kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=


2019年11月11日

はてなブックマークでわけのわからないスターがつけられている場合、相手はスパマーかもしれない。

はてなでid:Hagexさんとして知られていたブロガーさんが、2018年6月、ブログで告知して本職の名義で行っていた講演会の直後に刺殺された事件の裁判が、今日11月11日に始まったという。被告もはてなのユーザーで、「はてなブックマーク」というプラットフォーム上で、「IDコール」という機能を使って、だれかれ構わず罵詈雑言を投げつけ、運営に通報されてアカウントを停止され、また新規アカウントを取得して罵詈雑言→通報→アカウント停止……ということを繰り返していた人物だ。罵詈雑言を投げつけられた側は、自分を罵倒してきているのが誰なのかはもちろん知る由もなかったし、アカウントも停止されては新規で取得することを繰り返していたから、「はてな」のサービス上で一貫して誰かを認識する「ID」でその罵倒主を呼ぶこともできなかった。そのため、罵倒された人々は、彼が他人を罵倒するときに多用する罵倒語に基づいて「低能先生」という仮の名前をつけ、「また低能先生が暴れ出した」といったふうに書いて情報を共有した。その経緯は、「日刊SPA!」の下記記事(2018年6月)に詳しい。(事件発生時のほかのマスコミの記事の多くは、このような経緯を正確に把握できていなかった。「はてな」の独自のシステムになじみのない記者が、警察発表の文言から解釈して書いていたのだろう。そもそも警察も「はてな」のシステムはよく知らなかったかもしれない。)
松本容疑者は、2016年ごろから、はてなブックマークなどの他ユーザーに「低能」という言葉を使って誹謗中傷を行っていた、いわゆる荒らし、嫌がらせ投稿者だった。そのため、過去100回以上もアカウントを凍結されては、新規IDで復活し活動をすることを繰り返してきた。……

一方的に低能先生がHagexに低能コール(荒らし)を仕掛けていただけで、報道から想像するような松本容疑者vs Hagexのようなバトルは見られない。ただ、低能先生からコールが来る度に、はてなに通報を行っていただけだ。

https://nikkan-spa.jp/1490100


「はてな」での「IDコール」という機能は、「私のブログであなたの発言を引用しています」といったことを手軽に伝えるために導入され(ああいう機能をTwitterなどSNSが一般的になる前に導入していたのは、今思うと、とても早かったのだと思う)、「はてなブックマーク」においては、誰かがブックマークのコメント(以下「ブコメ」)で「ミルクティーはミルクが先ってこと?」と書いたことに対して別のユーザーが「id:honyarara ミルクは後っていう人もいますね」などと情報を補足したりする用途で使われていた。しかしこれは同時に「id:honyarara はぁ? ミルク先とか何言ってんの? お前みたいなエセインテリが世の中を悪くするんだ。謝罪しろ!」みたいなわけのわからない暴言・罵倒の流布にもつながる機能でもあった。そして現実に、考えられる限りにおいて最悪の(というか開発者を含め、おそらく誰も予想も想定もしていなかった)使われ方をして、id:Hagexさんの殺害という事件につながっていったあと、事件から4か月ほど後に、はてなブックマーク上におけるIDコールは廃止された。そしてはてブからは個人に対する名指しの罵倒のようなものは消えたのかもしれない(私はあまり熱心に見ていないし、ストレス対処のため特定ユーザーの非表示も活用しているので、私が知らないだけで本当はまだまだあるのかもしれない)。

「IDコール」がなくなった現在もはてブに残っているユーザー間のやりとりの手段(にもならない程度のものだが)は「はてなスター」だ。

「はてなスター」は、後発のFacebookなどにおける「いいね!」のようなスタンプ的なものである。最初に導入されたのは今は亡き「はてなダイアリー」で、導入時には「社内で回覧する文書に『読みました』の意味でつけるシャチハタ印みたいなもの」というイメージだという説明があったと思う。実際、「はてなダイアリー」はユーザー同士がよく読み合い、コメントしあい、言及しあうなどしていたので、「Aさんのダイアリーの中でBさんの発言が言及されていることがIDコールでBさんに伝えられ、それをBさんが読んだということがはてなスターで示すことができ、Bさんは必要があればコメントなりトラックバックなりでAさんに対して反応もできる」というエコシステムがあったのだが、日本語で100字分しかスペースのないはてブのブコメではそこまでの機能は負わせることはできず、単なる「いいね!」ボタン的に使われていると思う。

「はてなスター」についても、「場合によっては『逆いいね!』的に使われる」という懸念は常に呈されていた。スターの数が多ければブコメ一覧のページで目立つことになるので、スターをたくさんつければ「見て見て、こいつ、こんなバカなこと言ってるよ!」とさらし者にすることもできる、というわけだ。その点は、同一人物が大量につけたスターはあまり高く評価されないという処理をするなどしているはずだ(正直、スターの数とかにあまり関心がないので、認識がゆるかったり間違ってたりしたらすみません)。

私もよく訓練されたはてなユーザーではあるので、そういったことはよく知っている。遠い目をして語れるくらいには。

だが、今回、id:Hagexさんの殺害事件の初公判についての記事に対する私のブクマについたはてなスターには、違和感を感じた。というか、正直、ぞっとした。だって、私のそのブクマにはコメントがないんだから、誰かがはてなスターをつける要素など何もない。誰かがスターをつける理由などないはずなのだ。あるとすれば、「あなたがはてなブックマークというプラットフォームから発した殺人事件についてのこの記事をメモしたことを、私はチェックしましたよ」と告知するためか。

hatebu-star-spam111119a-min.png

このように、「あとで読む」というタグしか入力されていないブクマに、id:ookubo0803なるユーザーがはてなスターをポチっとつけているのだ。

このIDに心当たりはない。てか、この「おおくぼ」って、誰? ……と、さすがに不気味さを感じながら(私はある件で脅迫もされているし、それとは別の件でもたぶん目つけられていると思う)そのスターをクリックしてみると、そこに出てきたのは、何と、「セクスィ〜なロシア美少女」云々(要旨)だった。

hatebu-star-spam111119b-min.png

スパムかよ。 (・_・)

スパムとわかったらサクサク通報するだけだ。

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posted by nofrills at 15:26 | 雑多に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告ブロッカーは広告以外の画像をブロックするのにも使えるよ、というお話

ここしばらくずっと話題になりっぱなしの日本赤十字社お気に入りのグロ絵(現実にはあり得ない形で強調された、こういう意味での「グロテスク」な絵)ポスターなどに関連して、「あの絵を見たくないので、あの絵がTwitter Cardなど勝手にフィードされる画像に表示されているブログ記事などは、どんなに中身がよくてもツイートできない」という人が、私の見る範囲ではけっこう少なくないのだが、そういうタイミングで、秋葉原であのグロ絵以上にひどい絵が建物の壁面にどーんと掲げられているという話題があり(現時点ではもう別の、穏当なものに差し替えらえているが)、そのグロ絵を擁護する声もネット上にはあふれ、ああいうグロ絵を見たくない・見せられたくない私たちには、マジで逃げ場がない。心底気持ちの悪い国だ、この日本という国は。

そのあまりにもひどすぎるグロ絵の看板が取り外されたのは、ある方が区(東京都千代田区。ちなみに皇居がある区ね)の条例に照らしておかしいのではないかという問い合わせをしてくださった後なのだが、その方がそれについて報告するツイートにもそのあまりにもひどすぎるグロ絵がばーんと掲示されているという地獄っぷり。いや、普通に「この件ですが」という意味で掲示することには、そりゃ、正当性はありますよ。でも、Twitterのシステム上、まったく無防備なところにああいう絵が流れてくる(こともかなり多くある)わけで、それはどうなのかと。

私、個人的にイスイス団の暴力見せびらかしの最盛期(2014年夏)にかなりメンタルやられまして……しかも、正当な理由があってそれらの画像を掲示しているジャーナリストのフィード経由で……いや、わかるんすよ、「知る権利」とか「事実の提示」とか。でも無防備なところに、イスイス団の残虐画像や、イスイス団が誇る「天国に行った勇敢な戦士たち」の亡骸の写真が繰り返し繰り返し表示されているうちに、さすがにこっちの頭もおかしくなってきた。

