kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=


2016年09月25日

テリー・ジョーンズが言葉を失いつつあるという。

モンティ・パイソンの一員、「裸のオルガン弾き」、「スパム」スケッチのウェイトレス、「哲学的フットボール」のカール・マルクス、「ザ・ビショップ」の町でブイブイ言わしてる司教、「スペインの異端審問」の大ボケ枢機卿…… Er, nobody, er, expects, er...



そのテリー・ジョーンズが「もうインタビューには応じることができない」状態であることが、BAFTAカムリ(ウェールズ)の特別貢献賞受賞という機会に明かされた。認知症の診断を受けているという。最初の告知はモンティ・パイソンのサイトで行われたようだが、その後、各報道機関がどっと報じている。そのうちのひとつ、ガーディアン掲載のPA記事。

Monty Python star Terry Jones reveals dementia diagnosis
Friday 23 September 2016 12.05 BST
https://www.theguardian.com/culture/2016/sep/23/terry-jones-monty-python-star-dementia-diagnosis-bafta-cymru

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2016年09月16日

「個人」として、「戦争にさよなら」するために……映画『クワイ河に虹をかけた男』

タイの首都バンコクの高架鉄道(ほんの数年前のデモのときに駅が閉鎖されたりしてTwitterで現地のデモ参加者が様子を報告していたことを思い出す)を、DAIKINというアルファベットが書かれた列車が走っている。大阪に本社のあるエアコンで有名なあの企業のラッピング広告だろう。

非都市部にある、私の目から見れば「掘っ立て小屋」と呼んでしまうような、おそらく電気も通っていない家。曾祖母が暮らしていた家のように広い土間の空間があり、居室空間は人が腰掛けたときの高さで作られた床の上。高齢となった男性が一人暮らすその居室空間の片隅に、NISSINという、非常に見慣れたロゴが印刷された段ボール箱が置かれているのをカメラはとらえている。薄暗い場所にぽかっと浮かぶ赤い企業ロゴ。日本企業のロゴ。

その家に暮らす男性は、元労務者だ。日本語での「労務者」は、日常の語彙ではあまり使わないが、「肉体労働者」の意味だ。しかしこの男性は――つまり「ロームシャ」として現地の言葉の語彙にも入っていることばで言う「労務者」は、第二次世界大戦中、日本軍の占領下で肉体労働に狩り出された人々のことだ。英語では "forced labourer" と表す。このような "forced" を「強制」と訳すと、所謂「厳しいご意見を頂戴」することになりかねない昨今だが、ともあれ、日本語ウィキペディアの「労務者」のページを見て、私は今、どうしたらいいのかわからないという気持ちにもやもやと包まれて、画面を見ている。これは「曖昧さ回避のページ」であり、「事典のエントリー」ではない。ここには「これは、かつては差別的なニュアンスで使われていたが、今は使われない用語である」と一般的な語義があり、「華人労務者」のエントリーへのリンクがあり、「労務者(映画)」へのリンクがある。しかし、肝心の、(「華人」以外の))「労務者」(第二次大戦中に「労務者」として狩り出された占領下の人々)について何かを調べようと思ったら、英語版ウィキペディアのRomushaのエントリーを見なければならない。



今、この文章を打ち込んでいるキーボードの横には、今日見てきた映画のパンフレットを開いている。映画を見ながらノートにとっていたメモの、めちゃくちゃな文字(暗い中で、手元を見ずにペンだけ走らせているので、自分で書いたとはいえ解読が大変である)に目をやる。カギカッコつきで、こういう言葉を書き付けている。

「こういうことを我々は平気でしてるわけ。後始末もしないで」


この言葉の主は、永瀬隆さん。英語話者。日本陸軍の通訳者として、「労務者」として連れてこられた東南アジアの人々と同じ場所にいたことがある日本人。

そして、日本軍の元で死ぬまで働かされ、集団で埋められた「労務者」を弔うということをしてきた日本人。

苛酷な環境を生き延び、戦後は「元労務者」となった人々と、個人と個人としてつながり続けた日本人。

語るべきこと、公にすべきことを持ち、そのために何十年間も活動してきたひとりの日本人。

今日見てきたのは、ドキュメンタリー映画、『クワイ河に虹をかけた男』である。監督は、KSB瀬戸内海放送の満田(みつだ)康弘さん。満田さんは、テレビのドキュメンタリーとして永瀬隆さんの活動を取材するようになってから20年以上にわたり撮りためてきた映像と、そして無数の言葉から、119分の映画を作った。





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2016年09月07日

「Twitter売却へ」的な方向付けの話が日本語圏で出回っているようだが、英語圏で見た気はしない。日本語の情報源は……またか(「お察し」的案件再び)

ここしばらく、絶賛マルチタスク中なのであまりあれこれ見ていないのだが、Twitterに関して「英語圏でそんな話、出てないと思うけど」という話題がまた日本語圏(というかはてなブックマーク)でバイラルしていた。下記キャプチャ画像(はてブのトップページ)下段左から2番目である。



「Twitter: 身売りを含む今後の経営方針を決める取締役会を開催へ」なるセンセーショナルな見出しで、記事の配信元は BusinessN... と表示されている。配信元URLは business.newsln.jp とある。

まずははてブのページを見てみたのだが、みなさん、「売却か」っていう話を真に受けて、それぞれ「感想」を述べるなどしているようだ(「英語では140字では短すぎるので流行っていないのだろう」など、それ、どこソースよ、っていう話もびゅんびゅん飛んでる状態なので、率直にいえば、忙しい人はわざわざ時間割いて読む必要はない)。
http://b.hatena.ne.jp/entry/business.newsln.jp/news/201609062217150000.html

ちなみに、はてブでは通例下記のように、それぞれの記事の冒頭部分が少しだけ抜粋されて表示されるのだが:



「Twitter: 身売りを含む今後の経営方針を決める取締役会を開催へ」なるセンセーショナルな見出しのbusiness.newsln.jpのこの記事は、その部分に何も表示されていない。



