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2008年01月31日

「武装闘争の終わり」を受け入れられない人のことば

1つ前の記事で「非主流派リパブリカン」が出てきたついでだ。

昨年11月にデリーで発生した警官銃撃事件で身柄を拘束され尋問を受けた「非主流派リパブリカン」のひとりで、Real IRAの政治組織である32CSMの主要メンバーであるガリー・ドネリーのインタビュー。「ある日曜紙」のインタビューの内容を、29日付でデリー・ジャーナルがまとめている。
http://www.derryjournal.com/politics/Provos-shouldnt-exist-anymore-.3720749.jp

しばらく前に私がふざけて書いた「ケータイ小説風」と合わせてどうぞ。

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暴力 Real IRA 北アイルランド

珍しいタイポ

BBC NIの記事で珍しいタイポを見つけた。

http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/northern_ireland/7218901.stm
large-i.png

何でこうなったのか、よくわからないけれど(前後でシフトキーを押すような箇所はない)、ちょっとかわいい。記事の内容は物騒だが。(北アイルランド警察が、「非主流派リパブリカン」、つまりReal IRAとかが商業施設に対する連続攻撃を開始する可能性が高いとして、商店などに爆発物が仕掛けられていないかどうかのチェックを厳重にするよう警告した、という内容。Real IRAなどの焼夷性爆発物によるarson attackは、2006年に連続して発生している。記事についている写真はそのときのもの。)
posted by nofrills at 19:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 英語/実例

2008年01月30日

「ブラディ・サンデー」事件についての映像作品と音楽

1つ前のエントリの続き(つまり、「ブラディ・サンデー」特集その2)。

2月9日から始まる「ノーザン・アイルランド・フィルム・フェスティバル」(東京、渋谷)でも、ブラッディ・サンデー事件についての映画、「デリー・ダイアリー」の上映がある。スケジュールから抜書きすると:
2/9th (Sat) 16:10 
●オープニング
●デリー・ダイアリー/ブラディ・サンデーのその後 +トーク
http://www.niff.jp/films-derry.htm
時は解決しない。1500人が市民権を訴えたプロテスト・マーチ、1972年のブラディ・サンデーに学生だったマーゴ・ハーキン監督はいた。イギリス軍の発砲により13人が命を奪われ、そこにいた人々は心に期限なしの傷を負った。参加者たちにとって事の一部始終は明らかでも、「誰が最初に発砲したか」に終始する思考停止のイギリス軍の兵士、IRAの兵士にとっては違う。1998年から始まった「ブラディ・サンデー調査委員会」の紆余曲折。元兵士らの生の声とも対面し、当時を背負って今を生きる人々の声を集め、その記憶の道を一緒にたどる。真相を求め続ける遺族らの表情を湛然に描く胸に迫るパーソナル・ジャーニー。


2/11th (Mon) 18:40  
●デリー・ダイアリー/ブラディ・サンデーのその後 +トーク
http://www.niff.jp/films-derry.htm

2/11th (Mon) 21:00 
●ブラディ・サンデー ★DVD特別無料上映
# これはドキュメンタリーではなくドキュメンタリー・タッチのドラマ。監督は『ボーン・アルティメイタム』などのポール・グリーングラス。今のところ、DVDは入手可能です。

2/15th (Fri) 21:00
●デリー・ダイアリー/ブラディ・サンデーのその後
http://www.niff.jp/films-derry.htm


また、ブラディ・サンデー事件の現場には、公民権運動を取材に来たマスコミが入っており、映像などもかなり多く残されている。これら当時の映像などは昨年の1月30日のエントリにいくつかまとめてある(YouTubeにアップされているものをエンベッドで貼り付けてある。This video is no longer available. と出る場合でも、プレイヤーの上部にあるURLをクリックすれば見られるはず)。というわけで、今回は、ウィキペディア英語版のリストを参考に、この事件についての曲をいくつか。

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1972年1月30日、デリー。そして1971年8月、ベルファスト

毎年のことだが1月30日である。

今からちょうど35年前の1月30日、北アイルランドのデリー(ロンドンデリー)では、非武装のデモ隊が英軍(1st Battalion of the Parachute Regiment)の発砲を受け、13人が死亡という事件が発生した(後にさらに1人が、おそらくこのときの負傷が原因で死亡)。Bloody Sunday(血の日曜日)事件である。
http://en.wikipedia.org/wiki/Bloody_Sunday_%281972%29
http://cain.ulst.ac.uk/events/bsunday/bs.htm