「そういう映像を見る」と心の準備をしているときはいいんです。でもそうでないときに「不意打ち」のようにグロい画像を見せられるのは、日本語でも「精神的ブラクラ」という表現がある通り、非常によくない。あの「自由」原理主義みたいな米国でも、2001年9月11日のNYCで高層ビルに飛行機が突入する映像が、事件後、TVニュースで繰り返し繰り返し「突然流される資料映像」的に使われたあとで問題視されるようになって、映像の使用が控えられるようになったという話もあるくらい。

というわけで、ああいう画像が表示される回数を減らせれば、減らした方がいい。手元でできるなら手元でそう設定すべき。

というときに(PCの場合)使えるのが、ブラウザのアドオン(エクステンション、拡張機能)の広告ブロッカー。

「広告ブロッカー」や「AdBlock」という名称ゆえ、広告*だけを*非表示にするものと思い込んでいる方もおられるが、あれは基本的に画像を非表示にするものなので、どんな画像でも非表示にすることができる。そのやり方を、AdBlockを使ったことのない方にもわかるように、説明してTwitterで連投した。

それを、先日こちらにも書いたが、ThreadReaderAppというウェブサービスを使って、一覧できるようにしてある。
https://threadreaderapp.com/thread/1193495868130746369.html

以下、この内容をまたコピペしておく。

今の時代、ひとりひとりが個別にフィルターを設定して自衛していかないと、グロ画像は歯止めなく流れていて、話題になったものは何度でもしつっこく表示され続ける。そのストレスを少しでも軽減するために、ひとりでも多くの方にお役立ていただけますように。

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posted by nofrills at 01:00 | i dont think im a pacifist/words at war | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月03日

Twitterで、自分の発言だけ連続投稿したものを、読みやすく、1ページで表示してくれる便利ツールのご紹介。

ここ数週間、ネット上の日本語圏、特にTwitter界隈でずーっと話題になりっぱなしの、とてもセンシティヴな案件があって、多くの人がたくさんの言葉を費やして考えていること、思っていることを語っている。そういった言葉を、ただTwitterに置いておくだけでは埋もれていってしまうし、誰かに「これを参照してください」と示すにも単独のツイートだと文脈が見てもらえないかもしれないという心配がある。

といって、日本語圏では、自分の発言をTogetterなどを使って「まとめ」れば、「セルフまとめ」などと呼ばれ、「自意識過剰だ」的な批判が湧いて出てくるのがデフォ。ましてやあのセンシティヴな案件について「セルフまとめ」など作ろうものなら、ギャング映画のごとく蜂の巣にしてやろうというキーボード・ウォリアー様たちが覚醒してわらわらと寄ってくるに違いない、という心配がある。

そういう場合に、日本語圏に特有の粘着質のイナゴのことなど気にせずに、自分の連続ツイート(スレッド)だけを淡々と一覧できるようにしてくれるツールが英語圏にはあるので、今日の昼間、それを紹介する連ツイをしてみた。

そしてその連ツイを、当該のツール(Thread Reader Appという)を使って1ページにまとめてみた。「スレッド」の作り方の注意点なども書き添えてある。下記からどうぞ。
https://threadreaderapp.com/thread/1190812074521219072.html

使い勝手や見え方を比較するため、同じ内容で、NAVERまとめを利用したページもこしらえてみた。こちらもよろしければご参照のほど。

Thread Reader App: 英語圏のシンプルで便利なツール(日本語も問題なく使える)
https://matome.naver.jp/odai/2157274949164167101

Thread Reader AppもNAVERまとめも、「どちらが絶対的によい」ということはなく、用途・内容に応じて使い分ければよいと思うが、自分の発言だけで構成されたスレッド(連ツイ)をさくっとまとめて表示させたいだけなら、Thread Reader Appが便利である。作業にかかる時間はほんの数秒(と数分の待ち時間)で、Twitterにログインしてさえいれば、実質、何もしなくてもよい(先方のサービスへのログインすら不要)。

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posted by nofrills at 23:00 | i dont think im a pacifist/words at war | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月27日

hontoで講談社学術文庫のセール中。『怪物ベンサム』やウェルズの『世界文化小史』、ベーダの『イングランド教会史』が安い

EBPD13107.pngオンライン書店のhontoのサイトを見ていたら、講談社学術文庫のセールをやっていた。いわく、「紙で入手困難な本」(品切だったりする本)が30%オフになっている。10月31日まで。

ざっと見てみたところ、日本史の本が多いのだが(徳富蘇峰の『近世日本国民史』がずらっと並んでいるほか、 網野善彦『中世再考 列島の地域と社会』があり、また、太平洋戦争関連の本なども何点も入っている)、歴史以外のジャンルでも田中克彦『ことばとは何か 言語学という冒険』などがあるし、あと、カントの『純粋理性批判』(全4巻)もある。

ところで、どうでもいいが、「カント」をペンネームの一部にしているラノベ作家がいるために、hontoの電子書籍を「カント」で検索すると、乳房がサッカーボールのように丸くグロテスクに強調されたような発情期and/or男子中学生向けのグロ絵がずらずらと表示されて、うっとうしく不快なことこの上ない。ドイツのカントの本を探している人間がラノベ表紙絵をしつこく見せられるのは、ノイズを超えて、苦痛でしかない。電子書籍書店はこの点、本当に考えてほしい。実店舗ではラノベだのマンガだのは売り場が分かれているので問題が生じることはないのだが、同じ思想でネット書店も構築してくれないだろうか。ラノベだの何だのは、「ジャンルごと表示しない」ボタンをもうけるべきだ。これは「表現の自由」の問題ではなく、単に「買い物の邪魔」という問題である。コンビニにツナのおにぎりを買いに行ったら、おにぎり売り場にツナ関連の売れ線だからといってツナサンドやらツナクリームパスタやらちゃおちゅ〜るやらがずらずらと並んでいて、肝心のツナおにぎりを探すのに2分も3分もかかったりしたら頭にくるだろう。そういうことだ。実際、ラノベとやらが売れ線であるらしい電子書籍販売店では、何を検索してもラノベが出てくるので――それこそ「コレット」なんかひどいありさまだ。私はフランスのあのコレットの本を探しているという場合でも――、本当にうっとうしくてかなわない。

閑話休題。で、その講談社学術文庫のセールで、何点か英国関連のものもあったので持ち帰ってきた。繰り返しになるが、10月31日までが3割引きの価格である(それを過ぎても平常価格で購入はできるが)。

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posted by nofrills at 08:00 | 書籍系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月25日

欧州大陸から来たコンテナと、39人の中国人とされた人々と、アイルランドのトラック野郎と、そして……?

きれいに手入れされているように見えるそのトラックのフロントガラスの上部と下部には、
Ireland
The Ultimate Dream
という文字が見える。

そのトラック(正確にはトレーラー)はアイルランド島からウェールズを経てイングランドにやってきた。運転手は北部6州(北アイルランド)のアーマー州ポータダウン在住の20代男性。専業のトラック運転手だ。彼はダブリンからフェリーに乗り、ウェールズのホリーヘッド港に到着し、一路車を南東に向けて走らせた。ロンドンを通り越して到着したのは、テムズ川河口域のエセックス州サロック (Thurrock) のグレイズ (Grays)。ここで彼は、港に到着していたコンテナを受け取った。欧州大陸から来た冷凍コンテナだ。この荷物をどこかに運ぶ仕事を請け負ったのだろう。

そして彼は殺人 (murder) の容疑で逮捕されることになった。コンテナの中では、39人の人間が死んでいた。



「エセックス州の港で、コンテナの中で39人が死亡しているのが発見された」というショッキングなニュースがあったのは10月23日の晩(日本時間)。当初、「ホリーヘッドから入った」(ホリーヘッドはアイルランドのダブリンからのフェリーが発着する港である)、「ブルガリアから来た」という2つの情報が直接結びつけられて報道されていたので、「ブルガリアからアイルランド経由でイングランド南東部へ移動?」と多くの人々が頭の上に「?????」を並べていたようだったが(私も)、一夜明けてみれば、トラックの車の部分(トレイラー)がアイルランドから来ていたのであり、39人が入れられていたコンテナはベルギーの港から直接サロックの港に来ていたということがわかった。

Brexitがこうなっているタイミングで、こんな形で欧州と英国の間の物流について、そして何よりアイルランド島の「ボーダー」(アイルランドを1つと見る立場では、あれは「国境」ではない)と、アイルランドとブリテンの間の物流について、改めて確認されるようなことになるとは。

亡くなっていた39人は、24日の報道では、全員中国籍と思われ、男性が31人、女性が8人。うち1人は、初期報道では「ティーンエイジャー」と伝えられていたが、やがて「若い成人女性」とされるようになった。
https://www.bbc.com/news/uk-england-essex-50162617
Essex Police said it was the largest murder investigation in the force's history and the victims were all "believed to be Chinese nationals".