なので、「クリック数」に貢献したくもないような中身かもしれないが、はてブでとりあえず冒頭部分を見てみるといういつもの技が使えず、しょうがないな……とヘッドラインをクリックしようとしたときに、「あ」と思った。はてブのトップページでは省略されていた配信元のサイト名が、ここでは BusinessNewsline とフル表記されている。それに見覚えが……とウェブ検索してみると、拙ブログに過去記事があった。さらに、拙ブログより上位に「ネットロアをめぐる冒険」さんの記事もあった。

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2016年09月01日

それは、ハッシュタグになりすらしない〜ハーロウ、少年グループによる「東欧人狩り」事件

夕刻、Yahoo! Japanのトップページを見たら、「英の少年6人が移民殺害 逮捕」というヘッドラインが「ニュース」のところに来ていた。


※キャプチャは18:30ごろ取得。Kwout.comに直接Yahoo! JapanのURLを打ち込んで取得したため、実際にブラウザでアクセスしたのとは見た目が異なっている。

「ニュース」のところだけのキャプチャ。



Yahoo! Japanで配信されているのは、毎日新聞の下記記事である。

<英国>少年6人、移民殺害 東欧出身者へ攻撃増
毎日新聞 9月1日(木)11時43分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160901-00000034-mai-int
※毎日新聞のサイトで読むにはこちら。(→アーカイヴ

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2016年08月31日

今日でreported.lyが終わる。

https://reported.ly/

Twitterをはじめとするソーシャル・メディアに投稿された情報を「ソース」としたニュース・サイト、という取り組み、Reported.ly が、8月31日で終了する。Reported.ly は、「ジャーナリズムにおけるTwitterの活用」という点で誰よりも早く真剣な試みをおこなった(そして「ジャーナリズムとは何か」をめぐる熱い議論を引き起こした)アンディ・カーヴィン(当時はNPR所属のジャーナリスト)を中心に、ギリシャ、イタリアなど英語以外の言語が使われているところで起きていることをTwitterで英語で書き、また翻訳し、報告しているジャーナリスト数人のチームで運営されてきた。多くの信頼できるソースをフォローし、必要に応じてRTという形で情報を「まとめ」つつ「拡散」するというスタイルで、毎日のニュースを伝えていた。いわゆる「キュレーション・メディア」として、ここは最もhigh profileなオンライン媒体だったのではないかと思う。

その取り組みが終わる(可能性が極めて高い)ということがアンディ・カーヴィンによって告知されたのは、今月8日のことだ。なぜそういうことになったのかは、ご本人の告知でご確認いただきたい。ちなみに彼の説明文にあるFirst Look Media (FL) というのは、「ウィキリークス」や「アラブの春」などに刺激を受けた大富豪、ピエール・オミダイアが出資してネット上に立ち上げたメディア企業で、グレン・グリーンウォルドとジェレミー・スケイヒルらのThe InterceptもFL傘下である。そのFLが、立ち上げから何年もしないうちにアレなことになっている事情は、ウェブ検索すればわかるので(英語でね)、興味のある方は各自検索していただきたい(キーワードは「マット・タイッビ」)。

A note to our readers
Reported.ly to suspend operations August 31
https://medium.com/reportedly/a-note-to-our-readers-18786235f29#.sf57n9j0d

そして今日がその「最後の」日である。今日を迎えるまでは「ひょっとしたら存続の可能性もあるのでは」と思ってはいたし、「新しいオーナーが決まりました」という告知が出るのではないかとも思っていたが、そうはならなかった。
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2016年08月29日

いわゆる 'alt-right' がメインストリームの話題になっている。「トロール」とあわせて。

「インターネット・トロール」……北欧神話の「トロール」(「悪鬼」のようなもの)に語源があるという「ネット上の『荒らし』」が、米誌TIMEの8月29日号のメインの記事になっていた。今はもう号が変わってしまったかもしれないが、先週、私が調べもののために出向いた英語圏の雑誌をたくさん所蔵している図書館や、TIMEを置いている書店の店頭では、これが「最新号」だった。図書館ならバックナンバーに入ったあとも閲覧はできるし、ネット書店では普通に購入することもできる。メインの記事は、一部、ネットでも読めるようにはなっているが、記事も図版なども本誌でないと見られないものもあったので、図書館で読むだけ読んできた私も買おうと思っている。この号の目次はこちら(誌面・ネット購読でしか読めないリビア情勢についてのJared Malsinの記事など、この号は読むところは多い)。

B01KNC0XN8Time Asia [US] August 29 2016 (単号)
Time Inc. 2016-08-23

by G-Tools


ともあれ、で、実はこの号を買ってからブログに書こうと思っていたのだが、それではいつになるかわからないので、TIMEの「トロール」の記事を受けてBBC News Magazineの記事が出ていることと合わせて、ざっと書いておこうと思う。

参照先の記事は:
How Trolls Are Ruining the Internet
Joel Stein @thejoelstein
Aug. 18, 2016
http://time.com/4457110/internet-trolls/

Trump’s shock troops: Who are the ‘alt-right’?
By Mike Wendling, The Briefing Room, BBC Radio 4
26 August 2016
http://www.bbc.com/news/magazine-37021991

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2016年08月23日

ブラディ・サンデー事件の「刑事事件」としての手続きに一区切りがついたそうだ。

1972年1月30日の「ブラディ・サンデー事件」が、英当局が当時調査してまとめた公式見解の言うような「武装勢力が英軍相手に攻撃してきたので英軍が反撃した」という事態ではなく、「非武装の民間人に対し、英軍が発砲した」という事態だったことが正式・公式に認められたのは2010年6月のことだった(サヴィル報告書)。早いもので、もう6年以上が経過した。サヴィル報告書は、1998年に設立され、2004年まで6年の時間をかけて行なわれた調査の結果を、これもまた6年の歳月をかけてまとめたもので、報告書公表の日から今までの時間を1つの単位として過去を見ると、実に、改めて気の遠くなるような思いがする。