――以上、ちょうど1年前に書いたものの丸写しだ。
http://nofrills.seesaa.net/article/32437581.html

bloodysundaycommemoration.png今年で、事件から36年になる。デリーでは今年も、ブラッディー・サンデー週間の行事が行なわれている。今年のテーマは「真実と嘘 Truth and Lies」で、ポスターは、4人の人物の顔をひとつに構成したものだ。サイトに書かれているように、左上の女性はローズマリー・ネルソン(和平合意後の1999年にロイヤリストに爆殺された弁護士)、左下は1972年1月30日にデリーで射殺されたジェラルド・ドナヒー、右下が1971年にバリーマーフィーで「インターンメント(一斉拘留)」のときに英軍に殺されたジョーン・コネリー、そして右上が、2000年にイスラエル警察に殺されたアシル・アスレー。4人ともが「政治的暴力」で殺された。

イベントは、かなり政治色の濃いパネルディスカッションもあり、ケン・ローチの映画 "Hidden Agenda" (日本では有料チャンネルで放映されているだけ。北アイルランドで英国政府機関がどう動いたかについての映画)の上映もあり、世界の紛争地で主に女性たちが想いを込めて作ったキルトの展覧会があり、先日まで警察オンブズマンをつとめていたNuala O'Loanのレクチャーがあり、もちろん30日の午後4時には、事件現場のロスヴィル・ストリートでの黙祷がある。土曜日には重量級のレクチャーやディスカッションが続き、日曜日には1972年1月30日の公民権運動のラリーの再現が行なわれる。記念週間の締めくくりは、Bishop Edward Daly (発砲があったときに負傷者を運び出した神父さん、今は司教), Fr Aidan Troy (ベルファスト、アードイン地区の神父、元プロテスタントのテロリストで政治家だったデイヴィッド・アーヴァインの葬儀にも参列している)と、Fr Gerry Reynolds(この人についてはこことか参照)によるパネルディスカッションだ。

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暴力の現場 デリー Bloody Sunday 北アイルランド 英国 国家テロ 暴力

2008年01月29日

BBC特派員レポート、「世は疑心暗鬼でも人は熱烈歓迎」

BBCの記者で、アフガニスタン、パキスタン、イラクなどからレポートしているKate Clark記者の記事:

Hospitality in a suspicious world
Last Updated: Saturday, 26 January 2008, 12:05 GMT
http://news.bbc.co.uk/2/hi/programmes/from_our_own_correspondent/7209024.stm

記事のタイトルは、「世は疑心暗鬼でも人は熱烈歓迎」といったような意味だ(無理やり四字熟語を使っているので若干不自然だが)。「イスラムの地域」で長く記者をしてきた白人女性である彼女が、BBC Radio 4のFrom Our Own Correspondentという番組で、「イスラムの地域」で自分が経験したことを語っているものだ。

番組は、放送後1週間はサイトで聞ける。下記リンクで開くページの右サイドバー、ListenのSat(土曜日)をクリックでプレイヤーが立ち上がる。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/programmes/from_our_own_correspondent/default.stm

この日の番組は、ケイト・クラークのほか、ファーガル・キーン(ルワンダ虐殺を取材した彼は、今は暴力が激化しているケニアにいる)ら。さっき、作業をしながら一度ざっと聞いただけだが、視聴が可能な間にもう一度聞こうと思っている。

なお、この番組はpodcastでの視聴も可能。DL可能期間は、ラジオと同様、放送後1週間。ケイト・クラークやファーガル・キーンのレポートは26 Jan 08の放送分で。(ファーガル・キーンのレポートは、ケニアのエスニック・コンフリクトがひどくなりつつある段階のものとして、ちゃんと聞いておくべきものかもしれない。)
http://www.bbc.co.uk/radio/podcasts/fooc/

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2008年01月27日

ピーター・ヘインの辞任と北アイルランド担当大臣の「厄日」

政治資金不正疑惑で窮地に立たされていたピーター・ヘインが、ついに、24日に内閣を辞した。ヘインはブレア政権での最後の内閣で北アイルランド担当大臣として「和平プロセスの完了」の儀式(2007年5月)実現への道筋をつけ、ブレア退陣で引退はせず労働党副党首選に出たが落選、ブラウン内閣では年金担当大臣とウェールズ担当大臣を兼務していた。(っていうかNI大臣をしていたときにもウェールズ担当は兼務していたのだけれども。)辞職の原因となった資金不正疑惑は、副党首選をめぐるものであった。