It said formal identification of the 39 people, one of whom is a young adult woman, "could be a lengthy process".


コンテナに何十人と詰め込まれた人間が全員遺体となって発見されるということは、これまでも何度かあった。最も衝撃的だったのは、2015年、オーストリアで冷蔵車の中から71人の遺体が見つかった事件だろう。

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posted by nofrills at 09:35 | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月05日

パリ警視庁での衝撃的な事件について、英語圏ネット上極右界隈で言われていることのメモ

10月3日(木)、フランス、パリのシテ島にあるパリ警視庁で職員とみられる男が刃物で4人の職員を刺殺、その後本人も警察官に射殺されるという衝撃的な事件があった。殺された3人は情報部門職員、1人は人事部職員とのことで、容疑者を射殺したのは着任してまだ数日にしかならない若いインターンだったという。

事件の前日、フランスでは警官たちが、いわゆる「ブラックな」労働環境に抗議してデモを行っていたが、3日の事件は、警察からの公式のステートメントがまだ出てなくてもろもろ不明だった段階でも、デモと関係があるということは言われていなかった。実際にデモとは無関係だったようだ。

衝撃的な事件の後、しばらくは(フランスの事件報道ではよくある)情報錯綜と情報統制の奇妙な共存が続いていたようだが、日本時間で土曜日になって、「予備捜査の結果、容疑者が過激思想に傾倒していた可能性があることが示された」という報道がなされている。このAFP以外の報道記事を見ると、仕事で過激派の情報に接していたということだ。一方で、自宅の捜索では過激化の兆候は一切見つからなかったという。職場で過激化されていたと仮定して、自宅には過激化を示すものは何もなかったとすると、自宅には職場のものは一切、情報の一片たりとも持ち帰っていなかったのだろう。

そういうこと(職場と自宅とは完全に別にすること)が要求される仕事だったのだろう。

――ここで私はおまじないのマニキュアを塗る。15歳女子を装ってネットでイスイス団の人員と接触し、彼らのリクルート(人員募集)活動がどのように行われるかを身体を張って報告したフランスのジャーナリスト、アンナ・エレル(仮名)の本にマニキュアのことが書いてあって(「15歳女子」を自分の元に来させようとするイスイス団の男は、Skypeの画面で彼女が爪を塗っていることに気づき、そのようなことはしてはならないというくだらない教義を言って聞かせる。ああいうくだらない教義は、カルト教団が声をかけた人物がその思想を本当に信じたかどうかを試す試金石として用いられるものとして典型的だ。日常の中のほんの小さな、くだらないことを変えさせることで「自分は生まれ変わった、別の人間になった」と思わせていく)、それを読んで以来、私はずっとそっち系の情報に接するとき(この指先でそのことについて書くとき)、発色のよいマニキュアを遠慮なく塗っている。あたかも指先にこれがあれば、ああいうのが浸透してくることが防げる、といわんばかりに遠慮なく。

ジハーディストのベールをかぶった私
ジハーディストのベールをかぶった私

さて、本題。パリでの事件について。


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2019年09月24日

英国で学位を取得した人の残留許可期間が2年になる(テリーザ・メイ内相の「改革」で短縮されていたのが元に戻る)

こちらのブログを放置してしまっているが(下書きはあるんだけど、アップできる状態にまで持ち込めていない。何しろBrexitと英国会がああだから……)、英語実例をただ集積していくブログは毎日更新中で、そちらで取り上げる記事によっては、こちらで書いてもいいんじゃないかという内容の解説を書いて、コピペしようかなどうしようかなと考えている間にめんどくさくなってコピペしない……ということが続いている。そもそも同一の文章をあちこちにアップするのはノイズを増やすだけだというインターネット老人会のいにしえの掟に縛られているので、どうにも腰が重いのだが。

が、この件はリンクと一部コピペくらいはしておこう。表題の件:
https://hoarding-examples.hatenablog.jp/entry/2019/09/18/%E5%85%88%E8%A1%8C%E8%A9%9E%E3%81%8Ccase%E3%81%AE%E5%A0%B4%E5%90%88%E3%81%AE%E9%96%A2%E4%BF%82%E5%89%AF%E8%A9%9E%E3%81%AFwhere%2C_have_%2B_O_%2B_%E9%81%8E%E5%8E%BB%E5%88%86%E8%A9%9E%2C_
現在EU離脱(Brexit)という問題を抱えてしっちゃかめっちゃかになっている英国だが、Brexitの焦点のひとつが「外国からの流入人口(移民)」である。EUの一員である限りはEU加盟国からの人の流入は制限できないという問題――それは同時に、英国からEU各国への流出に障害がないということでもあるのだが――について、自身は外国で就職など絶対にしないという庶民層からの感情レベルでの反発(「近くの工場で働くために通りの奥に引っ越してきた人たちが、わけのわからない言語でしゃべっている」「ここはイギリスだ、英語をしゃべれ」的なもの)を、ポリティカル・クラス(政治の上層部、国政の政治家たち)が無視し、侮ってきたツケが爆発した、と言えるわけだが、そういった感情的反発はBrexitが議論の俎上に乗るようになる前からずっと可視化されていたわけで(ゴードン・ブラウンの "Bigoted woman" 発言と、その後のブラウンへの批判の嵐をご記憶だろうか。わからない方は英語圏でウェブ検索を)、ある意味でその不満のガス抜き調整弁として利用されてきたのが「外国からの留学生の数」だ。2010年、労働党ゴードン・ブラウンが選挙で負けて、保守党のデイヴィッド・キャメロンがLibDemsと連立を組んで新政権を発足させたあと、テリーザ・メイ内相のもとで積極的に進められたイミグレ政策のひとつが、「留学生を減らす」という政策だった。具体的にはインチキ学校(「ヴィザ取り学校」と呼ばれたような実体のない学校……今、日本で問題になりつつありますね)の認可を取り下げたり、ヴィザ発給要件を厳しくしたり、ポイント制を導入したりといったことが進められた。さらに、大学で留学した場合、学位を取得したあと英国に残れるのは4か月までとされ、要するに、卒業したら速やかに英国外に退去することが求められていた。

テリーザ・メイが内相時代に導入したその方針が、ここにきて転換された。「転換」といってもメイ以前の時代の制度に戻っただけだが、学位を取得したあと、2年間の残留が認められる。転換の理由は、メイの導入した政策のもとで英国の大学は外国人留学生を大量に失うことになった(つまり学費収入が減ってしまった)ことだと考えられる。詳しくは下記報道記事を参照。
https://www.theguardian.com/education/2019/sep/10/uk-work-visas-for-foreign-graduates-to-be-extended-to-two-years


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posted by nofrills at 11:00 | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月28日

もういいから、leave-left-leftも知らん奴は黙ってこのプリントやっとけ。あと、本屋の学参コーナーに行って、中学のまとめの問題集買ってきてやれ。

今日、下記の英語学習用のPDF(自宅学習・塾でも使えるオーソドックスなプリント)をseesaaのスペースにアップロードした。そもそも著作物ではないので著作権はない。各自、ご自由にダウンロードしてご利用いただければと思う。

内容はファイル名を見ればわかるだろうが、英語の不規則動詞の活用一覧である。

■単なる一覧表:
English-irregular-verbs-list.pdf

■そのまま穴埋めテストに使える空欄仕様:
English-irregular-verbs-test.pdf

2つのファイルは、空欄になっているかどうかだけで、中身は同じ。それぞれソートが4パターンある。
・1〜5ページ: 中学既習語・それ以外の語に分けたアルファベット順で最も初学者向け
・6〜10ページ: 活用型別のソート(cut-cut-cutのようなA-A-A型、make-made-madeのようなA-B-B型、give-gave-givenのようなA-B-C型……)
・11〜15ページ: 全部ごちゃまぜのアルファベット順
・16〜20ページ: 型別にソートして、その中をアルファベット順にソートしたもの