さて、そのサヴィル報告書の公表で、「英国政府が事件当時の『ウィジャリー報告書』で公式見解として流布した《虚偽の説明》を、人々がみな知っている《真実》と置き換えること」という当事者の目標は(事件から40年近い歳月のあとではあったが)達成されたことになり、デリーの人々の意識・関心は、「では、このあとは」ということに移った。あの日に殺された13人(と、後にあの日の負傷に関連して亡くなった1人の計14人)のご遺族の中でも、その点で考え方は割れた。サヴィル報告書が出たことで「英国政府に《真実》を認めさせる」という目標が達成されたので、もう終わりにしようという人々もいた。一方で、13人(と1人)が不法な形で殺されたと認められた以上は、加害者に法の裁きを受けさせなければならないという人々もいた。(英国には「時効」はないので、1972年の殺人者は2006年でもそれ以降でも訴追の対象となりうる。)そのことは、サヴィル報告書公表を以て、毎年1月30日に近い日曜日にボグサイドで行なわれてきた「あの日をたどり、犠牲者を追悼するデモ行進」が終わることになったときに、議論されていた(現在は、ブラディ・サンデー事件の追悼イベントは、その機会に国家の暴力などについて考えるため幅広いテーマに沿って行なわれるレクチャーなどは従前どおりに行なわれているが、デモは「行進をしたい人たちだけが行進する」形になっているようだ)。

「終わりにする」か、「追求を続ける」か……大きく分けてこの2つの立場のうち、どちらが「正しい」かといえば、後者である。それが "justice" というものである。それを追求することは、当事者にとっては時として、とてもつらいことになる。事態が進展する見込みなどほとんどありはしないときに、その「正義」を求め続けるということは、起きてしまったひどい出来事が常にすぐそこにあるという状態をともなう。起きてしまったひどい出来事を「過ぎ去ったこと、過去」にして、自身は先に進む (move on) ということが難しくなる。だから、「正しさ」とは別に、「もう私は終わりにしたい」という心情があることもまた、当たり前のことだ。しかし、その心情を前提にしてしまうことは、間違っている。サヴィル報告書公表時の英首相(英国政府の代表者)の、英国政府の非を認める言葉は、rule of lawの観点から「終着点」ではなく「出発点」になるべきものだ。

... the conclusions of this report are absolutely clear. There is no doubt. There is nothing equivocal. There are no ambiguities. What happened on Bloody Sunday was both unjustified and unjustifiable. It was wrong.

...

Mr Speaker, these are shocking conclusions to read and shocking words to have to say. But Mr Speaker, you do not defend the British Army by defending the indefensible.

https://www.gov.uk/government/news/pm-statement-on-saville-inquiry

※読みづらくなることを避けるため、改行を変更した箇所がある。


同じ声明で、当時の英首相デイヴィッド・キャメロンは、"For those people who were looking for the Report to use terms like murder and unlawful killing, I remind the House that these judgements are not matters for a Tribunal - or for us as politicians - to determine." とも言っている。ブラディ・サンデー事件の真相究明運動とよく似た過程をたどった「ヒルズバラの悲劇」の真相究明運動では(両事件の類似についてはデリー・ジャーナルも指摘している通りである)、ブラディ・サンデー事件とは異なり、(「パブリック・インクワイアリ」ではなく)「事件当時の司法手続きのやり直し」が進められ、「コロナー・インクェスト(死因審問)」という司法制度上の手続きで《虚偽》が《虚偽》として確定された(2016年4月)ため、その場で "unlawful killing" という言葉で「警察に過失があったこと」が認められた。しかしブラディ・サンデー事件については、その言葉が出てきていない。

その言葉を得るには、また、司法の場で手続きをとる必要があるのだ。

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2016年08月20日

ロンドン、地下鉄24時間運行開始(ただし部分的なおかつ段階的に)

8月19日(金)、ロンドン地下鉄の金曜・土曜の24時間運行が開始された。ロンドン地下鉄の愛称 "Tube" に「夜」をつけて、The Night Tubeと呼ばれるこの新たな取り組みについての詳細は、ロンドン交通 (Transport for London: TfL) のサイトに詳しく出ている。
https://tfl.gov.uk/campaign/tube-improvements/what-we-are-doing/night-tube

導入当夜の様子をAFPがまとめた映像。オックスフォード・サーカス駅が、駅名表示も「ナイト」仕様になっている。(ほかの駅でもこうなっているそうだが。)



「労働者」の発想とは思いがたいこのプランは、前の市長(保守党のボリス・ジョンソン)のもとで計画され、本来は2015年(昨年)開始の予定だった(が、結局ジョンソンは、ぶち上げるだけぶち上げておいて、最後までやり通さなかった。尻拭いをさせられるのは周囲と後継者である)。結局は開始予定は1年ずれ込み、導入も全部で11ある路線のうち2路線(東西を結ぶセントラル・ラインと南北を結ぶヴィクトリア・ライン)のみとなった。(Source: the Guardian)

サービス開始告知アナウンスを吹き込むサディク・カーン市長(労働党)。




「ナイト・チューブ(テューブ)」は、既発表分では、運行間隔は10〜15分と昼間並み。今はセントラルとヴィクトリアの2路線のみだが、この秋にはジュビリー・ライン、ノーザン・ライン、ピカディリー・ラインに拡大され、その後は「(設備の)現代化計画が完了し次第」環状線を走る複数の路線(サークル・ラインなど)も24時間化される予定。ロンドン地下鉄は路線の枝分かれ(支線)が複雑なので例外はあるようだが、ロンドン交通のゾーン1〜6全体が、金曜・土曜は「眠らない都市」になることになる。運賃も、「夜なので倍額」といったことはなく、通常のオフ・ピークの運賃 (standard off-peak fares) が適用される。トラヴェルカードももちろんそのまま使えるが、旅行者が使うことが多いと思われるワン・デイのカードは、買った日の翌日の朝4:29に出発する旅程までしか使えないことに注意。つまり、1日有効のデイ・トラヴェルカードで金曜日の昼間に観光して、夜にブリクストンのクラブに遊びに行った場合、翌朝4:29までにヴィクトリア・ラインの地下鉄に乗ればOK、それより遅くなるならまた買いなおさなければならないということになる。

