に行なわれた。決戦投票に進む2人は誰かという点での結果が出るにはあまり時間はかからなかった。事前に言われていた通り、En Marche! という新政党を立ち上げたエマニュエル・マクロンが第1位で、得票率は開票率97%の段階で23.8%、2位がFN (国民戦線)のマリーヌ・ルペンで、得票率は21.5%。あとはこの段階での脱落候補で、共和党(UMPが改組・改称した政党)のフランソワ・フィヨン元首相が19.9%で3位、ベテラン左翼政治家のジャン=リュック・メランションが19.6%、現在政権を担っている社会党のベノワ・アモンが6.4%で、フランスは二大政党のどちらの候補も決選投票に進めなかった。(以上、数値のソースはBBCのこの記事。右のキャプチャ画像も同じ)

FTはこれについて「第1回投票の結果は、1958年にシャルル・ド・ゴールが確立したフランスの政治システムが受けている打撃を象徴している。ほぼ60年を経て初めて、左派と右派の二大政党の候補者がいずれも大統領選の決選投票に進めない結果となった。第5共和制の政党政治の既成勢力が私たちの眼前で瓦解した」とまとめている。「有権者の10人に4人以上がルペン氏か急進左派のメランション氏を支持した……2012年大統領選の第1回投票では、この2人の合計得票率は29%にすぎなかった」という事実に注目する同紙記事は、今回の選挙は「伝統的な左右の対立軸でおおむね政治が認識され、争われてきたフランスにとって……未知の領域」であると述べている。注目すべきはそのことだろう。英国もまた「(政権交代を前提とした)二大政党制」がこの先も続いていくのかどうかは、極めて不透明な状態だ(日本と同様の「与党の一強状態が長く続く」状態になるのではないかと思う)。

BBCは、まともな「報道」系の分析記事として読む気がしないようなぺらっぺらの内容だが(少し前のBuzzFeedや、今のHeavy.comのような「チェックすべき情報のまとめ」記事レベル)、サイドバーなどに表示されて多くの読者を誘導している記事が、"The left is in ruins" とことさらに書き立てている。確かにThe left *establishment*はin ruinsだが(英労働党のエリートさんたちと同じく)、この記事は、「左翼の瓦解」と叫びながら、左翼票を(社会党支持層の中からも)持っていったと思われるメランションについて言及すらしていない(彼もまた、今回の大統領選で「大躍進」を遂げたことは事実だというのに)。そして(あえて「左右」で語るなら)左翼より、ルペンのようなものに代表されようとしているthe rightのほうがよほど深刻な状態にあるのだが、この記事はそういうことはスルーしている。むしろ、BBCの「ルペン推し」は投票前も投票後も全然変わっていない。この記事でも、ルペンは笑顔を浮かべて支持者のセルフィにおさまるというフレンドリーな写真で紹介されている。一方で、決選投票で彼女と対決するマクロンは、警察官とボディーガードと思われる人々に回りを固められて手を振っているという「権威」っぽい写真だ。実際、彼は超エリートさんだが、マクロンを「新星」ではなく「権威」とみなす言説は、ネット上できぃきぃ喚いているアンチ・エスタブリッシュメントのトランプ支持の英語話者の間で相当広く見られる。というわけで、どうもBBCは「極右の台頭」という《物語》を語ることに本気で取り組んでいるとしか思えず、残念極まりない。

前項で述べたように、英国のメディアは多くの場合、投票日前の世論調査でトップとなり、実際の投票結果でもトップだったエマニュエル・マクロン(どうでもいいがフランス語なので、語強勢は後ろの音節に来る。つまり「"マ" クロン」という読み方ではなく、「マク "ロ" ン」である)を、大統領選前の報道ではほぼずっとほとんど無視していた。誰もが見る場所で「フランス大統領選」の話題で出されているのはマリーヌ・ルペンの名前と顔写真、あるいは妻への不正な金銭支給による公金横領の疑いがかかっているフランソワ・フィヨンの名前と顔写真で(まあ、フィヨンに関する記事は訴追に関するものなど、「政治ニュース」ではなく「事件報道」だったが)、トップランナーのマクロンのそれではなかった。第一回投票が終わり、マクロンがトップだという事実が誰の目にも明らかな形で確定した現在は、選挙前のこの笑止千万な状況は終わるかもしれないが、BBCを見ていると、まだこれからも続く可能性も高いなと思う。むしろ、「本当の勝負はこっから」ということで、ますます「ルペン、ルペン」という騒ぎが大きくなるかもしれない。前項で見た通り、ナイジェル・ファラージがマクロンがEU支持であることをTwitterという場でいじりだしているわけで、ファラージが騒げば英メディアは(ガーディアンとインディペンデントを除いて)それになびく。というか、メディアがこれからどう動くかを先頭に立って知らせてくれるのがファラージ、ということになってしまっているのが昨今だ。