さて、なぜ唐突にこのようなものをアップロードしたのかというと、leave-left-leftという基本中の基本を理解も了解もしていない人たちがleaveの過去形・過去分詞形のleftを「左翼」と訳して盛り上がり、その間違いを指摘する人たちが盛り上がり、それを受けてもなお自説に固執する人たちがいて、最終的には「ハッシュタグ大喜利」という形でおおいに盛り上がる、ということがあったことを、盛り上がってから何時間も経過してから知ったことがきっかけである。(私は基本的にTwitterでは日本語圏は見てないので、このようなタイムラグが発生した。)

そのハッシュタグは、確かに失笑ものというか爆笑もので、私もリアルタイムで騒動を見ていたら「ハッシュタグ大喜利」のビッグウェーブに乗ってたかもしれない。いや、たぶん乗ってただろう。どういうものかというと、下記の曲のタイトルを「子供たちはみんな右翼」とやるようなものだから(alrightはall rightの略式表記)。ネタならいくらでも思いつくよ。



(もちろん、The kids are all rightは、直訳すれば「子供たちは大丈夫」だ。)

しかしいかに教養のカケラもない、愚かで無理やりな珍解釈であろうとも、誰かの間違いをTwitterのようなオープンすぎる場で「大喜利」にしてしまうことは、「よってたかって公然とあげつらい、小ばかにし、嘲笑すること」にもなる。少なくとも、ネタにされた当事者はそう感じるだろうし、そう感じることは特に理不尽なことではない。そのような「嘲笑」が、ネタにされた側にもたらすのは、恨み (grudge) だとかルサンチマンだとかいったものだ。それがもたらす分断は、あとから埋めるのは難しい。

そういった分断を、私はPCのモニターの中にだが、Brexitをめぐる英国の人々の中に見てきた。

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2019年08月22日

絶対に失敗できないイベントがここにはある。そしてお台場の下水と人糞は「部屋の中の象」となる。

日付が21日になったころ、はてなブックマーク(はてブ)を見てみたらこんな記事があった。

うんこミュージアムが開業
東京・台場に、8月から
2019/8/20 15:38 (JST)
https://this.kiji.is/536432057426887777
「うんこはカワイイ」という新たな価値観を発信する「うんこミュージアム TOKYO」が東京・台場の「ダイバーシティ東京 プラザ」にオープンした。国籍や年齢に関係なく楽しめる体験型施設。観光スポットとして注目を集めそうだ。

 横浜市でも同様の施設が9月までの期間限定で営業中で、3月の開業から4カ月半で女子高生など若い女性を中心に約20万人が訪れた。東京では外国人観光客もターゲットに含め、半年で35万人の入場を目指すという。


はてブでは、最初のブコメでいきなり「以下『虚構新聞かと思った』禁止」と宣言されていたが、こんなネタをはてブだけに置いておくのは忍びないと思った私は、下記のようにtweetした。


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2019年07月20日

卑劣で理不尽極まりなく、無差別的な、不意打ちの大量殺人であっても、それは必ずしも「テロ」ではない。

18日に起きた京都のアニメーション・スタジオへの放火事件、あまりにも凄惨で、失われたものがあまりにも大きく、本当に言葉もない。このような暴力で大切なご家族・ご友人・同僚を奪われた方々の心中はいかばかりか。34人もの尊い人命、その人々の人生と未来、その人々の持っていた技能やセンスばかりでなく、スタジオに蓄積されてきたこれまでの仕事の成果物も失われたと一夜明けた19日の会見でスタジオの社長が述べておられる(いかなる思いか)。

人々が普通に仕事してる仕事場が、持参したガソリン(それも大量のガソリン)を撒いていきなり火をつけてしまえるような人物に急襲され、完全に破壊された。その事実を前に、この件に関するどのような情報を目にしても、「…………」としか反応できない。(まだ逮捕されておらず「被疑者」になっていないにも関わらず放火したと考えられる人物の名前が警察から明らかにされ、マスコミ各社の「独自取材」っていうんでしたっけ、とにかくそういうので「近所の人の話」なども出てきているが。)

私はアニメは別に見ないし、このスタジオの作品も見たことがなく(ネットでよく言及されているから名前と絵柄だけ知ってるものはいくつかあるにせよ)、したがって個人的なショックというものはほとんどない。個人的につながりを感じないので、「一般のニュース」として「ひどい」と思っているが、自分の中で何かが壊れたというような感覚はない(そういう点では、2005年7月7日のロンドンでの公共交通機関爆破テロのほうがよほど個人的なショックが大きかった。ロンドンの地下鉄はなじみ深いものだし、爆破された30番のバスは使ってたことがあるのだ)。それでも、というかそれだからこそ、ある日、仕事場が突然ガソリン撒かれて火をつけられるなんて、それだけで、というかそれ自体、ひどすぎると思う。その仕事場が、世界的にも有名な映像スタジオであろうとも、他の何かであろうとも。

オフィスや店舗などにガソリンなどを撒いて火をつけるという事件は、ここ日本で何度か起きてきたということは、私はもちろん知っている。まだ消防隊が現場にいたころのNHKの報道記事では2000年の神戸のテレクラ放火(火炎瓶なので中身は灯油かもしれないしガソリンかもしれないし、ほかの燃料かもしれないが)や、2004年の埼玉県でのドンキ連続放火(これはガソリンよりは扱いやすい灯油が使われていた)、2008年の大阪での個室ビデオ放火(これは突然、手持ちの荷物の紙類を燃やし始めたということで、ガソリンなど燃料の準備はなかったようだが)と、出火原因がいまだに不明で、放火であるとの事実も確定していない事件だが2001年の東京・新宿歌舞伎町の雑居ビル火災への言及がある。

ひどい被害を出した放火事件といえば、ほかにも、2000年、栃木県宇都宮市の宝石店が放火された事件や、2001年、青森県弘前市の消費者金融オフィスが放火された事件や、2003年、名古屋の軽急便オフィスでの立てこもり・放火事件あたりがすぐに思いつく。これらの事件のときに、テレビのニュースなどではガソリン火災のすさまじさが報道されていたし、特に2003年の事件は社会に与えた衝撃が大きく、ガソリン販売のルールが少し(だけ)厳しくなった(ウィキペディアより引用すると、「この事件以降、ガソリンスタンドのポリ容器等でのガソリン販売の禁止が徹底され、法規制が強化された」)。

これらの事件は、きわめて陰惨な事件ではあったが、金品の強盗目的だったり(宇都宮、弘前)、会社のあこぎなやり方に怒りを抱えた配達ドライバーだったり(名古屋)と、なぜそこをガソリンのような強力なものを使って襲うのかということについて、納得できるかできないかは別の話として、かなりはっきりした理由があった。一応理屈は通っていたが、その上で「ひどいことをしやがる」という事件だった。

しかし、京都のアニメーション・スタジオの事件では、そこがどうにもわからない。「ひどいことを……またどうしてこんなひどいことを」と問うてみたところで、その「どうして」が、ネットで流通している憶測・噂で言われている内容は「は?」としか言いようのないもので、たとえその憶測が当たっていたとしても、そんなことでガソリンを撒いて火をつけるという行為に出るなんて信じられない。確定情報が出るのを待とうにも、当人も重いやけどで入院していて警察の取り調べは行われていないので「確定情報」が出ない。