TfLのサイトにも書いてあるが、ロンドンはもうずっと前から「24時間化」されていた。ゾーン1にあるクラブに行ってても、ゾーン6にある友人の家に遊びに行ってても、夜中の3時にゾーン3にある自宅に帰れるのが「眠らない都市、ロンドン」ではデフォだ。ナイト・バス (Night bus) があるからだ。なんと1913年にはもう開始されていたというこのサービスは、第二次世界大戦中こそ休止したものの、常にロンドンの活動の一部となっていた。1980年代に適用路線が拡大されて以降、ナイト・バスはどんどん導入が進められ、1990年代には、市内に細かく張り巡らされたバス路線網は、郊外部に行けば別だが、夜間でも昼間とほとんど変わりなく機能していた(夜間は本数は断然少ないとはいえ、昼間もどうせ、バスは「10分ごとに1台」のはずが「30分ごとに3台団子になってやって来る」ものだし)。普段地下鉄で移動している経路をバスで行くと時間はかかるが、少なくとも動きは取れる。列車で30分の距離を移動するために、始発まで2時間待つより、ナイト・バスで1時間かけて帰ってくればいい、というのは、もうとっくに当たり前になっている。

それに加えて、週末は地下鉄も「10〜15分に1本」の頻度で運行されるということになったわけだ。

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「党は関係ない」……って、そんなことがあるわけな……ななな、NAMAで北アイルランドの政界大激震の件、続報

┃_・) じーっ

よく訓練された北アイルランド・ウォッチャーのみなさん、こんばんは。昨日の「ジェイミーに "指示" を出していたのはシン・フェインのMLAだった」っていう衝撃ニュースの続き、一緒にウォッチしましょう。



お 約 束 の 全 否 定
キタワァ.*:.。.:*・゚(n‘∀‘)η゚・*:.。.:*☆


なお、BBC News NIのトップページで使っているマーティン・マクギネスの写真は資料写真で(でもなぜこの画質の悪い、ビデオからのキャプチャなのかはわからない)、記事本編に埋め込まれているビデオ(今日の突撃インタビュー)のとは違います。今日のビデオではダンガリーのシャツの上に暖かそうなニットを羽織っているので、北アイルランドはもう寒いのかな……と、BelTelで確認すると、最高気温が17度。実にうらやましい。



ともあれ、インタビューを聞けば「 きたわぁ 」感に満たされること必定です。

にしても、記事本文は、シュールだな……。

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2016年08月19日

ほぼ1年前、2015年9月のあの「ロイヤリスト活動家」による議会証言の件が、今、ものすごい結果を生じさせている。

よく訓練された北アイルランド・ウォッチャーのみなさん、こんばんは。

毎年、7月12日のオレンジ祭りが夏の水かけ祭りになるかどうかをウォッチして(最近は11日の夜のボンファイアが巨大化しすぎて、近隣家屋が水かけ祭りになってますが)本格的な夏の始まりを実感し、8月第一土曜日のベルファスト・プライドで「神様」系の人たちがアイリス・ロビンソンの発言内容を思わせるプラカードを持って並んでいる勢力圏が年々縮小している様子に微笑みながら真夏を実感し、日本で暦が「秋」になり、「終戦の日」として知られる日が迫るとデリーのアプレンティス・ボーイズのパレードはきっと今年も「何事もなく終了」ということになるのだろうと予期しつつ、念のためニュースのアンテナを高くしておき(今年はディシデンツの巨大すぎるボンファイアが出てましたね)、8月15日は1945年のことを思いつつも1998年のあの赤い車を思い、それが奪った29の生命のことを考えて8月が後半に入ると、そろそろ夏は終わり。これからはクリスマスにクライマックスを迎える「政治の季節」ですね。さあ、今年は国技「エクストリーム交渉」が行なわれるのでしょうか。

……とフザけたことを書いているのは、台風が関東をかすめて通っていったあとに北からびょ〜んと伸びてきた前線に向かって、台風が連れてきたすさまじい熱気 with 湿気がだらだらと流れ込み続けるという、不快指数250くらいの天候の中でとんでもないことが起きているから。

まさか、ほぼ1年前のあれが、よみがえってくるとは。しかも、こんな形で! さすがは「政治的ゾンビ」の名産地。

Northern Ireland: NAMA scandal: Sinn Féin's Daithí McKay resigns as MLA
http://chirpstory.com/li/325823

詳細は↑、読んでください。というか↑に埋め込んであるIrish News(元の報道……リーク文書)やSluggerなどの記事を読んでください。

いやぁ、ほんと、何とも……。誰がどの勢力と「対立」しているのか、北アイルランドは本当にわからないですね。それが「体質」みたいになってる。英国の植民地主義の暗黒の残滓がたまっているところはたいていそうだという話もあるけど、北アイルランドは本当に、何というか……。

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2016年08月17日

英国で何人も「感化」したイスラム過激派の活動家、アンジェム・チョーダリーに有罪判決

"About time!" と反応している人がいるとおり、「今更」感のあるニュースだ。アンジェム・チョーダリー(チョードリ、チャウダリなどカナ表記はいろいろある)がようやく、有罪判決を受けた。「2000年テロリズム法(テロ法)」に基づき、「イスイス団へのサポート」で有罪だ。

ガーディアンとBBCとでは、見出しのトーンが少し違うように見えるが、厳密性が高いのはBBCである。

Anjem Choudary convicted of supporting Islamic State
Jamie Grierson, Vikram Dodd and Jason Rodrigues
Tuesday 16 August 2016 15.32 BST
https://www.theguardian.com/uk-news/2016/aug/16/anjem-choudary-convicted-of-supporting-islamic-state

Radical cleric Anjem Choudary guilty of inviting IS support
16 August 2016
http://www.bbc.com/news/uk-37098751

判決(陪審団による評決)は7月28日に出ていたが、関連する別の裁判の進行に影響を与えないよう(陪審団が影響を受けないよう)、それが結審する8月16日までチョーダリーらの裁判は、判決を含む詳細の公表・報道が差し止められていたそうだ。量刑の言い渡しは9月6日。

The verdict on the two defendants was delivered on 28 July, but can only be reported now, following the conclusion of a separate trial at the Old Bailey of another group of men for a similar offence.