で、そんなニュースが流れた24日、私はBBC Newsのトップページの下のほうにある On This Day の過去記事(「今日は何の日」コーナー)を見てお茶をふいた。(キャプチャとっとけばよかったな。)

BBC ON THIS DAY | 24 | 2001: Mandelson resigns - again
(2001年1月24日、マンデルソン辞任――二度目)
http://news.bbc.co.uk/onthisday/hi/dates/stories/january/24/newsid_4605000/4605234.stm

ちょうど7年前の2001年1月24日、北アイルランド担当大臣だったピーター・マンデルソンが閣僚を辞任している。つまり、1月24日はNI大臣の厄日。

そんなことでニヤニヤしていたら、間髪いれずにBBCも同じような主旨の記事を(笑)。

Dodgy date for NI secretaries
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/northern_ireland/7207642.stm
1月24日は、NI担当国務大臣にとっては、カレンダーから消し去りたい日付かもしれない。7年前、ピーター・マンデルソンが内閣を辞した――2度目であったが。原因はヒンジャ氏パスポート疑惑【注:賄賂を受け取ってインド人富豪の英国籍取得に便宜を図ったのではないかとの疑惑】であった。そして今日、2005年から07年にかけてNI大臣をつとめていたピーター・ヘインが、政治資金疑惑に警察の捜査が入り、「汚名をそそぐために」内閣を辞した。


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北アイルランド BBCも好きねぇ 労働党政権 ピーター・ヘイン
posted by nofrills at 22:41 | Comment(2) | TrackBack(0) | todays news from uk

2008年01月25日

重すぎる。

ここ数日、seesaaさんが重すぎる状態が続いています。記事の閲覧、コメントの投稿などに支障が出ているのではと思いますが、ご了承ください。seesaa全般があまりに重く、記事更新もイライラするくらいなので、回復するまでの間、仮に「はてなダイアリ」で更新するかもしれません。

今日はバーンズナイトですね。
posted by nofrills at 23:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 事務的なこと

2008年01月24日

From Russia展@London, the RA(出展作品の写真など)

リトビネンコ事件以来、ぎくしゃくしているなんてもんじゃない英国とロシアの関係だが(寒い国から冷戦時代のスパイが帰ってきた、って感じ)、昨年秋から欧州を巡回している「モスクワとサンクトペテルブルクにあるフランスとロシアの絵画展」の英国での開催が、一時、危ぶまれていた。

出展されている絵画のなかに、元々は個人蔵だったものが、ロシア革命(ソヴィエト樹立)のときに国家に召し上げられたものがある。それらについて、革命のときに西欧に亡命した親類縁者(子孫)が返還を要求する可能性があり、英国の法制度ではそういった返還要求を止められない、というのが、ロシア側が英国への貸し出しをいったん拒否した理由だった。英国は急いで法的整備を行ない、これによって展覧会開催が確約された。

とはいえ、ロシアにあるブリティッシュ・カウンシルのオフィスをめぐる騒動(ロシア側は税金面でのあれこれを根拠として閉鎖を命令、ブリカン側は強行してオープンし、ロシア当局は事務所責任者を逮捕した)なども続いており、いやーなムードはしていたから、「展覧会が始まりますわよ」っていうことで、各メディアでレビューや評論が掲載され、ようやく「これで一安心ですわね、ほほほ」とお茶を飲める、ってなもんだ。

From Russia: French and Russian Master Paintings 1870 - 1925
From Moscow and St Peterburg
http://www.royalacademy.org.uk/exhibitions/from-russia/
26 January - 18 April 2008

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art 観光 ロンドン
posted by nofrills at 23:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | todays news from uk

2008年01月23日

【訃報】ヒース・レジャー

まさかヒース・レジャーが28歳という若さで亡くなるとは。テリー・ギリアムの新作 (The Imaginarium of Doctor Parnassus) の主演じゃなかったっけ、と思ったら、撮影中。
http://www.imdb.com/title/tt1054606/

BBC記事(トップページにあった):
Heath Ledger is found dead in US
http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/7203797.stm