あまりにもひどい事件だし、いわゆる「ネット民」にはとてもなじみ深い企業が標的にされたことでネットでの関心も極めて高く、そういう「人々の関心の高さ」をカネに変える仕組みがすっかり出来上がっているネットでは、関心を持った人がクリック/タップしたり、人に伝えたり(シェアしたり)したくなるような文(「記事」と呼びたくないし「文章」でさえないようなもの)を毎日脈絡なくアップロードしているたくさんのブログが、放火犯と思われる人物(法的にまだ「被疑者」ではないので、ここでは「容疑者」とは呼ばないが、要はその立場にある人物)の名前が19日に警察によって明らかにされるずっと前から、ネット上のどこかで誰かがどういう根拠で述べて(書いて)いるのかわからないようなことを(おそらく単にクリック目当てで)「まとめ」るなどしていて、すごいカオスになっていたそうだが、私は個人的にはそういうのは見ていない。ただ、Yahoo! Japanのトップページに出るようなヘッドラインは見ていたし、はてブのトップページも見ていて、放火犯と思われる人物は関東在住で、攻撃されたスタジオとの間には接点らしい接点がないようだ、ということはわかった(もしも接点があったのなら何よりまず「放火したのは元従業員」などといったような情報が出回っただろうが、逆に「元従業員ではない」という情報が出回っていた)。

関東地方在住の人物が、個人的に関係などない京都の会社に、ガソリン持ってカチコミに行くという時点で、全然わからない。

とはいえ、自身も大やけどを負って、現場の近隣住民の方に助けられ、その後警察に取り押さえられたというこの人物が、個人的に何か一方的な恨みを抱いていた(逆恨みしていた)ようなことを口走っていたということは、わりと早い段階でその住民の方が語っていた。ということは、いわゆる「通り魔」のようなことではなく、このスタジオを襲うと決めたうえで実行された放火であることは確かなのだろう。

しかし、噂されるその犯行理由(噂の段階のものを「理由」と呼ぶことは適切でないような気がしてならないのだが、ほかに言葉が見当たらない)は、「建物にガソリンを撒いて火をつける」という行動につながり得るとは思われず、これまでにあった「ガソリンを撒いて火をつける」という事件よりも、ずっとずっと、理不尽に感じられる。

この理不尽さは、死傷者が約70人(うち死者が34人)という被害の大きさ、それも全員が「非武装の民間人」どころか「いつものように職場で仕事をしていた映像制作者たち」というまったく無防備な人々であったこと、その人々が所属するスタジオが到底攻撃されるいわれなどなさそうな作品を作ってきたスタジオであったこと、そして攻撃が突然行われたことと重なって、今回の事件は「卑劣で理不尽極まりなく、無差別的な、不意打ちの大量殺人」として、私を含めて大勢の人々をショックで打ちのめす。

なぜこんなことが。

こんなことがあってよいはずがない。

そのショックは瞬時に「怒り」に結晶する。そしてオンラインで事件について何かを述べる(語る)人々は感情を高ぶらせていくし、高ぶらせた感情を「ネット上の誰か」たちと共有する。何かを述べることよりも、感情を共有することのほうが、この場合、目的になっているのだろう。

そして多くの人々が、この卑劣で理不尽極まりなく、無差別的な、不意打ちの大量殺人について言う。「これはテロだ」と。最大限に非難するつもりで。

しかし、現状分かっていることから判断して、これは「テロ」ではない。なぜならば、ある攻撃が「卑劣」であるかどうか、「理不尽」であるかどうか、「無差別的」であるかどうか、「不意打ち」であるかどうか、「大量殺人」であるかどうかは、「テロ」を決定づけないからだ。

「テロ」を決めるのは動機だ。攻撃手法ではない。「無差別的に一気に大勢殺すこと」でもない。動機があっての「テロ」だ。

確かに「テロ」の定義には統一されたものはなく、定義はいろいろありうるが、最大公約数的なものはある。その最大公約数的なものの一例として、英国の情報機関MI5のサイトに挙げられている「テロリズム」の定義を見てみよう。(なお、英国は2000年代以降に活発化したイスラム過激派のテロ、ここ数年警戒が強められている極右過激派のテロ以前に、1970年ごろからずっと北アイルランド関連のテロを自国内に抱えており、2001年9月11日を境にいきなりテロテロと騒ぎ出した米国とは国民の意識も異なる。)
https://www.mi5.gov.uk/terrorism


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2019年06月16日

「バスで血まみれになってる私の姿をご覧になったかと思いますが、そんなあなたも、ホモフォビアというものすべてについてちゃんと怒ってくれているのでしょうか」

今月7日、女性2人が血だらけでロンドンのバスの中に座っているというショッキングな写真がTwitterにどっと流れてきた。日本語圏でも話題になっていたから、見た人も多いだろう。

07june2019.jpg私が見た画面では多くが報道記事のフィードで、写真はTwitter Cardで表示されるようになっていたのだが、中にはローカルに保存した写真を単独でツイートして、自分の言葉を添えたものもあったかもしれない。

ショッキングだったのは写真だけではなかった。彼女たちはカップル(同性カップル)で、5月30日にロンドンのカムデンのバスの中で「今ここでキスしてみろよ」などと男たちに絡まれ、それを拒んだら、こういうふうになるまで殴られたという。あのカムデンでこんなことが起きるなんて!

あまりに痛々しい写真で、写真を「さらす」ようなことも殴られた彼女たちが気の毒な気がしたが、記事のメモということでGuardianのフィードとMetroの記事のツイートを何件かRetweetした。

その後、警察が動いて加害者が特定され(ロンドンのバスの中は、IRAが暴れていたころからの「テロ対策」でカメラが設置されている)、翌日には5人が逮捕されていた。5人ともティーンエイジャーだ。

2人の女性のうち髪の色が濃いのはメラニアさんという方で、姓も職業も報道されていたが、もう1人の金髪の女性は「クリス」というファーストネームしか報道されていなかった。

さて、6月16日のガーディアンのトップページに「バスで血まみれになってる私の姿をご覧になったかと思いますが、そんなあなたも、ホモフォビアというものすべてについてちゃんと怒ってくれているのでしょうか」(超訳)という見出しが出ていた。筆者名はひとこと「クリス」。スーダンやらイランやらで10日近く前のロンドンでの出来事のことは正直忘れかけていたが、ああ、あのカムデンで殴られた人かと思い、記事を読んでみたら、これはすごい。低気圧だの暑さだのでダルさMAXなのだが、思わず超訳に着手するレベルだった。

You saw me covered in blood on a bus. But do you get outraged about all homophobia?
Chris
https://www.theguardian.com/commentisfree/2019/jun/14/homophobic-attack-bus-outrage-media-white

【以下、超訳(原文の文意をゆがめてはいないつもりですが、読解を間違えていたらすみません)】
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2019年05月28日

「英国ではサッカーは労働者階級のスポーツ」という類型に対する強烈なカウンターをどうぞ

英国をめぐる類型(ステレオタイプ)の中に、「サッカーは労働者階級のスポーツだ」というのがある。(それと同時に、フットボーラーがファンに丁寧に応対したりしていると「さすが紳士の国」云々のナレーションがつけられたりするのでわけがわからないのだが。)

「サッカーは労働者階級のスポーツだ」というのは、それ自体は真である。1990年ごろまではそう言われていたものだし、ほかのスポーツ(特にラグビー)と比較するとサッカーは際立って「労働者階級」的な存在だ。

しかし、少なくとも21世紀の現代においては、「サッカーは労働者階級のスポーツだ」をひっくり返して「労働者階級以外はサッカー以外のスポーツに入れあげる」とか、「サッカーは労働者階級だけのスポーツ」と言ってしまうのは、真ではない。

それでもしかし、「サッカーは労働者階級のスポーツだ」というわかりやすい言説は、ときに「サッカーは労働者階級だけのスポーツだ」と尾ひれはひれをつけながら、今も流通している。「それ、必ずしも正しくないですよ」ということを指摘したい場合は、普通に「今はそうとも限らないですけどね」と言うこともあるが、黙ってほほ笑んで聞き流しておくこともあるだろう。

いずれにしても、「労働者階級だけ」でないことをはっきり示すエビデンスがあれば、「サッカーは労働者階級だけのスポーツだ」という極論を知ったかぶりで吹聴するような人々の発言は無視すべきものだということを、説得力をもった形で示すことができるわけで、その機会を待ち望んでいた人も少なくなかろう。