...

Choudary currently has more than 32,000 followers on Twitter and his account can still be viewed online, despite requests for its removal in August last year and the following March.

He and Rahman will be sentenced at the Old Bailey on 6 September.

http://www.bbc.com/news/uk-37098751

Choudary and Rahman face up to 10 years in jail for inviting support for a proscribed organisation. They will be sentenced on 6 September at the Old Bailey.

https://www.theguardian.com/uk-news/2016/aug/16/anjem-choudary-convicted-of-supporting-islamic-state


こうなると、「アルカイダへのサポートで有罪にならなかったのはなぜか」などとして「陰謀論」思考の言説がまた脚光を浴びるかもしれないが(英国内での影響力が極めて大きな人物であるゆえ)、そういうのはまた、見逃せないようなものを見かけたときに書くとして(「いつもの人たちが言ってる」程度のは、そもそも私には見えないのだが)、「報道解禁」の時点で出た記事をいくつか読んでおこう。報道機関では8月16日に報じるまでの間、取材・執筆などする時間がたっぷりあったわけで、なかなか、分厚い記事が並んでいる(といっても、BBC Newsのウェブ版って、昔はこういうクオリティが当たり前だったよね、っていう気が……)。

なお、当ブログでは既に、アンジェム・チョーダリーについて何度か書いているので、それらも参照されたい。

2015年01月22日 NHKのニュースに出てきたらしい英国のその人物は、「イスラム教を代表する人物」などでは全然ないのでご注意を。
http://nofrills.seesaa.net/article/412746762.html


2015年08月06日 ようやくアンジェム・チョーダリー起訴。容疑は「イスイス団支持」関連(後藤さん拘束時にNHKが「指導者」として紹介していたイングランドのイスラム過激派活動家)
http://nofrills.seesaa.net/article/423660363.html


今回、有罪判決となったのは、↑↑このとき(2015年8月)の裁判である。アンジェム・チョーダリとミザヌル・ラフマンの2人が一緒に、「2000年テロ法」のセクション12違反で起訴されていた。

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2016年08月14日

The Sunの煽動がものすごくて、Twitterがブーメラン・ストリートになっている。

ふと見たらScotland YardがTrendsに入っていたので見てみたら、すごい光景だった。

Trends入りする程度にツイート数が増えているのは、スコットランド・ヤード(つまりロンドン警察。ざっくりと、日本でいう「警視庁」に相当)が新たに、「インターネット・トロール」取り締まり部門を設ける、という方針を出した、とかいう話があるためだ。

というか、この方針が本当なら、「トロール」として「取り締まり」の対象になる可能性が高い側の人々が、感情的にわめきたて、扇情的な発言を投下している。つまり、ブーメラン・ストリート化していて、きっとあなたは戻ってくるだろう。

と、最初からわかったかのように書いているが、Trendsから入った画面を見たときには、何が原因でTrendsに入っているのか、わからなかった。スティーヴン・ローレンス殺害事件についての9日付のガーディアンのフィードがあるが、こんな「数日前のニュース」でTrends入りしたわけではないし、その上にある「トップ・ニュース」のところは、明らかに「まともなニュース」のフィードではない。だって添えられている画像のサディク・カーン市長は、警察とは直接は関係ないのだから。それに、「思想警察」なんて強烈な言葉を、わざわざ引用符でくくって「いわば思想警察」的にヘッドラインに持ってくるなんて、「まともなニュース」ではない。

sydtw.png


この「トップニュース」の投稿者情報を表示させるとこうなる:

sydtw2.png


プロフィール欄は空白、被フォロー数もフォロワー数も40にも満たず、ツイート数は膨大。古くからのユーザーなのだろう。で、そういう人がツイートしているよっていうことで「トップニュース」に表示されてしまう理由はわからない(右隣に大手メディアであるEvening Standardがあるのに)。Twitterの謎のアルゴリズムである。

ともあれ、この人のタイムラインを見て、どういうことなのかを確認してみた。「思想警察」云々のヘッドラインは、どうせデイリー・エクスプレスだろうと思ったが、もっとひどかった。

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2016年08月13日

いわゆる "slow news day" なのかもしれない。それにしても……(ああ、「国際関係」は生臭い)

※以下は「BBC Newsへの批判」ではない。「流れが変わった」ことについての記録を意図したものである。

先ほど、BBC Newsのトップページをチェックしたら、トップニュースが「シリアの戦闘地域で結合双生児が生まれた」というものだった。

少しあとになってしまったので、二番手、三番手のニュースが変わってきているが、下記のキャプチャのようになっていた。



このヘッドラインと写真を見たとき、私はBBCお得意の「BBC独占」で救急車に密着取材したのかな、と思った。しかし、常識的に考えてそれはありえないので(アサド政権がそういう取材を許すとは思えない)、病院を取材した記事なのだろうと思い、それはぜひ読みたい記事だと期待感を高まらせてクリックした。

だが、その先にあった記事は、「こんなのがなぜトップニュースなのか」と驚くべき内容、驚くべきクオリティだった。

いわゆる "slow news day" なのかもしれない。ほかにトップニュースになるようなトピックがないのかもしれない。が、それにしたってこれがトップというのは理解できない、という中身だ。

