イスラエルを訪問したブッシュ米大統領が、「第三次中東戦争でイスラエルが占領した土地からイスラエルは撤退すべきだ」など、これまでになく強いことばで「和平」の展望を述べ(ことばを口にしている本人がそれを完全に理解していたのかどうかは私には疑問だが、ことばが強かったことは事実だ)、首相を辞めてから「カルテット」(国連とEUと米国とロシア)の特使として中東和平に関わっているトニー・ブレアが、バラク・オバマ以上に抽象的なことばで「和平への楽観論」を語り、ということがこの2日間ほどで起きているが、ガザの食糧事情は危機的なまでに悪化していると世界食糧計画が発表し(燃料は「一時的に」封鎖前の補給状態に戻されたようだが)、そもそもガザでは電力不足のためブッシュ訪問を報じるテレビもろくに見られない(<リンク先、3人目のアブダラ・サミールさんの声を参照)状況で、あとは個別記事にリンクをする気力もないが、流血も継続している――イスラエル軍、パレスチナ武装勢力双方の政治的暴力によって。
昨年めでたく「和平」が現実のものとなった北アイルランドのことを考えれば、10年前にグッドフライデー合意(ベルファスト合意、包括和平合意)が成立したときも、当時の私は今ほどには北アイルランドについて知らなかったけれども、それでも「あれ」が終わることがあるとは思っていなかったわけで、今回のブッシュのことばが「自分の任期内に何としても」という功名心――ビル・クリントンが失敗した「中東和平」を自分がやり遂げてみせるという名誉欲――からだけ出た空疎なものではなく、少なくともある程度は現実を踏まえているものだと思いたい部分はある。
政治的暴力による紛争のあとの「和平」においては、大きな政治的な枠組みを動かす力も必要だが、それと同じくらい、ひょっとしたらそれ以上に、個々の人々の「問題」を解決しようという力も必要である。イスラエルやパレスチナについては、報道を見ている限り、どちらの「側」にも「非暴力」を訴える人たちがいて、双方のつながりや交流もないわけではなく、そこからより大きな流れが起きてくれることを願うばかりだ。(この「願う」というのは、部外者の無責任な態度のひとつではあるが。)
北アイルランドでは、30年に及んだ「紛争」が地域社会や個々の人々に残した「傷」に対処するための活動がいくつも行なわれている。The Consultative Group on the Past(以下「CGP」。意味としては「過去に関する諮問協議会」とでもいうか)もそのひとつだ。
今週、CGPが少し動いたことで、BBC NIなどでかなり大きめのニュースになっていた。
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