そしてついにその機会が、まさに願ってもないような形で、我々の前に訪れたのである。

ケンブリッジ公、つまりウィリアム王子といえば、英王室メンバーの中でも最も真顔力が足りていない人である。昨年のヘンリー王子の結婚式の際、あまりに激しいアメリカの黒人教会式の流儀に、エリザベス女王をはじめ王室の方々が居並んだ席のなかでただ一人、顔を真っ赤にして下を向いて肩を震わせているのが中継されていた(ちなみにお父さんのチャールズ皇太子は、口元が多少ひくひくしながらも鼻で大きな息をするなどして持ちこたえていたし、お祖母さんのエリザベス女王に至っては完璧な真顔力の持ち主としての実力をこれでもかこれでもかと見せつけていた)。

そのウィリアム王子がサッカーの「アストン・ヴィラFC」(バーミンガム拠点)のサポーターであることは、英国では広く知られているそうだが、現在チャンピオンシップ(二部リーグ)に落ちているアストン・ヴィラが、来季におけるプレミアリーグ昇格をかけた試合が27日、ロンドンのウェンブリー・スタジアムで行われ、ウィリアム王子もVIP席で熱戦を見守った。試合は終盤、アストン・ヴィラが1点リードしたまま、アディショナル・タイムに入り、VIP席ではウィリアム王子が(フットボール・ファンにはなじみ深い)例の表情で(つまり感情をむき出しにして)、試合を見守っていた。

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posted by nofrills at 23:53 | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月11日

虚構新聞さんの "バンクシー?の「『バンクシー?のネズミの絵』見物客の絵」に見物客殺到" の内容を、英語でわかる(かもしれない)ようにしてみた。

それは、おもしろい冗談記事を読んだあとで書いた、何気ない一言だった。

バンクシー?の「『バンクシー?のネズミの絵』見物客の絵」に見物客殺到 東京

これは英訳したらバンクシーを笑わせることができるのではないか。

2019/05/10 11:46


そして、この投稿から数時間後……

bhatenanejpentrykyoko-npnet2019051001.jpg

……

bhatenanejpentrykyoko-npnet2019051001b.jpg

これがまだこのあとも増えているのだ……。

magao.png

……やるっきゃない(土井たか子調で)。俺、この仕事終わったら終わる前でも、Banksyから笑いを取るんだ。


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2019年04月30日

ロンドン、SOHOパブ爆破テロから20年 #AdmiralDuncan

あれからもう20年にもなる……1999年4月30日、ロンドン中心部の繁華街SOHOのオールド・コンプトン・ストリートにある「アドミラル・ダンカン」というパブに対する爆破テロがあり、何十人もが負傷し、3人の尊い命が奪われた。うち1人は妊娠中の女性だった。

このパブは「ゲイ・パブ」として知られていたが、パブの客はさまざまで、要は「LGBTコミュニティに理解がある不特定多数の人々」がネイルボムの標的にされるというテロ事件だった。

爆弾犯はその前の2週間にわたって攻撃をしかけていたネオナチ活動家だった。この男は、まずは17日の土曜日に黒人街であるブリクストンのエレクトリック・アヴェニュー(19世紀に最初に街頭が電化された通りだが、現代では庶民の商店街に鍋釜たわしの類や衣類を扱う露店が立ち並ぶ通りとして人々を集めている)を標的とし、翌週、24日の土曜日にはバングラデシュからの移民が多く住むイーストエンドのブリック・レイン(ここも露店市で有名)を標的として爆弾テロを行なっていた。ブリクストンでは48人、ブリック・レインでは13人が負傷した。

いずれも、「IRAではない」ことは最初から明白で(1999年はまだ英国、いやイングランドは「爆弾テロといえばIRA」の時代だった)、ブリクストンのボムの後、18日(月)には戦闘的極右(ネオナチ)集団C18から犯行声明の電話があったにもかかわらず、警察はぼーっとしていたらしい。「極右テロ」が警察でさえ深刻に受け取られていなかった時代だ。

当時のBBC記事 (via wikipedia):

Combat 18 'claims nail bomb attack'
Monday, April 19, 1999 Published at 18:47 GMT 19:47 UK
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/323295.stm
A man claiming to be from the extreme right-wing group Combat 18 has told police that the organisation was behind Saturday's Brixton nail bomb attack.

The 999 telephone call was made at 0606 BST from a telephone box on Well Hall Road, south-east London - near where Stephen Lawrence was murdered in April 1993.

But Scotland Yard detectives said they were keeping an open mind about the motive behind Saturday afternoon's attack which injured dozens of people and have not ruled out the phone call being a hoax.

The head of the Metropolitan Police's anti-terrorist branch, Deputy Assistant Commissioner Alan Fry, said: "This call should be taken with extreme caution.

"This line of inquiry is being taken very seriously but there is absolutely no evidence and there is no intelligence at this time to support this claim, and I can only reiterate to the public that no motive has been ruled out at this time of the investigation....


こうして警察が「犯行声明はあったが証拠がない」と言ってる間に次の爆弾が準備され、ブリック・レインで13人を負傷させ、さらにその次の爆弾はSOHOで79人を負傷させ3人を殺した。

そうなってからようやく逮捕された容疑者はナチズムを信奉する男で、当時22歳。数年前に極右政党BNPに入って「ターナー日記」に触発され、BNPではヌルいということで離党して、より小規模で過激な「ナショナル・ソーシャリスト・ムーヴメント」(この集団はC18の分派である)に加わっていた。

裁判の結果、男は有罪となり、少なくとも2049年までは仮釈放なしということで収監されている。

以上、概要などはウィキペディアにまとまっている。
https://en.wikipedia.org/wiki/1999_London_nail_bombings

事件当時、私は既に自宅でインターネットを使っていたが、情報環境は今とは比べ物にならないほど貧弱で(SNSどころか、YouTube以前、それどころかGoogle以前の時代である)、1日に1度配信されてくるガーディアンのニューズレターやいくつかのメーリング・リストのほかは、自分でBBC Newsやガーディアンのサイトを見ていたのだったと思う。入ってくる情報はとても少なかったが(何しろ映像なんか流れてこない時代。BBCのニュースも部分的にRealPlayerで提供されていれば御の字だった)、極右の爆弾テロであることはすぐにわかった。

その後、有罪となった男はその界隈で崇拝される存在となり、いくつかの(彼らにとってこれほど「成功」しなかった)極右の爆弾事件に関連してその名が言及されている。「学校での銃乱射」におけるコロンバイン高校銃撃事件の2人(これも今年4月で20周年だった)ほどではないにせよ、同種の「崇拝」の事例だ。

さて、この連続爆弾テロから20年となる今年4月、英国では「事件を振り返る」動きがよく見られた。例年4月17日も24日も30日も、関係団体でなければ特に何も行われていないのだが、今年は大手でも特集が組まれていたようだ。BBC Newsnightがまず、4月16日に一連の事件をまとめた映像を出した――犯人の名前に言及せずに。

映像では、当時の警察の記者会見の様子などがわかる。記者に対して警官が示している「物証」の釘(爆発物の中に仕込まれていたもの)を見るだけでぞっとする。こんなものを大量に詰め込んだ爆発物が、間口が狭く人が密集したパブという空間で爆発したのだ。そして同様のネイル・ボム事件は(どの程度報道されているかということはさておき)その後も起き続けている。例えば2010年にはウエスト・ヨークシャーで火器やらネイルボムやらが大量に押収され、BNPのメンバーだったことのある男が逮捕・起訴の末、有罪となっている(がこのときは「テロリズム」として扱われもしなかったはずだ)。それから、2013年にはウエスト・ミッドランズでモスクに対してネイルボムが仕掛けられたが、たまたまラマダン中で礼拝の時刻がずれていたため、死傷者を出さずに終わった。このボムの犯人は礼拝帰りのイスラム教徒の老人を刺し殺して有罪となったウクライナ人の男で、この男はほかにも複数件のボム攻撃を行なっている。

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posted by nofrills at 22:16 | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

当ブログがはてなブックマークでどうブクマされているかを追跡しなくなった理由(正確には、追跡できなくなった)