だって、自分たちで取材していないのだから。「独自入手」した映像などもないのだから。ネットに書かれていることをまとめただけの記事なのだから。そこらへんのネット媒体のようなこと、あるいは個人でもある程度の能力があればできるようなことを、あのBBC Newsがやっているのだから。

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2016年08月12日

【訃報】エドワード・デイリー神父(後に司教)〜ブラディ・サンデー事件で白いハンカチを掲げ、負傷者を搬送した神父

edwarddalyrip.png「エドワード・デイリー司教が非常に重篤な容態である」というBBCの報道が流れてきていたのに気づいたのは、日本時間で8月8日の午後4時台、7日夜(現地時間)に北ベルファストでUDAの「著名なメンバー」が射殺されたというニュースをTwitter上で追っているときのことだった。ベルファストのBBC Newsは「重篤な容態である」と言い、一方デリーのBBC Radioは、それに加えて病院名も書き、「親族が病室に集まっている」と伝えていた(ちなみに病院は、デリーの周辺地域の基幹病院で、ベッド数は500床だそうだ)。

政治家など、名の知られている人について、このような「ニュース」が流れることはときどきある。高齢であったり、「かねてより病気療養中」であることが知られていたりする場合だ。明示されることはないが、そのような報道がなされる目的は、「死にゆく者への祈り」の呼びかけである。時には「容態が安定し、家族が感謝の意」といった続報があることもあるが、多くの場合は、24時間もしないうちに訃報が流れる。なので「重篤な容態」の報道が流れてきたときに、「ああ……」と言葉にならない気持ちになりながら、次の報道の内容を、言葉は大げさだが「覚悟」していた。

デイリー神父の訃報は、思いのほか早くやってきた。「重篤な容態」の報道に私が気づいてから1時間ほどあとのことだった。

それまでの間に、私はデイリー神父についてTwitterに少し書いていた。"ブラディ・サンデー事件、現場で取材に応じるエドワード・デイリー神父の映像。(当日は、公民権要求デモの取材のために多くのカメラと記者が現場にいた。その目の前で、英軍は13人を撃ち殺し、「攻撃されたので反撃した」との虚偽をばら撒いた)" として、下記のビデオをツイートした。

※デイリー神父の「証言」は、エンベッドした映像の最初の1分くらいです。その後は英軍側の証言(ウィルフォード大佐)、現場の様子の映像と、解説のナレーション。

それから、"負傷者を運ぶ人々を先導するときにデイリー神父が掲げていたハンカチについて、7年前に書いています" として、2009年1月の「記念日」の拙ブログのエントリをリンクした。

2009年01月31日 Free DerryがFree Gazaになり、あのハンカチがMuseum of Free Derryに
http://nofrills.seesaa.net/article/113444195.html


信仰を抱かぬ私ではあるが、かろうじて、デイリー神父を見送ることができたと思う。

先ほどから「デイリー神父」と書いているが、その後司教になられているので、肩書きとしては「デイリー司祭」と書くのが正確だ。しかし、デリーの教区の信徒でなければ、この方を認識する人は「あの神父さん」として認識していることがほとんどだろう。私もそうだ。なのでついつい「デイリー神父」と書いてしまう。それがご本人のお気持ちに反するような失礼な間違いにはならないことを願いつつ、本稿では「あの神父さん」を悼みたい。

edwarddaly-p137.jpg


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2016年08月08日

北ベルファスト、ロイヤリスト内紛か(UDAメンバーの射殺)

北ベルファストの住宅街の路上で、人が銃で撃ち殺されるという事件があった。TwitterでNIのリストをさかのぼると、90年代の英国のガール・グループ、All SaintsがFeile Belfast(ベルファストの「アイリッシュ・ナショナリスト」の側で開催される毎年夏の文化祭)でステージに立っているのとだいたい同じタイミングで発生していたことが確認できる。ひとつは「あの紛争 (the Troubles)」の残りカスが根を張って新たに育ったような部分の出来事で、もうひとつは「あの紛争」が過去のものとなったことを改めて確認するような出来事だ。

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初報はPSNI(北アイルランド警察)のこのツイート。



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2016年08月07日

北アイルランド警察と「あの紛争」の残りカス〜ビリー・ライトの神話化と、shoot to killをめぐって

北アイルランド警察の動きについて、少し気になるようなことが伝えられている。2件をまとめて1つのエントリにしようと思う。

今年1月、Be Like Billというインターネット・ミームを北アイルランドの警察がネットでパロディ化して(そう。警察が、ミームのパロディを作ったんです。コメディランドでもなかなか発生しない事態)、ニュースになったことがあった。

それから半年。その警察は今なお、そのミームのパロディを使っていたそうだが、そこで今度は本当に物議をかもす(というよりそれ以上の)展開になっていることを、The Irish Newsが報じている。(The Irish Newsはベルファストのメディアで、ダブリンのThe Irish Timesとは全然別。)

PSNI Facebook Dissident Dan posts 'wholly inappropriate'
Connla Young, 06 August, 2016 01:00
http://www.irishnews.com/news/2016/08/06/news/psni-facebook-dissident-dan-posts-wholly-inappropriate-says-councillor-639559/

やらかしたのは、最初にBe Like Billのパロディ、「ディシデント・ダン」をFBで投稿したクレイガヴォン警察署。問題となった投稿は7月21日付け(「夏のオレンジ祭り」の翌週)。

The Irish Newsの記事では、メインの画像としては問題となったのとは別のFBの投稿(棒人間の「ディシデント・ダン」を使っている)を使い、問題となった投稿は、サイドに小さく表示させている(クリックで拡大できる)。

その「問題となった投稿」については記事本文にも説明があるが、画像を拡大表示させれば記事に書かれていない部分も(一部だけ)読める。FBの写真投稿にしては長文なので、キャプチャには全文は入っていない。

クレイガヴォン警察のアカウント担当者は、この投稿で、銃の訓練としての標的射撃で使っている「標的」(板に、こちらに銃口を向ける男の絵が描かれたもの)のことを「ダン」と読んでいる。書き出しは、"This is 'Dan'." だ。