BBC記事は、警察発表を中心に事実を淡々と簡潔にまとめているのだけれど、要点としては、ニューヨーク、マンハッタンの自宅フラットで倒れているのを、22日15:30 (2030 GMT) ごろ、部屋の管理人さんと、予約を入れていたマッサージ師によって発見された。発見時に意識はなく、その場で死亡が確認された。死因は確定していないが(司法解剖がまだ終わっていない)、部屋に錠剤が散乱しており、NYCの警察は事件性はないと判断、薬の過剰摂取を原因として調べている。

出身地、オーストラリアのSMHの記事:
Heath Ledger dead at 28
http://www.smh.com.au/news/people/top-actor-ledger-found-naked-in-bed-with-pills/2008/01/23/1201024937592.html

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映画 訃報
posted by nofrills at 10:21 | Comment(1) | TrackBack(0) | 雑多に

海面上昇とジャイアンツ・コーズウェイ

ナショナル・トラストがまとめた報告書、"Shifting Shores: Living with a Changing Coastline" において、2100年までに海面が85センチから1メートル上昇することが予測され、これによって北アイルランドの海岸沿いのエリアが影響を受ける、と警告されている。

Rising sea 'a threat to Causeway'
Last Updated: Tuesday, 22 January 2008, 05:13 GMT
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/northern_ireland/7201501.stm

上記記事によると、北アイルランドで唯一のUNESCO世界遺産で、NIで最も有名な自然景観観光地のひとつ、ジャイアンツ・コーズウェイは水没の危機にあり、早ければ2020年ごろには立ち入りが難しくなると予測されている。貴重な野生生物が生息しているストラングフォード・ロックMurlough National Nature Reserveも深刻な影響を受けることになる。

地図(→オリジナル):
※コーズウェイは「★」、ストラングフォード・ロックは「●」、Murlough National Nature Reserveは「■」で示した。
ni-map-causeway.jpg

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環境 観光 北アイルランド

ガセネタの流し方@デイリー・メイル流

少し前のことになるが、デイリー・メイルのデマ報道の余波の実例として、メモ。自分もヘッドラインだけ読んで、それが「デイリー・メイルによると」だということを知らずに、事実だと思い込んでいたので。(実際にメイルの記事を読んでいたら、事実を伝える記事の形式になっていないから、「これは事実ではない」という方向で見ていただろうけれども。詳細後述。)

J・デップさんの寄付は誤報 美談の英小児病院が否定
2008年01月19日00時44分

 米人気映画俳優ジョニー・デップさんが、英国の小児病院にひそかに大金を寄付していたとの報道について、寄付を受けたと伝えられたロンドンの小児科専門病院グレート・オーモンド・ストリート病院は18日までに、寄付の事実はないと否定した。……

 15日付の英紙デーリー・メールは、デップさんが映画撮影のため家族とロンドンに滞在中、娘(8つ)の急病を救ってくれた同病院に100万ポンド(約2億1000万円)を寄付したと報じていた。(時事)

http://www.asahi.com/culture/update/0119/JJT200801180003.html


このデイリー・メイルの「報道」の元記事は:
Johnny Depp's £1m gift for Great Ormond Street, the hospital that saved his daughter's life
By RICHARD SIMPSON
09:28am on 15th January 2008
http://www.dailymail.co.uk/pages/live/articles/showbiz/showbiznews.html?in_article_id=508227&in_page_id=1773

これに基づいた別のメディアでの「報道」の例は、下記など:
http://www.earthtimes.org/articles/show/174274,johnny-depps-token-of-gratitude-to-london-hospital-worth-2-million.html
Britain's Daily Mail reports that Depp visited the hospital personally just one day after winning a Golden Globe for the Best Actor in a Motion Picture Musical or Comedy. His daughter Lily-Rose was admitted to the hospital in March last year after she developed kidney failure following an E.coli infection.