英語圏がどんだけ大騒ぎしようと、フランスの人たちにはどこ吹く風かもしれない(が、私はそうであってほしいと思っているから、私の考えることにはいわゆる「確証バイアス」がはたらいているかもしれない)。しかしそれでも、ネット上で、英語圏からフランス大統領選挙を見ていて非常に目立つ奇妙な現象があるということは、それなりにまとめて書きとめておく意味があるだろうと思う。とりわけ一度は――特に「Web 2.0」ともてはやされた時代(イラク戦争の時代)に――大まかにいえば「ネットで人々が発言することは、世界をよくすることだ」と信じる側にいた人々は(私もそのひとりである)、現在、「ネットで人々が発言する」ことが当たり前になったあとに何が起きているかを改めて直視する必要がある。自分に直接は関係のないトピックならば、その「直視」も余計な先入観なくできやすいだろう。そして多くの日本語話者にとって、フランス大統領選挙は「自分とは直接関係のないトピック」の最たるものだろう。

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2017年04月24日

フランス大統領選は「親EU」か「反EU」かの選択だ。「極右の台頭」の文脈に組み込んではならない。

今週水曜日、2017年4月26日は、ピカソが「ゲルニカ」という作品にした都市爆撃からぴったり80年となる日である。
ゲルニカにはバスク地方の自治の象徴であるバスク議事堂とゲルニカの木があり、歴代のビスカヤ領主がオークの木の前でフエロ(地域特別法)の遵守を誓ったことから、ゲルニカはバスクの文化的伝統の中心地であり、自由と独立の象徴的な町だった。フランスの思想家であるジャン=ジャック・ルソーは、「ゲルニカには地上で一番幸せな人びとが住んでいる。聖なる樫の樹の下に集う農夫たちがみずからを治め、その行動はつねに賢明なものであった」と書いている。この爆撃は焼夷弾が本格的に使用された世界初の空襲であり、「史上初の都市無差別爆撃」や「史上初の無差別空爆」とされることもある。この爆撃は敵国民の戦意をそぐために行われる戦略爆撃の先駆けと考えられており、戦略爆撃は第二次世界大戦で本格化した。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B2%E3%83%AB%E3%83%8B%E3%82%AB%E7%88%86%E6%92%83


ピカソの「ゲルニカ」の成り立ちについては、下記の本がとてもよかった。中学生に読めるような易しい本だが、内容は濃い。
4905194326ゲルニカ―ピカソ、故国への愛
アラン セール Alain Serres
冨山房インターナショナル 2012-05

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2014年に第一次世界大戦(当時はただの「大戦 Great War」と呼ばれていたが)開始から100年を迎えて以降、英国の大手メディアで「○○の戦いから100年」という記事を目にすることが頻繁だが、それと同時に第二次世界大戦についても「○○作戦から70年」、「○○事件から75年」(75年はthree quartersで大きな節目として扱われる)といった記事が書かれて日々流れてきている。

加えて、第二次大戦はVEデイで完全に終わったのではなく、めっちゃくちゃになったヨーロッパはその後数年はしばらく大変な状態にあったので、2017年の今もまだ「○○から70年」という記事が流れてくる。先週は、英軍によるヘリゴランド(ドイツ語読みはヘルゴラント)島での大爆破について、対岸からそれを見ていた島の人々の声を軸にした記事がBBCに出た。当時英軍は、ドイツ軍が蓄えていた大量の未使用爆弾を処理する必要があり、「ビッグバン作戦」という作戦を立案して、ドイツの西側の沖に位置する同島で爆破した。同島が選ばれたのは、ここがドイツ軍によって要塞化された一大軍事拠点だったためだった(戦争に負けてもなおいろいろと諦めきれないドイツの勢力が、ここを利用して何かを画策することを事前に阻止するという目的があった)。この爆破は、現在に至るまで、核を使用しない爆発としては最大のもので(当時の英軍による記録映像が同記事に入っている)、当時英軍は150キロも離れた少し内陸のハンブルクにまで、「爆発(の衝撃波)に備えて、建物の窓・扉を開けておくように」という指示を出していた。対岸からは、既に対戦中に島から退避させられていたヘルゴラント島の人々が、自分たちの島が爆破されるのを見守っていた(実際には見ることはできず、音だけだったという)。中には島が破壊されてなくなってしまうと思っていた人もいたが、島は消えてなくなりはせず、1952年に島がドイツに返還されると人々も島に戻り、現在は1,483人が暮らし、免税店目当ての観光客を迎えている。この島はナポレオン戦争の時代に英国が占領し、1890年にドイツに寄贈されるなど、英国との歴史的な関係は浅くない……。