ミームのパロディでは、書き出しは "This is dissident Dan." だった。

今回の投稿にはdissidentという言葉はないが、"This is 'Dan'." のDanにくっついている引用符は、「例のダン」という意味を明示している。

なので、このターゲット・プラクティス用の板を普段から「ダン」と読んでいるといういいわけは通用しない。

既に練習に使われて銃弾による穴がいっぱい空いた状態のこの「標的」の写真に、クレイガヴォン警察のFB担当者は次のように書き添えているということを、記事は本文で書いている。引用されているのは冒頭のほんの少しだけだ。だが、それだけで十分である。

A message from an officer believed to have taken part in the training said: “This is 'Dan'. He was my 'training partner' a couple of days ago and as you can see...he didn't have a great day...."

http://www.irishnews.com/news/2016/08/06/news/psni-facebook-dissident-dan-posts-wholly-inappropriate-says-councillor-639559/


続けて記事は書く。警察によるこのような行為が、なぜ「問題」となるのかを。

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2016年08月06日

「あの戦争」は過去のひとつの戦争であり、もう終わったものだ。でも「戦争」は終わってなんかいない。核兵器も。

「毎年、8月になると戦争戦争と騒ぎ出す」と人は言う。私は「そうか?」と思う。なぜなら、私の見ている世界は、少なくとも2001年9月以降は、何月だろうとどの季節だろうと、「戦争」であふれかえっているからだ。一見「戦争」とは無縁そうな、大いに話題になっている「楽しいゲーム」に関しても、日本語圏でも取りざたされている「祈りの場」の尊重というような「過去の、終わった戦争」に関するニュースだけでなく、地雷原の話は出てくるし、現に戦火の中にいる子供たちへの視線の必要性を訴えるキャンペーンのことも出てくる。だが「毎年、8月になると……」論の人には、その人の文脈があるわけで、はあ、そういうものかもしれないですね、と黙って聞いておく。聞いているうちにその人の文脈がわかってくる。そのことで、私はそう発言する人の文脈を、多少なりとも(ただの「知識」としてであっても)共有できていると思う。これは、多くの言語コミュニケーション(音声であれ、文字であれ)に伴うプロセスのひとつだ。「はぁ? 8月だけとか、どこを見てたらそんなネボけたことを言えるんっすか」と全否定してかかることもできるのだろうが、そこから生じるのはコミュニケーション・ブレイクダウンでしかないだろう。

ともあれ、そういう時期(時季)になり、日本語圏でぱっと目に付く範囲で「あの戦争」への言及が増えてきた。これから15日まで、それが続く。

普段は気の向いたときにしか見ないYahoo! Japanのトップページを、7月26日の相模原での凄惨にして陰惨極まる大量殺人事件後は、日に何度か見るようになっているのだが、8月6日の朝、少しスクロール・ダウンしたところに、「未来に残す 戦争の記憶」というバナーがあることに気づいた。「ウォー・アーカイヴ」とあるそのURLを見てみると、「戦後70年」、つまり2015年(昨年)作成されたページで、その後も更新が続けられている。



今、この「アーカイブ」のトップにあるのは、7月28日の青森空襲についてのページだ。
http://wararchive.yahoo.co.jp/airraid/detail/15/

1945年7月28日夜、62機のB-29爆撃機が青森市を襲いわずか1時間余りの空襲で、1,000人を超す犠牲者が出ました。

前日に空襲を警告するビラが撒かれたにもかかわらず、消火の人手がなくなることを恐れた行政当局が避難を禁じたことと、投下された焼夷弾に燃え広がりやすい「黄燐」が混ぜられていたことで被害が拡大しました。


2016年6月に行なわれたインタビューで、この空襲で叔母とその幼い子供たちを亡くした(殺された)82歳の富岡せつさんという女性が、次のようなことを語っている。

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2016年08月03日

ふつうじゃない。(米大統領選、というか共和党)

米大統領選に関しては、少なからぬ人が、もう口にする言葉も失っている。

先週金曜日、民主党の党大会でスピーチを行ない、常套句でいう「全米が涙した」状態を現実のものとした人がいる。いや、「人たち」がいる。大切な息子を、イラク戦争で戦死という形で失ったカーン夫妻だ。アメリカにとっては「国を守って戦って死んだ」軍人の親である。

そのカーン夫妻に、信じがたいことに、共和党の候補者となったドナルド・トランプは、敬意のひとかけらも見せず、ただ侮辱をしてみせた。発端は、カーンさんのスピーチで「ドナルド・トランプは国のために何も犠牲にしていない」というようなことを言われてカチンときたことらしい。実に子供じみているが、子供じみたことをすることによって注目が集まり、票がかせげるということに気づいた人物なので、今後も同じような、到底大人とはいえないふるまいをし続けるだろう。(トランプと兵役についても、報道記事が出始めているが。)

トランプの侮辱に、カーンさんは反論した。「ステージには夫婦揃って立っていたのに、しゃべったのは男だけ。女の人はしゃべることを許されてないんですかね」というあまりにひどい発言に、息子を亡くした母親であるガザラ・カーンさんは、「私がしゃべらなかった理由」を説明した。ワシントン・ポストがその反論の場を提供した。

一連の経緯は下記にまとめてある。カギは「イスラム教」だ(カーンさんたちはイスラム教徒である)。
http://matome.naver.jp/odai/2147011961211761301

この「戦死者家族への侮辱」というとんでもない事態を受けて、オンライン・メディア、Vox.comの創設者であるエズラ・クラインさんが、「あまりのことに、私は言葉を失ってしまいました I'm speechless」と書く代わりに、どうspeechlessなのかを説明した長文記事を書いている。
http://www.vox.com/2016/7/30/12332922/donald-trump-khan-muslim

この記事に、次のようにある。
This isn't partisan. This isn't left versus right. Mitt Romney never would have said this. John McCain never would have said this. George W. Bush never would have said this. John Kerry never would have said this. This is what I mean when I write that the 2016 election isn't simply Democrat versus Republican, but normal versus abnormal.