↑すっかり《事実》として扱っている。

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メディア 今そこにあるデイリー・メイル
posted by nofrills at 07:36 | Comment(0) | TrackBack(1) | todays news from uk

2008年01月21日

バグダードの「ピースライン」

「ピースライン」というのは、北アイルランドのコンテクストで知ったことばだが、難民となってシリアに逃れたイラク人の「帰還」の体験談をBBCで読んだとき、まっさきに頭に浮かんだのはこのことばだった。

Iraqi refugees: "We can't return"
Last Updated: Friday, 18 January 2008, 12:16 GMT
http://news.bbc.co.uk/2/hi/talking_point/7179657.stm

イラクに戻ることにしたのは、自宅がどうなっているかを確認する必要があったからです。小さな店も2軒、やってましたし、それもどうなっているのか不安で。確認しなくてはというのは逼迫した話で、戻るのは怖いとか言っていられなかったんですね。

こう話す女性(仮名で「ウンム・アリ」)は、1年前にバグダードからシリアのダマスカスに逃れたイラク人だ。彼女は宗派としてはシーア派だが、居住区域はスンニ派が多いエリア(アル=アマリヤという地域)だった。

今ではメフディ軍(ムクタダ・アル=サドルの私設武装組織)がコントロールしているシーア派の地域から、アル=アマリヤに近づくと、臨時で設けられた検問所があり、イラク軍と米軍の兵士が警備についていました。

所持品検査を受けた私は、コンクリートの防壁の向こうのアル=アマリヤ地区に通してもらえました。


BBCの記事のページに資料写真的に掲示されているが、バグダードでは「スンニ派の地域」と「シーア派の地域」とを隔てる「壁」が建設されている。写真を見ると高さ1メートル50センチくらいだろうか、イスラエルが建設を強行している「壁」やら、北アイルランドの「ピースライン」ほど物体として威圧的なものではない。それでも、「宗派」に基づく「分断」が、こういう物体として可視化されたことの意味は、決して小さくはない。見た目は東京の住宅街の家屋のブロック塀に似ていなくはないかもしれないが、これはそういう塀とは違う意図で作られた物体である。

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イラク イラク戦争 難民 暴力の現場 セクタリアニズム 「壁」

2008年01月16日

1977年の北アイルランド(2007年末の機密資料開示時のまとめ)

さて、ずいぶん前のことになってしまったが、2007年末に「30年ルール」で開示された機密文書@北アイルランドのバックグラウンドについて、12月29日のエントリではURLだけで飛ばしてしまったことを。

歴史学者のDr Eamon Phoenixが1977年という年についてまとめたBBC記事:
Stormont secret papers released
Last Updated: Friday, 28 December 2007, 12:59 GMT
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/northern_ireland/7162727.stm

これが、読んだだけではもったいないくらいなので、ちょっといろいろ参照してみた。

1977年といえば、「紛争」はそれほど激しかったわけではなかったとのことだ(saw the reduction of violence to its lowest level since the outbreak of the Troubles)。確かに、BBCのOn This DayのNIトップページには、1977年の項目はひとつもない。それでもこの年は、「紛争」で110人が死亡している(うち一般市民は67人、英軍が15人、警察関係が28人)。

CAINデータベースで1977年の出来事一覧を見ると、1月1日にベルファスト近くでIRAの自動車爆弾で生後15ヶ月の赤ちゃんが殺されるという陰惨な事件で幕を開けた年だということがわかる。以降、リパブリカンとロイヤリストの「暴力の連鎖」(というより、「攻撃と報復」)が続いている。
http://cain.ulst.ac.uk/othelem/chron/ch77.htm

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2008年01月15日

英国、ヴィザ申請者全員に生体認証登録を義務付け

日本国籍の人については、すでに数ヶ月前にヴィザ申請時に「手の10指の指紋と顔写真」という生体認証の登録が義務化されているので、「大きな変更」というわけではありませんが、英国がヴィザ申請者全員に指紋と顔写真の登録を義務付けたとの公式のアナウンスがあったので、軽くメモ。

※観光で渡英するためヴィザを取得する必要のない人には、生体認証の登録は関係ありません(今のところは)。日本国籍がある場合、関係するのは学生ヴィザなどを申請する人だけです。

Press Associationの配信記事で、入管担当の閣外大臣、Liam Byrneが「予定より3ヶ月も早く、しかも導入にかかった費用も当初予算より数百万ポンドも低く、できました」とBBC Radioで語った、と報じられているのだけれど(<こういうのが、英国だけではないのだろうけれども、「英国らしい」と思える。日本で「外国人は観光であれ何であれとにかく指紋登録」ということになったとき、大臣からの設備の導入費用の説明がマスコミであっただろうか?)、法律が発効する前に導入とかそういうことではないよね。(なんか、そういうこともありそうな気がしないわけではない。)
http://politics.guardian.co.uk/homeaffairs/story/0,,2240642,00.html

さらにこの記事には、今回の生体認証登録を皮切りとして、全部で10の大きな制度変更がある、ということが書かれている。

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visa 留学 イミグレ 拙著アップデート 英国 UKIP
posted by nofrills at 10:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | todays news from uk

"We are blessed or cursed to live with each other"(ダニエル・バレンボイム)

"I am not a politician," he told us. "But I know one thing. There is no military solution. We are blessed or cursed to live with each other... Even not very intelligent people are saying that the occupation has to be stopped."