1つ前のエントリ、『2019年4月時点: Amazon Prime Videoで見られる映画にはどんなものがあるか(北アイルランド関連、シリア内戦関連など)』は、おかげさまではてなブックマーク(以下「はてブ」)で25件を超えてブクマしていただいている。Brexitに関連してアイリッシュ・ボーダー(日本のマスコミ様の表現では「国境」)への言及が増え、またグッドフライデー前夜にジャーナリスト殺害というひどいことが起きるなどしていて北アイルランドという場所について初めて関心を持ったという方も大勢おられると思うが、文字数も少なく内容も薄っぺらい報道記事から何かを語っちゃう前に、No Stone Unturnedのような作品を見て、実際にどのようなことが起きていたのかを把握するための一助となれればと思う。(もちろん、和平合意から20年以上経過しているときに「紛争」だけで北アイルランドを見てしまうのもよくないわけで、関心を持った方には、The FallやDerry Girlsなど、オンライン配信で見られる北アイルランド製の娯楽映像作品にも接していただきたい……Derry Girlsは「紛争」が背景として絡んでるけどコメディ。)

はてブでのコメント一覧を非表示にしてある当ブログで、はてブの件数が10件を超えることはまれである。そして、主観的に「いっぱいはてブがついた」と感じられるときは、以前は、妙な言いがかりをつけられること(そして「炎上」させられること)を避けるためにも、blog authorには閲覧できるコメント一覧の画面をキャプチャし、必要に応じてマスクするなどして、当該エントリの末尾に付け加えていた。例えば2016年11月5日のこのエントリや、2017年6月のこのエントリのように。

最近、一定数のブクマがついたエントリについて、この「ブコメ一覧のキャプチャ」がアップされていないことについて、疑問をお持ちの方もおられるかもしれない。よほどめんどくさがっているのだなと思われているかもしれないし、「何か都合の悪いことを隠している」とさえ疑っておられる方さえいらっしゃるかもしれない。

だが、結論から言えば、これは私の意思でやめているのではない。

いつからか、はてブでは「ブコメ一覧のキャプチャ、というか「blog authorによるブコメ一覧の表示」ができなくなったのだ。

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2019年04月28日

2019年4月時点: Amazon Prime Videoで見られる映画にはどんなものがあるか(北アイルランド関連、シリア内戦関連など)



基本的に、洋書・電子書籍などAmazonでなければ手に入らないものでなければAmazonは使わないようにしているのだが、Amazon Primeは使っている。ここでしか見られないドキュメンタリー映画があるためだ。

以下、そのドキュメンタリーをはじめ、Amazon Prime Videoで見られる映像作品を、北アイルランド・英国関連、紛争関連のものを中心に列挙しておこう。連休で何かお探しの方に役立てていただければと思う。

目次:
■北アイルランド関連:
1. No Stone Unturned (ノー・ストーン・アンターンド)
https://amzn.to/2V24qvK

2. Shadow Dancer (シャドー・ダンサー)
https://amzn.to/2UN2Ed3

3. Five Minutes of Heaven (レクイエム)
https://amzn.to/2PBng6T

■ジョン・ル=カレ原作:
4. Tinker, Tailor, Soldier, Spy (裏切りのサーカス)
https://amzn.to/2Vy4Yce

5. Our Kind of Traitor (われらが背きし者)
https://amzn.to/2Vui7CV
※2019年5月1日まで!

6. A Most Wanted Man (誰よりも狙われた男)
https://amzn.to/2GPmY9L

7. The Night Manager (ナイト・マネジャー)
https://amzn.to/2GOdxHt
※連ドラだから長い。

■「テロとの戦い」関連:
8. Eye in the Sky (アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場)
https://amzn.to/2DD8ojF

9. Zero Dark Thirty (ゼロ・ダーク・サーティ)
https://amzn.to/2Lbby4j

10. Highway to Hell: The Battle for Mosul (地獄への道:モスルの戦い)
https://amzn.to/2GO1CJI

■シリア内戦:
11. City of Ghosts (ラッカは静かに虐殺されている)
https://amzn.to/2UJxlzN

12. Return to Homs (ホムスへの帰還)
https://amzn.to/2PyhqTK

■ほか……:
その他……


以下、詳細。

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2019年04月20日

北アイルランド紛争の死者が1人、増えた。(デリーの暴動でジャーナリスト死亡)

1994年のProvo停戦&ロイヤリスト諸組織停戦から四半世紀が経過する年の、1998年の和平合意から21年目のグッド・フライデー(聖金曜日)を迎える前の晩に、「北アイルランド紛争の死者」が1人増えた。民間人でジャーナリスト。女性。将来を期待される29歳で、数週間内にも書籍が出ることになっており(校了してたみたい)、この先の出版の契約もあった。専門分野は「紛争」のレガシーとトラウマ。

彼女の死は、最初はイングランドではほぼ無視されていたが(イングランドにとって北アイルランドは「よその土地」なのだ)、やがて大ニュースとなり、世界中から彼女を悼む声が集まってきている。葬儀費用などを集めるためジャーナリストたちによるクラウドファンディングも立ち上がった。(彼女自身、とても苦労しながらジャーナリストとして活動してきた人だ。)

記録はNAVERまとめを利用してとってある。まだ完成していないが、このあとまた手を入れるつもりだ。https://matome.naver.jp/odai/2155565677562110001

本ブログでは「記録」とは別に、若干の解説のようなことをしてみようと思う。

最近日本でも「かわいいうさちゃんのイベント」的に商業化しつつある様子が特に100円ショップの店頭で見て取れるイースターは、キリスト教の非常に重要な宗教行事だが、アイルランドでは、現在の(今のところ分断された形での)独立へとつながることになる1916年の蜂起(イースター蜂起)を記念するという歴史的・国家的なナラティヴの機会でもある。

「アイルランド共和国」として独立国家になっている26州では、1916年に蜂起者たちが立てこもったダブリンのGPOの建物の前で、軍事パレード(といってもアイルランドの軍は今は自衛力しか持たず、それも、恥ずかし気もなく「自衛」「国防」を「軍事」「戦争」の同義語としている諸国とは異なり、本当に自衛力)が行われたりする。

一方「英国の一部」として独立前の状態のまま残されている「北アイルランド」、すなわち「北部6州」では、現在もなお、「北アイルランド紛争」までの時代と同じように、「武力を以てのみ、英国からの独立を果たすべし」という主義主張(「フィジカル・フォース・リパブリカニズム」という)を抱いた武装集団が、旗をかかげ軍装にバラクラバにサングラスというスタイルで、紛争で斃れた「同志たち」が眠る墓地までパレードを行なうという、(小規模とはいえ)軍事的な示威行為の機会となっている。

そして彼らは「IRA」を名乗っている。だから、北アイルランドに関心なんか持っていないブリテン本土のメディアが、とっくの昔に停戦し、だいたい武装解除してほぼ機能停止しているProvisional IRA (PIRA) に関する記事に、今なお武力至上主義を奉じているIRAを名乗る勢力の写真を添えることすらある。軍装にきれいな旗の彼らのパレードの写真は、参加人数は少なくてもとても見栄えがするし、一目で「それ」とわかる。(なお、PIRAが今でもギャング団として勢力を持っていること、彼らは銃を持っていること、ときおり内紛で銃撃事件が起きていることは事実だが、もはやそれらは「紛争」時代の「政治的暴力」ではないし、そのように扱われてもいない。)

イースターに軍装で見栄えのするパレードを行なうこういった勢力は、北アイルランド全体でそれができるほどの数を持たない。メンバーや支持者は広い範囲にいるのかもしれないが、パレードを行なえるような地域は数少ない。

そして、北アイルランドから見れば、「川を挟んだ向こう側」なのに「英国の一部」に入っているという、分断の地理的な不自然さを背負っているような都市であるデリー市(DerryかLondonderryかという呼称論争を見れば、そのややこしさがわかるだろう)は、その武装至上主義の勢力がイースターのパレードを行なえるくらいの地域の支援がある。

これらの勢力は、1998年の和平合意(グッドフライデー合意: GFA)を支持していない。というか、2019年の今も武装活動を続けているのは、PIRAがその和平に応じたことに怒ってPIRAから離脱した勢力だ。

そう。彼らの旧称はReal IRA(組織自体は「IRA」としか名乗っていないにせよ……「自分たちこそ本家本元のIRAである」という主張があるので、「IRA」としか名乗らないのだ)。1998年4月の和平合意を支持しない、IRAの中の超過激派・超強硬派だ。1998年8月15日(土)にオマーという「紛争」とはあまり縁のなかった小さな町の商店街に自動車爆弾を仕掛け、9月の新学期前の買い物を楽しむ人々や、スペインから修学旅行に来ていた小学生の一団を殺傷した勢力だ。この勢力が、数年前にデリーを拠点としてきたより小さな勢力と合流して再編した。これも単に「IRA」を名乗っているのだが、IRA諸勢力を区別しなければならない立場(つまり一般の報道など)では、現在は「the New IRA」、または引用符つきで「the New 'IRA'」などと呼ばれている。