こういった「欧州事情」の記事を見るたびに、部外者の私は改めて、EUがノーベル平和賞を受賞(2012年)したことの意味を思わずにはいられない。当時は「馬鹿げている!」と思ったし、今も「ノーベル平和賞はもう終わりにしたほうがいい」と思っているが(ダルフールやシリアやウクライナや南スーダンを前にしたときにそう思わずにはいられない)、少なくとも、受賞の理由について理解はできる。あのドイツとあのフランスが戦争になるということが考えられない今の現実を構築してきたのは、「欧州共同体」という理念だ。

日曜日(23日)に一回目の投票が行なわれたフランスの大統領選挙は、内政上の課題がもちろん最重要なのだが、それを除いては、まず「Brexit後のEUがどうなるのか、EUをどうするのか」を問うものだ(英国での議論の推移を改めて振り返る限り、「移民がー」というフレーミングは、そのデコイに過ぎない。むろん、そういう語りを積極的に採用して目立つのが移民排斥の「ホワイト・ナショナリズム」の陣営、つまり平たく言えば「ネオナチ」系であるということは確かだが)。「反EU」の候補者でEUを "根本的に変える" 方向で動くのか、「親EU」の候補者で英国が抜けたあとのEUを一層強化する方向で動くのか。

日曜日の投票結果、トップで決選投票に進んだエマニュエル・マクロンは「親EU」の候補者だ。壇上に置かれた旗に明らかなように。

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*via http://www.bbc.com/news/world-europe-39689385

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2017年04月20日

(続)英テリーザ・メイ首相は、なぜ「解散総選挙」を行なうのか、それによって何がしたいのか。

1つ前のエントリの続き。

本文の前にまず、「解散総選挙」についてのまとめのようなチャンネル4ニュースの映像クリップ。


※メイ首相のスピーチの文字起こし:
http://www.telegraph.co.uk/news/2017/04/18/theresa-mays-early-general-election-speech-full/

このスピーチについては、「その目的ならArticle 50発動前にやる(英国民が納得した上でArt 50を発動する)のが筋では……」というのが私の個人的感想。あと、「野党がー」がやたらと多いので、本当の目的はここで語っていることよりむしろ、「自身の足元固め」と「野党つぶし」、「長期安定政権」だろうなと思う(Brexitは交渉だけでは終わらない。その後、軌道に乗せるところまでやらねばならない。何年ものスパンで見ていかねばならない)。

さて、メイ首相が「抵抗勢力」に退場してもらう機会を欲しているということをよりはっきりさせるもう1つの事例が、ハートルプール選挙区のイアン・ライト議員の不出馬表明である。ライト議員は保守党ではなく労働党の人だが、この選挙区で起きていることは、Brexitというものが英国の政治にとってどういうものかをわかりやすく示す一例だと思う。

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2017年04月19日

英テリーザ・メイ首相は、なぜ「解散総選挙」を行なうのか、それによって何がしたいのか。

保守党の超大物、ケン(ケネス)・クラークが、6月の選挙には出馬しないという。クラークは保守党内の「親EU」陣営の代表的な政治家で、1973年に英国がEC(現在のEU)に加わる前から下院議員を務めている。
Two of the best known names in British politics, Labour's Alan Johnson, and Conservative Ken Clarke have both said they will be retiring on 8 June. Mr Clarke is the longest serving MP at Westminster, having first been elected in 1970.

http://www.bbc.com/news/uk-politics-39631768


この「超大物の引退」のニュースが加わったことで、テリーザ・メイ首相が前言を撤回して解散総選挙に打って出た理由が、いっそうはっきり見えるようになったと思う。要するに英国会(下院)でのBrexit反対論を終了させ、「Brexitは英国を二分している」という外からの認識を「英国はBrexitで一致している」という認識に改めさせ、自身について言われる「選挙で選ばれていない首相」という事実に「選挙で選ばれた首相」という事実を上書きしたいのだ。うちら日本人に馴染み深いフレーズを使うなら「抵抗勢力」を――政界の用語の用例がすぐに見つからないので、とりあえず経済界の発言をベースにするが――「駆逐」し、これまた日本人好みの言い方をすれば「全員一丸となって」、Brexitという「難局を切り抜けようとしている」のだ。

ダウニング・ストリートで解散総選挙の方針が宣言されて24時間以内に次々と出た分析・解説系記事より:
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2017年04月18日