「私は政治家ではありませんが、これだけはわかっています。軍事的解決などというものはない。わたしたちは一緒に生きていかねばならないのです、それが恵まれたことなのか呪われたことなのかはあるでしょうが……あまり学のない人たちでさえ、占領はストップされねばならないと言っています」

上記は、パレスチナの市民権を得たダニエル・バレンボイムのことばとして、BBCのTim Franks(エルサレム支局)が、1月14日付のJerusalem Diaryで引いていることばである。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/7186757.stm

バレンボイムの市民権は、ラマラのパレスチナ自治政府が授与した「名誉市民権」で、上にあるバレンボイムの発言は、ラマラでの授与式のあとの記者の質問に答えたものだそうだ。なお、授与式はラマラで行なわれ、バレンボイムはラマラのCultural Palaceに寄贈した新品のSteinwayのピアノで、ベートーベンのソナタを3曲、演奏した。アンコールはショパンのノクターンだったそうだ。

記事を書いたBBCのTim Franksは、ほんの何日か前に同じラマラでブッシュ米大統領が示した楽観的な考えについて「あなたも同じお考えでしょうか」と質問した。バレンボイムの反応について、彼は次のように書いている。

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shoot to kill バレンボイム 音楽 イスラエル パレスチナ

MI5とMI6の紋章の意味

米ワシントンDCの「スパイ博物館」についての記事が、数日前のAFP BBに出ていた。世界各国の諜報機関の紋章が展示されているのだそうだ。記事ではカナダ、ロシア、ポーランド、英国の4カ国の諜報機関の紋章の写真が見られるが、ここでは当然、MI6 (SIS) の「脳みそ」紋章を選択して記事にリンク。


以下の「続きを読む」では英国の2つの諜報機関(MI5とMI6)の紋章の意味について書くが、その前に、「スパイ博物館」について。

この博物館ができたときに「君もジェームズ・ボンドになれる」(という感じの体験ゾーンがあるらしい)みたいな紹介のされ方をしていて、かなりお子様向けのエンタメ系施設なのだろうなあと思っていたのだが、かなり真面目に「インテリジェンス」というものを考えるイベントもやっているということを、今、同博物館のサイトを見てはじめて知った。今月22日に「サダム・フセインは大量破壊兵器を持っている」というガセネタを米当局に流した男(コードネーム「カーブボール」)についての講演会があるそうだ。

話をするのは、『カーブボール――スパイと嘘と、戦争を引き起こした詐欺師 (Curveball: Spies, Lies, and the Con Man Who Caused a War)』という本をものしたロサンゼルス・タイムズのBob Drogin記者と、CIAの欧州秘密作戦部のトップをしていたことがあり、『瀬戸際で――内部にいた者が語る、「いかにしてホワイトハウスは米国の情報をダメにしたのか」 (On the Brink: An Insider's Account of How the White House Compromised American Intelligence)』をものしたTyler Drumhellerのふたりの専門家。分析のぐだぐだ具合から政治的情報操作まで、あらいざらい話します、という内容らしい。入場料は20ドル。
http://www.spymuseum.org/programs/calendar_pages/2008_01_22_prog.php
Curveball: Inside the WMD Debacle
Tuesday, 22 January; 6:30 pm

"The biggest fiasco in the history of secret intelligence." - Frederick Forsyth
「(こんなガセネタをつかまされたとは、)諜報機関の歴史始まって以来の大惨事である」――フレデリック・フォーサイス

In 1999, a mysterious Iraqi applied for political asylum in Germany. The young engineer offered compelling details about Saddam Hussein's secret effort to build weapons of mass destruction. German spymasters shared this information with U.S. intelligence but denied the Americans access to their star informant - who the Americans codenamed "Curveball." The case lay dormant until after 9/11, when the Bush administration embraced Curveball's unconfirmed account. Although relied upon by President Bush and Colin Powell, Curveball was a fraud whose intelligence was discredited before the war. ...