GFA後、和平を推進することとなったPIRAが「主流派リパブリカン (mainstream Republicans)」とされる一方で、このReal IRA/New IRAのような勢力は「非主流派(反主流派)リパブリカン (dissident Republicans)」と呼ばれている。

これら「ディシデンツ」には複数の武装勢力があるが、2019年4月の段階で活動しているのはNew IRAだけのようだ(もっともっと規模の小さな集団はあるかもしれないが、ある程度の規模がありテロ組織としての能力があるのはこの組織だけ)。Real IRAの分派よりもっと早い段階で(1980年代に)別の政治的理由によってPIRAから分派したContinuity IRAは、RIRA同様にGFAを支持してなかったが、現在は停戦している(武器庫は持ってるかもしれない)。

繰り返しになるが、彼らは和平合意を支持していないし、現在も武装活動を続けている。2019年1月のデリーのカーボム、2月のロンドンの郵便ボムは、New IRAが「われわれはここにいる」と示すために行ったと考えられる。規模の面では、10年ほど前には「数十人単位にすぎない」と言われていたはずだが、どうやら拡大しているようだ。それも、年少者を大勢加えている。10代の少年たちに「銃を持て、祖国を奪還せよ」のロマンティシズムを吹き込んでいるのだろう。2009年3月の警官銃撃事件(Continuity IRA)のあと、事件の起きたアーマー州の武装集団が身内のSNS(当時はMySpaceか、今はもうなくなってしまったSNSだったかも)で10歳〜12歳くらいの子供をがちがちに武装させている写真を回覧しているのが問題となったこともある。(数年前にイスイス団が子供を武装させて写真を撮っていたとき、「やってることがディシデンツと同じだ」と思ったのはここだけの話。)

New IRAというのは、そういう組織だ。

2019年4月18日の木曜の晩、イースターを目前に控えたこのタイミングで、デリー市のクレガン地区(ここはずっと前からディシデンツの拠点として知られている。有名なFree Derryのゲーブルが記念碑のように立っているボグサイド地区の隣で、おおまかにひとつ市街地側)で、警察の強制捜査が行われた。

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2019年04月18日

彼女たちの地獄

たまたまタイミングが重なっただけだが、今日目にするニュースは若い女性たちの「地獄」の話がずらりと並んでいて気が滅入る。画面の中に、9歳の女子が自殺し、18歳の女子が自殺し、19歳の女子が焼き殺されたという文字情報が連なっている。

以下は相互に関連性のない3つの事件についてのメモである(相互の関連性を勝手に読み取って陰謀論を唱えたり、私がこれらが関連していると主張したりしていると解釈したりはしないでください)。

■アマル・アルシュテイウィさん(9歳)
9歳の女子はカナダのカルガリー市で自殺した。背景には学校でのいじめがあったと考えられ、保護者は学校の教諭に相談したというが、市教育委員会は「いじめを示すものは何もない」と述べ、警察も「捜査が行えるほどの証拠がない」と言っている――日本でもよくある話だ。

これに「ひどい」と憤ると、きっと弁護士先生が信じたがいような上から目線で「現地の法律を見たのですか?」とか「もっと勉強しましょう」などと言ってくださることだろう。

だがこのケースを「学校でのいじめって、どこも同じだね〜」で済ませないものにしているのは、自殺した9歳のアマル・アルシュテイウィさんは、難民だったということだ。3年前、彼女の一家はシリアの戦乱を逃れ、難民としてカナダに定住している。そしてアマルさんはクラスメイトたちから身体的暴力を受け、言葉での暴力も受けていたことを両親に相談していた。

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posted by nofrills at 23:56 | i dont think im a pacifist/words at war | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Avast Antivirus (Ver. 19): Gmailの署名欄に勝手に付加される「ウイリスフリー。avast[dot]com」を消す方法

先週、アンチ・ウイルス・ソフトのAvast(アバスト)が起動しなくなってしまい、Avastのサポートサイトで説明されている手順に従って、いったん完全にアンインストールしたあと、再インストールを行なった(この手順に従わないと、完全なアンインストールができないようなので注意)。この一連の手順の中で「セーフモードで再起動」の必要があり、Windows 10だとなんかめんどくさそうな説明が書かれていたのだが(Windows 7までの「F8」が使えないとかで)、私がやったときは、ほっといたら普通にセーフモードで再起動されていた。勝手にアップデートされているWindows 10(ちなみにエディションはHome)で、2019年4月の時点では、セーフモードでの起動について仕様が変わっているのかもしれない(深く調べたわけじゃないので、そのあたりは各自でご確認のほど)。

さて、そうしてAvastを入れ直したあと、ブラウザからGmailでメールを送信したら、フッター部分に勝手に「ウイルスフリー。avast[dot]com」という文言が入ってしまっている。

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gmail-avast-googlesearch.jpgそういえばはるか昔、ウェブ検索してやり方を調べ、このメッセージを消す設定をした気がする。でも詳細を覚えているはずもない。そこでとりあえず「Gmail Avast」という適当な検索ワードでググってみると、みなさん、これに困っているようで、この問題の解決方法を説明したページが検索結果上位に並んでいた。

目にした中で最も日付の新しいApricoさんの「Gmailでavastが勝手にメールのフッタに入れる署名を消す方法!」という記事(2019年9月2日)を参照すると、確かに、「こうだった」と思い出せる内容だ。Avastで[設定]→[一般]と進み、表示された画面で[アバストのEメール署名を有効にする]のチェックを外すだけの簡単なお仕事。30秒もあれば終わる。

おれ、これの設定が終わったらコーヒー淹れるんだ……。

結論から言おう。私がコーヒーを淹れることができたのは、約1時間後だった。なぜか。それは、Apricoさんの記事で説明されていた方法、つまり私自身が以前やったと記憶している方法で必須の画面が、今のAvastでは出てこないからだった。つまり、「Avastで[設定]→[一般]と進み、表示された画面で[アバストのEメール署名を有効にする]のチェックを外すだけの簡単なお仕事」のはずが、「Avastで[設定]→[一般]と進……進めてないんじゃね」となってしまったのだ。



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posted by nofrills at 20:00 | software | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月14日

東京では、まだ桜が咲いている。

4月13日の今日も、東京のこのあたりの住宅街の中では、まだ桜(ソメイヨシノ)が咲いている。

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1本の木に、葉っぱだけになった枝(それも、葉っぱがもうかなり大きく育っている)と、「満開」状態の花だけの枝が同居しているものもある。下の方の枝は葉桜、上の方は花。背景には半月。

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Weather Newsに、「今年の東京の桜、ちょっと変?暖冬と季節外れの寒さで"マダラ咲き"に」という記事が出ている。いわく、上野公園の桜が満開だった期間は、過去5年(2014年から18年)平均は5.4日だったが、2019年は10日もあり、2014年以降で最長だったという。この理由について、日本花の会樹木医の和田博幸さんが「この冬は暖冬で休眠打破がしっかり行われないため目覚めが悪かった上に、開花後は季節外れの低温となってしまったため開花が一気には進まず、マダラ咲きを助長」したと考えられると説明している。

確かに今年は「マダラ咲き」だった。上述したように、1本の木の中で極端に状態が違っているのは満開になったあとだけではなく、咲くのもじわじわ、じわじわという感じで時間がかかっていた(下の方の枝が満開になったあとも、上の方はつぼみのままだった)。

とはいえ、すでにとっくに全部散ってしまっているような木もある。だがそれは一日中交通量が多い道路沿いだったり、商業地区だったりして、気温が安定して高そうな場所だ。

でも、3月の終わりに散歩に出たときには、かなり大規模な桜並木になっている場所で、日当たりなど特に条件に違いはなさそうなのに、「この木はもう満開に近くて、その隣の木はまだ2分咲きくらい」ということになっていた。


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posted by nofrills at 00:02 | 雑多に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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