英テリーザ・メイ首相がこれまでの発言を翻し、解散総選挙実施へ。6月8日投票。

労働党は、本気で勝ちに行くだろうか。「この選挙で負けた責任を取る」というきれいな形でジェレミー・コービンを退陣させることができる好機として利用するのではないか。

もちろん、「勝ちに行く」だけの力があるかどうかは別問題だ。だが、労働党は、信じがたいほど内向きになっている。2015年総選挙の結果を受けてエド・ミリバンドが退陣し、その後9月の党大会で、多くは「一般党員」たちの支持によってジェレミー・コービンが党首に選ばれてからこの方、労働党(ニュー・レイバー)の上層部やPR部門はずーっと一貫して、「保守党を相手にどう戦うか」ではなく「コービン党首をいかに引きずりおろすか」に注力してきた。「コービンでは選挙に勝てない」という言説はよく流されているし、実際に労働党の議員たちが「コービンおろし」を画策して失敗したことも一度ではない。「だれそれがシャドウ・キャビネットから辞任」というニュースは、少なくとも二度、政治面の大ニュースになった。そのたびに「激震」を引き起こすはずだったのだろうが、実際にはコービンの周辺から「変なのがいなくなってより磐石になった」ような状態だ。現在のシャドウ・キャビネットの陣容には、私でも目を背けたくなる。

そして「コービンでは選挙に勝てない」と大手新聞(ガーディアンのような)に発言の場を持っている特権的な立場の人が発言するたびに、特権などカケラも持っていない一般人がTwitterで「このクソ・ブレアライトが!」と叫ぶ。それが何度も繰り返され、そのうちにどんどん過熱して、労働党支持者が労働党支持者に対して「ブレアライトめ!」というレッテルを貼って回るのが常態化し、実に非生産的で醜悪な光景が展開されるようになったのは、軽く1年以上前のことだ。2016年6月のEUレファレンダムは、そういう空気の中で、イングランドの夏を祝う季節の始まりを告げるグラストンベリー・フェスの初日(木曜日)に行なわれた。

元々、投票前の報道などで「離脱という結論になることはまずない」と言われ続け、投票するために必要な登録をするまでもないかということで棄権した人も多かったと思われるが、コービン率いる労働党は、「EU残留」を看板に掲げながらも、気の抜けたようなキャンペーンをするに留まった。

元々EUレファレンダムは、「EU離脱」派は「変化」だの「取り戻せ」だの、ポジティヴな響きのする言葉を並べて明るいヴィジョンを提供することができた一方で(もちろん「移民制限」というどす黒い思想もあったが、それすら、2016年の英国では以前ほどどす黒くは聞こえないものになっていたようだ)、「EU残留」派は現状維持を訴えるだけで、分が悪かった。ほっといても維持されるであろう現状のために、だれが尽力しようと思うだろう。

そういう事情ももちろんあるのだが、コービンの場合、そういうのとはちょっと違っているとみるべきだろう。「EU離脱」でキャンペーンを展開したのは、ニュースになるのはUKIPのような右翼陣営の離脱派がほとんどだったが、左翼陣営にも離脱派はいた。というか元々「反グローバリズム」は(UKIPやドナルド・トランプのような人たちとはまったくかけ離れた)左翼陣営で盛んに主張されてきたことで、EUについても「反グローバリズム、反キャピタリズム」(「反キャピタリズム」は「富を独占し、悪いことをしてもお咎めなしで銀行家だけがおいしい思いをするのはおかしい」というような考え。必ずしも共産主義ではない)の考えから「よくないもの」、「打破すべきもの」とする主張がある。コービンの立場は元々その立場で、あの人は労働党党首になってなどいなかったら、2016年6月のEUレファレンダムでは左翼の側の「離脱」陣営に立っていたことは確実だ。

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2017年04月15日

日本で桜の花が咲いているとき、日本以外でも桜の花が咲いている。

4月3日は、よく晴れていた。

近場にソメイヨシノの大きな木が2本ある。今年は花が遅かったが、陽気に誘われたように、この日、ようやく五分咲きに近くなっていた。1本目の木の下の右側にはレジャーシートを広げて楽しそうにくつろいでいるお母さん2人と子供たちがいて、左側には小学生の女の子たちが真剣な表情でスマホを掲げて貼り付いていた。この木の枝はけっこう下まで下がっているので、身長が150センチに満たない彼女たちでも、腕を伸ばせば何とか、撮りたいような写真が撮れるのだ。