1999年、ドイツ。謎のイラク人が政治亡命を申請した。この若い技術者は、サダム・フセインがひそかに大量破壊兵器を作ろうとしているということを委細にわたって説明した。それには説得力があった。この情報はドイツ当局から米当局に流されたが、ドイツ側は米国側にこのイラク人との接触をさせなかった。米国側は彼に「カーブボール」というコードネームをつけた。そしてこの件は9.11事件が起きるまで寝かされていたのだが、ブッシュ政権はカーブボールの裏の取れていない説明に飛びついた。だが、ブッシュ大統領もパウエル国務長官も信頼していたカーブボールは、ペテン師だったのだ。彼の述べたことは、(イラク戦争の)開戦前には信用できるものではないとされた。……


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英国 紋章
posted by nofrills at 09:03 | Comment(2) | TrackBack(0) | todays news from uk

2008年01月13日

陰謀論は陰謀によってもたらされたに違いないという陰謀論が噴出すること必至の写真

産経新聞さんの一枚の写真:
【先週の政界名場面】にこにこ握手している場合か、石破さん!
2008.1.13 08:33
http://sankei.jp.msn.com/photos/politics/situation/080113/stt0801130833001-p1.htm
拡大写真:
http://sankei.jp.msn.com/photos/politics/situation/080113/stt0801130833001-l1.htm
スクショ:


キャプション:
参院外交防衛委員会で新テロ対策特別措置法案が民主党など野党の反対多数で否決されたが採決を終え、握手を交わす町村信孝・官房長官と自民党の山本一太氏(手前)、石破茂・防衛相と民主党の浅尾慶一郎氏(中央)。右は民主党の藤田幸久氏 =10日午後4時24分、国会・参院第一委員会室


写真が見られなくなったときのためにメモっておくが、左から、町村(いつもの態度)と山本(背中からのショット。深々と頭を下げ、町村の手を両手で握っているようだ)、石破と浅尾(横顔、両者満面の笑み)、キャプションにはないが石破と浅尾の向こう側にカメラの方に顔を向けた高村(外務大臣、笑顔)、そして浅尾の背後に藤田、という配置。(敬称略)

この民主党の藤田というのは、新テロ対策特別措置法の衆院での再可決という場面で「9.11捏造の証拠を見せた」、というか「国会でUFO」の次は、「国会で陰謀論」ですか、と言いたくなるようなことをした(<リンク先衆院TV、18分ごろから)稀代のうつけである。

産経新聞は「にこにこ握手している場合か、石破さん!」と石破にツッコミを入れる見出しを立てているが、この写真でツッコミ対象として最も注目すべきは藤田の笑顔だろう、どう見ても。あと浅尾も。(浅尾は「金融出身」との理由で藤田から指名されて株式取引についての質問に回答している。)

まったく、茶番もいいところだ。あんまり頭に来たから、藤田が国会で「9.11陰謀説」を持ち出したのは陰謀のせいだ、ということで、陰謀論の連鎖をとなえてみる。(<あんまりマジで受け取らないでください。)

2008年01月11日

政治的暴力と平和/和平のあいだに

イスラエルを訪問したブッシュ米大統領が、「第三次中東戦争でイスラエルが占領した土地からイスラエルは撤退すべきだ」など、これまでになく強いことばで「和平」の展望を述べ(ことばを口にしている本人がそれを完全に理解していたのかどうかは私には疑問だが、ことばが強かったことは事実だ)、首相を辞めてから「カルテット」(国連とEUと米国とロシア)の特使として中東和平に関わっているトニー・ブレアが、バラク・オバマ以上に抽象的なことばで「和平への楽観論」を語り、ということがこの2日間ほどで起きているが、ガザの食糧事情は危機的なまでに悪化していると世界食糧計画が発表し(燃料は「一時的に」封鎖前の補給状態に戻されたようだが)、そもそもガザでは電力不足のためブッシュ訪問を報じるテレビもろくに見られない(<リンク先、3人目のアブダラ・サミールさんの声を参照)状況で、あとは個別記事にリンクをする気力もないが、流血も継続している――イスラエル軍、パレスチナ武装勢力双方の政治的暴力によって。