これは、「民主党の党大会でのスピーチは、共和党の人たちはけなす」という党派的な問題ではないと述べ、クラインさんは「2016年の選挙は、単純に民主党対共和党という選挙ではない。ノーマル対アブノーマルの選挙だ」として、7月28日付の記事にリンクしている。
http://www.vox.com/2016/7/28/12281222/trump-clinton-conventions

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2016年08月01日

カール・フランプトンの勝利と2枚の旗

日本時間で7月31日(日)の昼ごろ、米ニューヨークでボクシングのタイトルマッチが行なわれていて、英国では早朝4時とかいう時間帯だったにも関わらず、NIのリストはけっこう賑わっていた。タイトル保持者であるメキシコのボクサー、レオ・サンタクルスに挑んだのは、北アイルランドのカール・フランプトンだった。

ボクシングは競技団体がひとつではなく、体重別の階級も細かくて、普段、特に関心を持たずにいる自分には難しいのだが、この試合は「WBA」という競技団体の「フェザー級」という階級のタイトル戦だった(階級についてはウィキペディアに一覧表がある)。試合は、目の肥えた人々が口々に「すごい試合だ」とツイートするような充実した内容だったようだが、判定の結果、フランプトンが2-0で勝ち、チャンピオン・ベルトを掲げた。

それだけでも北アイルランドは盛り上がるだろうが、さらに、今回フランプトンは、1つ下の階級(スーパーバンタム級。かつて「ライトフェザー級」と呼ばれていた階級)から1つ上げてフェザー級で王者に挑んだのだが、以前の階級であるスーパーバンタム級では既に世界を制していた。つまり、「2階級制覇」だ。これは、北アイルランド出身のボクサーとしては史上初の偉業達成となる。

というわけで、1ヶ月ほど前にはフランスでサッカーの代表チームを応援してぴょんこぴょんこしていた人たちが、また「うわぁい♪」と盛り上がっている。

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サッカーは、今年のEuro 2016の大会まではかなり「オレンジか、緑か」の区別が目立っていたのだが(北アイルランド代表をサポートするのは「オレンジ」側で、「緑」の側でサッカーに熱心な人々はアイルランド共和国代表をサポートする、というのが基本的な図式だった)、ボクシングは「オレンジ」も「緑」もなく、北アイルランドの人々をひとつにまとめるスポーツだ。

というか、あの「紛争」の時代に、ボクシングをそういう存在にした人がいる。フランプトンの所属ジムの「おやっさん」で、80年代にボクサーとして活躍したバリー・マクギガンである。

そこらへんのことは、既に書いたものをご参照いただきたい。

2016年02月28日 ベルファストのボクサーと、「クロス・コミュニティ」
http://nofrills.seesaa.net/article/434378595.html


ニューヨークでのタイトルマッチで、判定の結果が告知されフランプトンが勝利を手にしたときに、リング上で喜びを爆発させるバリー・マクギガンの写真が報道写真として回っている。とてもいい写真だと思う。

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2016年07月30日

飲食店従業員が「研修」のために呼び出されたら、イミグレが待ち構えていて……ということがあったあとの波紋

今週半ば、Twitterで #BoycottByron というハッシュタグがUKのTrendsに入っていたことがあった。何気なく見てみると、「バイロン」というのはチェーン展開している高級ハンバーガー・レストランで、そこで働いている「移民」たちが「研修」と称して声をかけられ、指定の場所に行ってみたらイミグレ(出入国管理当局)に捕まえられた、ということが起きていた。

おそらくそのようなことはしょっちゅう起きていて、ニュースにもならないし、それどころか人々の話題にもなることはない(「明日は自分かも」という立場の人々を除いては)。今回「バイロン」の件が話題になったのは、Twitterを見てわかった限りでは、「イミグレに捕まえられた『移民』は南米から来た人々で、そのためスペイン語のメディアで報道があり、そこから英語圏に入って、"No one is illegal" のスローガンに共鳴する人々によって、『どうせ、就労許可がない人々の足元を見て安い賃金で使ってきたのだろうに、イミグレと手を組んで従業員をわなにかけるなど、言語道断』ということで『バイロンをボイコットせよ』というハッシュタグができた」という経緯のようだった。つまり、スペイン語の報道がなければ英語圏に情報は流れていかなかっただろうと思われる。英国内で、英国政府によって行なわれていることであっても。

これはもちろん、日本でも同じことが言える。よほどひどいこと……本当に、ものすごくひどいことでも起きない限り、うちらの投票で決められた議会から選ばれた大臣が責任者となって、うちらの税金で運営されている政府(法務省)が管理・運営している牛久などの施設でどんなことが起きているかは、支援者のブログなどをチェックしている人たちはある程度は知っていても、日本国民の多くは知ることすらない。芥川賞候補者ともなった在日イラン人作家(もちろん、最初から日本語で書いている)、シリン・ネザマフィの小説『サラム』(留学生文学賞受賞)に、通訳者として難民申請に関わった人の視点で詳細が描かれているが、この小説だって「誰もが読んでいる」とはいえない。
4163284109白い紙/サラム
シリン・ネザマフィ
文藝春秋 2009-08-07

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ともあれ、英国での「バイロン」レストラン・チェーンの件は、そのように、スペイン語圏の報道から英語圏Twitterに入ったあとで、報道機関が取り上げ始めたようだった。スペイン語メディアの編集長にインタビューなどした映像報告もある:



そして、今週半ばのこのニュースのあとでどうなったかが、金曜日の晩(現地時間)に出たガーディアンの記事で報じられていた。

Most of those arrested at Byron burger chain have been removed from UK
Lisa O'Carroll, Friday 29 July 2016 17.33 BST
https://www.theguardian.com/uk-news/2016/jul/29/most-of-those-arrested-at-byron-burger-chain-have-been-removed-from-uk

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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