私は枝の先の方だけを撮って、とりあえず、自転車にまたがってもう1本の大木に行くことにした。

Untitled

Modest ones


もう1本の大木は児童遊園の中にある。少し離れたところから見ると、上の方の枝はまだまだこれから咲くところだ。

Another big Somei-yoshino tree


と、大木のほうから、キラキラと輝くような笑い声が聞こえた。

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2017年04月05日

「Windowsセキュリティでシステムが壊れていることを検出」? 「あと○秒でファイルを削除」? そんな表示が出ても無視すればOK。

ちょうど2年ほど前に、危なく、厄介なマルウェアをインストールしそうになったことを書いたが、今日も変なのに遭遇した。2年前の記事がけっこう読まれているようなので、今日の変なのについても少し書いておこう。

PCでのメインのブラウザはFirefoxで、ポップアップ抑制やトラッキング禁止などの環境は整えてあるのだが、Firefoxは最近のアップデートで重くなりすぎてまったく使えない(たしか51にアップデートされた直後からひどくなったと思う)。というわけでサブのブラウザ、Chromeを使っているのだが、Googleに閲覧履歴などあれこれ溜め込まれるのに抵抗感があるので、適宜、「ゲスト」モードを併用している。「変なの」に遭遇したのは、そのゲストモード使用時だ。

なお、Chromeの「ゲスト」モードでは、通常のユーザーとして設定してある拡張機能などが何も使えない(Incognitoモードでは設定次第で拡張が使えるが、「ゲスト」では無理)。よって、ポップアップ抑制やトラッキング禁止、ドナルド・トランプへのツッコミなど、ふだんサブとして使っているChromeでの環境は反映されない。

で、そのゲストモードを使って、私はFlickrにログインした(Flickrのログインには、米YahooのIDが必要である)。Flickrはログインするとまず、自分がフォローしている人たち(旧称contacts)が新しくアップした写真があれこれ表示される。みんな、上手いなあ……と目の保養をし、遠い異国の風景写真や建物の細部の写真をfaveしたあと、自分のページにアクセスして、何枚か写真をアップロードしようとしたときだったと思う。植物の学名を調べたりするためにいつも横に新規ウィンドウを開いておくので、今回もそうしたところ、突然、このような「警告」が表示された。

nisekeikoku.png


メッセージが表示されている部分のみ拡大すると:

nisekeikoku-c.png


下に、文字起こし(というかテキストデータ化)しておこう。私のIPアドレスなどは伏せるが、文末の「。」が半角ピリオドになっている箇所も忠実に再現しておく。

Windowsセキュリティシステムが破損しています

Windowsシステム: Windows 7

IP: ***.***.***.***

ご注意: Windowsセキュリティによってシステムが壊れていることが検出されました。ファイルは***秒で削除されます.

必須: 下の[更新]ボタンをクリックして、最新のソフトをインストールしてスキャンし、ファイルが保護されていることを確認してください.


この「ファイルは***秒で削除されます」の部分はカウントダウンしていくようになっている。

意味がわからない。「Windowsセキュリティシステムが破損しています」ということは、破損しているのは「Windowsセキュリティシステム」だ。一方、「Windowsセキュリティによってシステムが壊れていることが検出されました」ということは、破損しているのは「システム」でそれを検出したのが「Windowsセキュリティ」だ。で、「おや、これはひょっとして『Windowsセキュリティ』と『システムが破損しています』の間にナカグロなりコロンなりを入れるのを忘れているのかな」と気づくわけだが、カウントダウンの秒数に煽られてパニクってしまったら、そんなことは考えないだろう。

なお、「何を言っているのかわからないメッセージに促されて[更新]を押すなんてことはありえない」などと冷笑気味に言う人もいるかもしれないが、よく訓練されたWindowsユーザーは「意味がよくわからない悪文」をおかしいと思わない。なぜなら、このような意味の分かるような分からないような悪文はWindowsではデフォだからだ。Windows 95から使っている私が断言するが、Windowsの日本語は、センスがまったくよろしくない。それにこのメッセージの日本語の壊れ方は、フィッシング・メールや、LINEでの「iTunesカード買うのを手伝ってくれませんか」詐欺の「変な日本語」ほどではない。だからこのメッセージを見て、カウントダウンに煽られて[更新]ボタンを押してしまう人がいることは、想像に難くない。

だけどこのカウントダウン、何もせずただほっといたら、「残り1秒」のままずーっと停止してた。お茶沸かしに行って戻ってきてもこのままだった。

nisekeikoku3.png


さらにそれから15分か20分かそこらほっといてリロードしてみたら、Not Foundになってた。

nisekeikoku4.png


だから、こんなのはほっといても大丈夫だ。

もう少し詳しく見てみよう。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

……全文を読む