昨年めでたく「和平」が現実のものとなった北アイルランドのことを考えれば、10年前にグッドフライデー合意(ベルファスト合意、包括和平合意)が成立したときも、当時の私は今ほどには北アイルランドについて知らなかったけれども、それでも「あれ」が終わることがあるとは思っていなかったわけで、今回のブッシュのことばが「自分の任期内に何としても」という功名心――ビル・クリントンが失敗した「中東和平」を自分がやり遂げてみせるという名誉欲――からだけ出た空疎なものではなく、少なくともある程度は現実を踏まえているものだと思いたい部分はある。

政治的暴力による紛争のあとの「和平」においては、大きな政治的な枠組みを動かす力も必要だが、それと同じくらい、ひょっとしたらそれ以上に、個々の人々の「問題」を解決しようという力も必要である。イスラエルやパレスチナについては、報道を見ている限り、どちらの「側」にも「非暴力」を訴える人たちがいて、双方のつながりや交流もないわけではなく、そこからより大きな流れが起きてくれることを願うばかりだ。(この「願う」というのは、部外者の無責任な態度のひとつではあるが。)

北アイルランドでは、30年に及んだ「紛争」が地域社会や個々の人々に残した「傷」に対処するための活動がいくつも行なわれている。The Consultative Group on the Past(以下「CGP」。意味としては「過去に関する諮問協議会」とでもいうか)もそのひとつだ。

今週、CGPが少し動いたことで、BBC NIなどでかなり大きめのニュースになっていた。

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北アイルランド

2008年01月10日

病人も強制送還

英国のヴィザが失効して不法滞在状態になっていたガーナ人の女性が、ガーナに強制送還された。彼女は重い病を患っていて、病院にいた。入管は彼女を車椅子に乗せて連行していった。

FOX Newsまでもがこの件を、Dying Ghanian Woman Taken From U.K. Hospital in Wheelchair, Faces Deportationとして報じているのだが、カメラと記者を現地に入れたBBCの記事:
Cancer patient loses visa battle
Last Updated: Wednesday, 9 January 2008, 15:05 GMT
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/wales/7178416.stm

「人道」上の支援を最も必要としているであろう人を、英国政府が事実上の「見殺し」にしていることをBBCは映像レポート(後述)でかなり厳しく非難している。

私とかは、「人道」を掲げ、旧ユーゴを爆撃し、イラクに経済制裁を加え、イラクを爆撃し、ボリス・ベレゾフスキーやアフメド・ザカーエフの政治亡命を認めた英国が、なんてことも考えるのでその方向でも頭にくるのだが、シャーリア法で同性愛者の身の安全が危ない国に強制送還、なんてこともたびたび起きているので、正直なところ、そろそろ麻痺してきたかもしれない。イミグレでの人種差別はひどいという報道もあるし。

以下、ガーナ人女性の送還の事例について具体的に。

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visa 英国 イミグレ 人道
posted by nofrills at 09:32 | Comment(2) | TrackBack(1) | todays news from uk

思い出すことなど

風邪引いて「熱冷まシート」をおでこにぺたりとやってる状態で、アメリカの大統領選挙についての日本のふつうのニュースを見ていたら、何かもう、都合10回はジョン・F・ケネディ、いや、ロバート・ケネディ、いや、バラク・オバマの演説(の断片)を聞かされたうえに、マーガレット・サッチャーヒラリー・クリントンの演説までオーヴァーダブされて、で、2人とも同じことを言ってるんで、2006年のBBCの名作(下記YouTube)を思い出してまた熱が上がった次第。脳内では下記のビデオの2人に合わせて、"skinny kid with a funny name" と、Bush-Clinton dynastyの例の女性が重なり、dynastyつながりでベナジールの息子やら隣の国の将軍様etc etcまで出てくる始末。

Changes (feat. TB of NuLab and DC from Tories)
http://www.youtube.com/watch?v=D8gLYZV6Z4g
# 久しぶりに見るとTBっておもしろいなあ。ブラウンはおもしろさがない。ブレアとシラクとベルルスコーニの「3○○トリオ」は「動作のおもしろさ」では最高だったなあ。

これ↑についての過去記事:
http://nofrills.seesaa.net/article/25864328.html

つまり:
forwardnotback.png

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英語
posted by nofrills at 07:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 雑多に
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